硫酸銅と硝酸銀の製法・性質・用途とは? わかりやすく解説!

塩のでき方

硫酸銅には硫酸第一銅と硫酸第二銅とがありますがふつう硫酸銅といえば、硫酸第二銅の五水和物CuSO4・5H2Oをさします。


硫酸銅の製法

硫酸銅は、濃硫酸に銅くずを溶かしててつくりますが工業的には銅の精練のときの副産物として、たくさんつくられています。

硫酸銅の性質

硫酸銅五水和物は、水をふくんだ結晶で美しい青い色をしています。
この結晶をるつぼに入れて、静かに熱すると水を失って無色の粉末になります。

この粉末は水をふくまない硫酸銅の細かい結晶で空気中にほうっておくと空気中の水分を吸って再び青色の結晶にかわります。

この性質を利用して水をふくまない無水硫酸銅の粉末は水分があるかどうかを調べるのに使われています。

硫酸銅の用途

硫酸銅は、銅のめっき液に使うほか、農薬として使われます。

硫酸銅の水溶液に水酸化カルシウムをくわえると、細かい沈殿ができます。この沈殿をふくむ液をボルドー液といい。

作物の病気の予防や消毒に使われています。
ボルトー液は、銅イオンのもつ強い殺菌力を弱めて細菌には効くが作物には無害にしたものです。

このほかにも、銅塩を原料にした、いろいろな農薬があります。



塩の結晶や水溶液の色

塩の結晶や、その水溶液には、きれいな色がついたものがあります。
これらの色について、調べてみましょう。

結晶が水をふくんでいる場合に、その水を結晶水といいます。
結晶水をもった結晶の中では、金属の陽イオンはまわりに水分子をひきつけて錯イオン (そのイオンと水分子いくつかとの集まり)をつくっていることがあります。

水溶液の中でも、これと同じことがいえます。
塩や、その水溶液の色はこの錯イオンの色なのです。

この五水和物の結晶を熱すると、水分子が逃げて、銅イオンだけが残ります。

この銅イオンには色がありませんから、無水の硫酸銅にも色がありません。

このように、塩の結晶や、その水溶液の色は、その塩をつくっているイオンそのものの色ではなく、イオンと水分子がいくつか集まってできている、錯イオンのもっている色なのです。

硝酸銀の製法

銀を硝酸に溶かすと、下の式のように一酸化窒素をだして硝酸銀をふくむ溶液ができます。

この溶液を蒸発させると右の写真のような硝酸銀の結晶ができます。

硝酸銀の性質

硝酸銀の結晶は、色がなく、透き通っています。
しかし、日光にあてると硝酸銀が分解して銀の細かい粉ができ、黒くなります。

硝酸銀の水溶液に、塩化ナトリウムの水溶液をくわえると白い沈殿ができます。

これは、銀イオンと塩素イオンが反応して左の①式のように水に溶けにくい塩化銀ができたためです。

塩化銀は、アソモニア水には、左の②式のような錯イオンをつくって溶けます。

この2つの性質は、銀イオンや塩素イオンの検出に使われます。

硝酸銀の用途

硝酸銀は、写真のフイルムや印画紙の感光材料の製造にたくさん使われるほか、銀めっき液や、銀鏡の製造などに使われています。



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