太陽の高さの変化とは? 夏はなぜ暑いのか? わかりやすく解説!

太陽の高さと季節

実験

冬至・春分・夏至・秋分の日の太陽の南中時の高さを測ってみましょう。

平らな地面に垂直に、棒を立て、影の長さをはかります。
影がいちばん短くなったときが南中時です。

影の先と、棒の頭をつなぐ糸をはり、分度器ではかれば、高さがわかります。
また、棒と影の長さを、同じ割り合いに縮めて図を書いて測ってもわかります。

南中時刻は、経度によって違いますから、その土地の経度を調べ地方時に直した時計を見ながら、正午5分前から1分おきに正午5分過ぎまではかります。


実験

太陽の出入りの傾きを調べてみましょう。

夏至・冬至の日の太陽は、真東、真西から北と南へそれぞれ、どのくらい偏るかを、はかってみましょう。

春分・夏至・冬至の日の太陽の出入りのときに地面に垂直に立てた、棒の影に印をつけてそのあいだの角度をはかればよいわけですがつぎのような工作をしておくと便利です。

コニ七ページの図のように、20センチの正方形の板に細い竹ひごをたてて、地平線のよく見える場所におきます。

春分・秋分・夏至・冬至の日の入りのときの影を書き入れてその影のあいだの角度をはかります。

太陽の出入りのときの物の影は太陽が半分以上地平線に隠れているときにはかります。

太陽の高さの変化

太陽や、そのほかの天体の高さというのは山の高さという場合と違って、それを見上げたときの角度のことです。

水平線は0度の高さで、頭の真上(天頂)は90度になります。
太陽は日の出のときには、もちろん0度です。

そして、しだいに上がって昼ごろ真南の空にきたときには、いちばん高くなります。
けれども、日本では90度にはなりません。

太陽の・高さは、時間によってかわるのはもちろんですがその土地が赤道からどのくらい離れているかによっても、違ってくるのです。

北半球の夏至には太陽は北回帰線の真上にきます。
北回帰線の通るところでは、夏至の日に、地面に垂直に立てた。

棒の影は、昼ごろ1点になり、はかることができなくなります。
これは、太陽が私たちのいるところに23度半だけ近くなったようなもので、そのために北半球では暑い夏がやってくるのです。

北回帰線よりの北の地点では、東京でも、どこでも、太陽は、春分や秋分のと距離も23度半だけ高くまで上がるようになります。

冬至のときは、ちょうどこの反対で太陽は、南回帰線の真上にきます。
このように、太陽の高さは、季節によってもかわります。



夏はなぜ暑いのか

夏は昼が長く、太陽は、長いあいだ地面を照らしています。
そのために、温度が上がるということは、すぐ考えられるでしょう。
しかし、そればかりでなく太陽が高い角度から照らしているから暑いのです。

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左の図のようにアイとアウの長さをくらべてみるとアウのほうが長いですね。

したがって、同じ熱の量がアウのほうでは広い範囲にまき散らされるので、決まった面積あたりの熱をうける量はアウのほうが少なくなります。
それでアウは、アイよりも温度が上がらないのです。

だから同じ面積でも、低いところからななめに照らされるよりも高い角度から照り付けられるほうが、それだけたくさんの熱をうけるのです。

このため北極では、夏には1日中太陽が照っていても高さが低いので、暑くなりません。
そして太陽が半日しか照っていない赤道地方のほうがずっと暑いのです。
南向きの土地が、ほかのところより、かなり温かいのも、同じわけです。

夏至のころいちばん暑くならないわけ

それなら、いちばん太陽が高く、しかも長く照り付ける夏至のころが1年中でいちばん暑いように考えられます。

しかし、実際には、それから1か月後の8月がいちばん暑くなります。
それは大地や海水が、温まり、気温が上がるのにそれだけの時間がかかるからです。

また冬も、いちばん寒いときは、冬至より2か月ほど遅れますがこれも、いちど温まった大地や、海水が冷えるのにそれだけの時聞かかかるからです。

実験

よく晴れた日に、空き瓶に水を入れそのときの温度をはかり、固く栓をします。
内側を黒くぬるか、また黒い厚紙をはった箱を2組用意します。

外気にふれないようにガラスのふたをして1組は水平にし、1組は太陽の光を直角にうけるようにならべておきときどき、この影を見て、太陽の方向に向きをかえ1時間おきに温度計を入れ、その温度の違いを調べてみましょう。




季節が変わるのはなぜ? 春分・夏至・秋分とは?

