ソクラテスとプラトン、アリストテレスとその学問とは?

科学の進歩

人間の研究者、ソクラテス

ギリシアの政治が乱れて、スパルタとアテナイの町が戦争をはじめました。
そのころ、アテナイの町でソクラテスという偉い学者が、若い人たちを教えていました。

その教えは、正義を重んじることと、国家の法律にしたがうことでした。

戦争のため、アテナイの人々の生活は苦しくなっていました。
そして、自然を研究するよりは、人間を研究することか大事だという考えが強くなっていたので、若い人たちは喜んでソクラテスの教えを受けました。

ソクラテスは、国をまどわす者だという理由で捉えられ牢屋の中で毒を飲まされて死にました。


数学を重んじたプラトン

ソクラテスの弟子に、プラトンという人がいました。
プラトンは、ソクラテスの教えを受け継ぎました。

しかし、ソクラテスとは違って、プラトンは自然のしくみを調べる科学を重んじました。
とくに、数学を熱心に研究したのです。

定規とコンパスだけで描く線・平面・円などの性質を調べる幾何学は立派な人間をつくるもとになると考えたからです。

プラトンの学校の入り口には「幾何学を知らない人は、この門に入ってはならない」という立札があったそうです。

プラトンの弟子、アリストテレス

プラトンの学校に、とても頭がよくて「学校の心臓」といわれる生徒がいました。
この生徒がアリストテレスです。

プラトンが死んだのちは、故郷のマケドニアに帰りその国の王子、アレクサンドロス(アレキサンダー)の先生になりました。

アリストテレスは、どんな学問でも得意でした。
そして、いろいろな学問を、うまくひとつにまとめあげました。
ふつうの学者が、何十人もかかるようなことを、ひとりでやり遂げたのです。

アリストテレスの研究のしかたは、実際にあるものをひとつひとつ調べて、そこからひとつの規則を見つけようとするやりかたです。

このやりかたは、学問のすすめかたの大きなもとになるものでした。



アリストテレスの研究

生物の研究 アリストテレスは、動物を血のあるものと血のないものとにわけました。
そのころ、いっぱんの人は、「クジラは魚だ」と思っていたのですがアリストテレスに「クジラは獣の仲間だ」といいました。

また、人間の腕、獣の前足、鳥の翼、魚の胸ビレは形は違っているけれども同じしくみになっていることも見つけました。

天文の研究

アリストテレスは月や太陽や星などの天体は地球のまわりをまわっているのだと考えました。
そして天体の動きを、できるだけ理屈通りに説明できるような宇宙のしくみを考えだしました。
また、光についても研究しています。

力の研究

ものの動きやもののつり合い、また、引っ張る力についても研究しています。

物質の研究

宇宙のもとになる物質は、水・土・火・空気であり、また、ものの性質は、温かい・冷たい、乾いた・湿ったの4つの性質がもとになっていてこれらの物質と性質とが、いろいろと組み合わさって、あらゆるものができると考えました。

このように、アリストテレスが考えたものの中には、間違いもあります。

しかしそれは今のように科学がすすんでいなかった時代のことですから、しかたがありません。
むしろ、私たちはアリストテレスが学問の研究に熱心であったことを学ばなければならないでしょう。

アリストテレスは、自分の学校の道を歩きながら、弟子にいろいろなことを教えました。

人々はそれをみて、アリストテレスとその弟子のことを「逍遙学派」(ぶらぶら歩きの一派)とよびました。




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