捕虫網
おもにチョウやトンボ・アブなどの飛んでいる虫を採集するのに使いますがバッタ・甲虫など、ほかの虫の採集にも便利です。
ふつうは八番線ぐらいの針金で直径30~45センチの枠をつくり、これにナイロンなどでつくった深さ70センチぐらいのふくろをつけたものです。
柄は長さ約1、2メートルの軽くて丈夫な竹を使います。
水網
水中に住む昆虫を採るのに使い網は直径20センチ,深さ25センチぐらいで、金網か丈夫な布でつくります。
柄は、捕虫網のものを代用すると便利です。
毒瓶
ポケッ卜に入れられる細いもの(毒管)と水とうのように肩にかける大形のもの(毒つぼ)とがあります。
毒管は直径3センチ、長さ12センチぐらい毒つぼは直径8センチ、高さ12センチほどでどちらも、底に毒を入れるところがあります。
毒には酢酸エチルや四塩化炭素・クロロホルムなどを使いますが非常に危険な薬品ですから、取扱いには充分注意しなければなりません。
採集のときは、毒管を数本用意して小さな体のつくりの弱い虫と大きな虫とは、別々に入れるようにします。
幼虫採集管
毒管と同じぐらいの大きさのもので、底に金網をはったものです。
幼虫などを生かしたままで、持ち帰るのに使います。
三角紙と三角缶
とらえたチョウ・ガートンボなどを三角紙に入れさらにそれを三角缶や、箱に入れて持ち帰ると羽根が傷みません。
三角紙のつくりかたは、下の図のようにします。
ふつうはパラフィン紙を使い大・中・小の3通りの大きさが必要です。
三角缶は、ブリキでつくった三角形の容器でバンドに通して腰につけられるようにしたものです。
採集箱
これには、いろいろの型のものがありますが、たいてい長さ30センチ、幅20センチ、深さ6センチぐらいのキリの箱で肩から吊るすようになっています。
採集箱は三角紙・毒管・ピンセッ卜などを入れて持ち運べるので採集旅行のときにはたいへん便利です。
日がえりの採集には、それほど必要ではありません。
このほかに、虫眼鏡や野外で観察したことや気づいたことを書きいれるノートを忘れてはいけません。
古かや・空き瓶・空き缶・空き箱などを使い自分で工夫して採集用具をつくってみましょう。
採集する時期と場所
昆虫は、私たちの身のまわりから野山・高山・海辺・池・川・地中など、いたるところに住んでいます。
大きな町でも公園や草木のあるところを探せば、きっと何か昆虫を見つけることができます。
しかし、それぞれの虫の性質によって、あらわれる季節も、時刻も場所も違います。
したがって、採集のしかたもかえなければなりません。
四季の昆虫
ツマキチョウ・ギフチョウ・ウスバシロチョウ・コツバメ・ミヤマセセリなどは、春のチョウです。
このほか、クロスジギソヤソマ・ハルゼミなども春でないと採集できません。
夏は、昆虫の種類もいちばん多くチョウ・ガ・ハチ・アブ・甲虫・トンボ・セミなど、いくらでも採集できます。
秋になると、急に虫の種類は減りますが、なく虫やアカトンボなどの採集にはこの季節がいちばんです。
冬はふつうの方法では、ほとんど虫は採れません。
けれども、オサムシなどの採集には、たいそう都合のよいときです。
フユシャクという、かわったガのでるのも、この季節です。
高山の昆虫
2000メートルぐらいから上の山には、高山だけに住む昆虫がいます。
ミヤマシロチョウ・クモマツマキチョウ・ミヤマモンキチョウ・コヒオドシ(北海道では平地で採れます)・タカネヒカゲ・クモマベニヒカゲなどが、高山チョウの代表的なものです。
ふつう、北アルプス・八ヶ岳・浅間山などで採集できます。
しかし、これらのチョウは、かぎられた場所だけに発生するのですから、むやみにとってはいけません。
このほか、ガロアムシというめずらしい虫も、高山にみられます。
池や川の昆虫
昆虫のなかには、水面に生活するものや水底に住んでいるものがいます。
池や川ではアメンボ・マツモムシ・タガメ・ミズカマキリ・タイコウチ・ゲンゴロウ・ガ厶シ・ミズスマシ・ヤゴなどがとれます。
カゲロウ・トビケラ・トンボ類には水辺でなければとれないものが、ずいぶんあります。
海辺の昆虫
砂浜に打ち上げられた海藻の下には、ヒョウタンゴミムシやルリエンマムシが隠れています。
このほかにもハエやユスリカの仲間で、めずらしいものが採集できます。
海水浴にいったときは、海辺の昆虫も採集しましょう。