季節

春の温かい日差し、夏の夕立、秋の涼しい風、そして、冬の長い夜。

このように、私たちのまわりの自然は地球が太陽のまわりを公転するにつれて姿をかえます。

この地球の公転や自転の様子を調べていくと季節の移り変わりについてのいろいろな問題がわかります。


季節の変わるわけ

地球は大きな球で、コマのように自転しています。

地球には、コマのような芯棒はありませんがやはり南極と北極をむすんだ線を軸にして、まわっています。

いま、地球が公転する有様を、コマの図のように考えてみましょう。
平らな机の真ん中においた電球を、太陽と考えます。

そのまわりの円は、地球の公転する軌道です。
この軌道に沿って、地球のかわりにコマが自転しながらまわっているとします。

図を見てすぐに気がつくことはこのコマがふつうのコマのように、まっすぐに立っていないことです。
地球も、このように軸を傾けながら、自転をしているのです。

コマは、電球の右側のところではこの傾きのために、上の面がよく照らされます。
このコマの上の面が夏、下の面が冬にあたるわけです。

つぎに、電球の左の方では、コマの上が影になり下の方がよく照らされています。

ここでは、コマの上の面が冬、下の面が夏になるわけです。図を見てください。
コマの形が地球の形にかわっただけで、動き方は、まったく同じです。

地球の軸は公転する面(コマの場合の平らな机)にたいして垂直ではなく、垂直より23度半傾いています。

したがって、図のように、地球の北のほうがよく太陽に照らされたり南のほうが日当たりがよくなったりするのです。

このようにして、冬と夏が起こり、その中間では、春と秋になります。

地球の赤道のあたりでは、いつも頭の真上から太陽によく照らされているので、いつも暑い夏ばかりで季節のうつりかわりはありません。

また、北半球が夏のときに南半球は冬で反対に北半球が冬のときは南半球が夏になるということも図を見ればよくわかります。

このとき、北半球は、冬至です。

図のように、南極は23度半だけ、太陽のほうに傾いています。
ですから、赤道より23度半だけ南によった南回帰線という線の上に太陽がきます。

北極から23度半南によった北極圏までのあいだには地球が自転しても、日があたらず、昼かわりません。

そして、南極から23度半北によった南極圏までのあいだの地点では、夜がありません。

昼と夜の境目(日の出・日の入り)の線は地球の自転軸にたいして傾いているので、北の地方と南の地方とでは日の出・日の入りの時刻が、それぞれ違い、昼と夜の長さが違います。

北極圏に近いところを、まえの図から考えてみると昼の部分は少しで夜の部分が多く、つまり、夜の長いことがわかります。

その年によって違いますが、冬至は12月23日ごろです。



春分

図のイを見ると、地球の軸は、公転の方向にたいしては、傾いていますが、太陽の方向にたいしては直角です。
したがって、太陽は、地球を真横から照らすようになります。

冬至のときに、南回帰線の上にきていた太陽はだんだん北にきて、春分の日には、赤道の真上にくるのです。

地球上、どこでも、昼と夜の長さが同じだということも図からわかります。
春分は3月21日ころで、日本では彼岸の中日にあたります。

夏至

冬至の半年後、6月22日ごろ、地球は135ページの図ウの位置にきます。
冬至のときと、北と南がまったく反対になり北極は23度半、太陽のほうに傾きます。

春分のとき、赤道の上回あった太陽は、ますます北によってこの日には、北回帰線の真上にまできます。

北極圏より北には夜がなく、太陽は沈みません。
そして、その近くでは、夜の部分が少なく昼の部分が多いことが図からわかります。

秋分

春分より半年経った9月23日ごろです。
春分とまったく同じように考えることができます。

太腸は夏至のときの北回帰線から南に動いてきてこの日に赤道の真上にくるのです。日本では、秋の彼岸の中日にあたります。




昼と夜がかわる場所とは? 白夜とは? わかりやすく解説!

