たんぱく質の種類とは? わかりやすく解説!

食物の成分

私たちの体をつくっている物質の中で、その量からいってもはたらきの複雑なことからいっても、いちばん大切なものは、たんぱく質です。

筋肉や皮膚など体の支えとなるものばかりでなく生理作用のうえでも、大切な役割をはたしている物質はほとんど、たんぱく質から成り立っています。


たんぱく質の性質による分け方

たんぱく質は、だいたい20種ばかりのアミノ酸が何百とつながって、たいへん大きな分子をつくっている物質です。

アミノ酸というのは、同じ分子の中に窒素と水素からなるアミノ基―NH2と炭素・酸素・水素からなるカルボキシル基―COOHとをもつ有機化合物をいうのです。

いろいろなたんぱく質の性質の違いはこれらのアミノ酸のつながり方の順序や、その種類、数によって決まります。

体の中にあるたんぱく質の種類は非常に多いのですが水や塩類溶液、その他のものにたいする溶け方などによりいろいろと分類されています。

アルブミン

水に溶け熱によって固まる性質のあるたんぱく質をアルブミンといい血清アルブミン・たまごアルブミンなどがあります。

血清アルブミンは、血清中に多くふくまれていますが人と牛と馬とでは少しずつアミノ酸の並び方に違いがあったりして細かい性質が違っています。

たまごアルブミンは、たまごの白身に多くふくまれています。

グロブリン

水に溶けにくく、食塩水によく溶け、熱によってだいたい固まる性質のたんぱく質です。
血清中や動植物の体の組織の中にふくまれています。

プロラミン

水に溶けないが、うすい酸・うすい塩基、50~80パーセントのアルコールに溶けるたんぱく質です。
植物種子に多く、グルタミン酸というアミノ酸を多くふくんでいます。

小麦に多くふくまれるグリアジンというたんぱく質は、プロラミンの一種です。

グルテリン

植物種子に多くふくまれ水に溶けないが、うすい酸・うすい塩基に溶けます。
プロラミンと同じように、グルタミン酸を多くふくみます。

グルテリンの一種であるグルテニンはグリアジンとともにグルテンという複合物をつくります。
小麦のグルテンからは、化学調味料のグルタミン酸ナトリウムがつくられます。



硬たんぱく質

動物の毛やつめ・皮ふの表皮などをつくっているケラチン、骨・軟骨・関節などに多くふくまれているコラーゲンなどのたんぱく質のことです。

水や塩類溶液・うすい酸・うすい塩基に溶けず消化されにくいので、栄養的価値はほとんどありません。

色素たんぱく質 色素と結合しているたんぱく質です。
私たちの血液中の赤血球にあって、酸素を体の組織に運んでいるヘモグロビンはヘムという色素と結合した、グロビンというたんぱく質からなりたっています。

動物性たんぱく質

動物性たんぱく質は、おもにアルブミンやグロフリン・ヒストン・プロラミンなどのような細胞内のたんぱく質と、コラーゲンやケラチンのように細胞の外側に存在しているたんぱく質の2つから成り立っています。

このうち栄養的に大切なものは、おもに細胞内のたんぱく質です。

たまご・牛肉・牛乳などの動物性食品には、たんぱく質がたくさんふくまれています。

魚には、だいたい、牛肉と同じ量のたんぱく質がふくまれています。
また、動物性たんぱく質は、質がよいので体内で無駄になることが少なく有効に利用されますから、植物性たんぱく質ほど、たくさん食べなくてもよいのです。

植物性たんぱく質

植物性たんぱく質は、おもにプロラミンやダルテリン・アルブミン・グロブリンのようなものから成り立っています。

下の表からもわかるように、植物性食品にふくまれるたんぱく質は大豆や豆腐を除いて、動物性食品にくらべて量も少なくまた、質も悪いので一定の栄養状態を保つためにはたくさん食べなければならず、胃の負担もそれだけ多くなるわけです。

けれども大豆は、たんぱく質にとみ、質もすぐれているので私たちにとっては大事なたんぱく源となる食品です。



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