北国の星と夜

ずっと北野地方では、太陽の方角や昼と夜の長さは、どのようにかわるでしょうか。

夏至とき、北極圏(北緯66度30分の緯線をいう)にいくと太陽は午後12時になっても沈みません太陽は地平線すれすれまで低くはなりますがそのまま昇ってしまいます。

そして、北極圏より北では地平線までも下がらないで、また昇ってきます。
北極圏で、太陽が沈まないのは、夏至のときだけですがそれより北極に近づくに連れて夏至の前後に夜のない日が続くようになります。

そして、北極では、太陽は1日中、地平線と平行に動き半年のあいだ、夜はありません。


白夜

北極圏よりもわずか南の地方、たとえば、北ヨーロッパの国々では夏至のころの夜に白夜といっています。

白夜のころは夜がたいへん短く、しかも太陽は地平線からわずか下に沈むだけなので一晩中薄明のような明るい夜になります。

反対に、冬至の前後には、北国の夜は、非常に長くなります。
冬至の日に、北極圏では、太陽は地平線まであがるだけでまた沈んでしまいます。

それより北では冬至の前後に太陽を見ない日が続き雪と氷に閉ざされた、長い夜の季節になるのです。

赤道地方の昼と夜

南の地方では、どうでしょうか。

太陽に南に行くにつれて、だんだん高くまで上がるようになります。

北回帰線(赤道から23度30分北によった緯線で日本付近では台湾のほぼ中央を通っている)では夏至のとき太陽はちょうど頭の真上を通ります。

そして、それより南の地点では夏至のころの太陽は北の空を動くようになります。
赤道地方では、太陽は、1年中地平線に垂直に昇り昼と夜の長さはいつでも同じです。

北半球・南半球の星と夜

地球の赤道から北の部分を北半球といい、南の部分を南半球といいます。

南半球では、北半球の季節と、ちょうど反対になります。
北半球が夏のとき南半球では冬です。
また北半球が冬のときは、南半球は夏です。

北極は、南極とまったく反対の地点ですから北極が夏で1日中太陽が沈まず半年の長い昼が続くとき南極は冬で、まったく太陽を見ることができない長い夜が続きます。



昭和基地

日本の南極観測地である昭和基地は、南緯69度にあります。
これは、66度半よりも大きいので、当然南極圏内にあります。

したがって、ここでは夏至の前後には全然太陽を見ることができないのです。

実際6月1日から7月12日までの42日間は、太陽は出てきません。
もちろん日本では、このころはいちばん日が長く暑いことですが、南半球では冬のわけです。

南極の越冬隊の人たちは、太陽がはじめて顔を出す日をどんなには待ちわびていたことでしょう。

太陽が出るようになれば、やがて、春がやってくるからです。

反対に、冬至(北半球での)の前後には沈まない太陽を見ることができるわけです。

このようなところでは日常の生活は実に、たいヘんだろうと思われます。

夜になったからねるのでなく、南のほうに太陽が偏ったからもう寝なければならないということになるわけです。

まったく、奇妙なものだと想像されます。




日の出と日の入りがなぜ起こるのか? わかりやすく解説!

太陽の動き

太陽は毎日、東から出て西に沈みます。
星と同じように太陽も日周運動をしているのです。

もちろん、実際は、たいようが動くのではありません。
地球が西から東へ自転しているために太陽がが動くよう見えるのです。

地球が太陽の光に照らされると、日のあたる部分かできます。

ほかあたっているところが昼で、影のところが夜です。

地球儀に、横から電灯の光をあてて、まわしてみれば昼と夜の終わるわけがすぐにわかります。

昼と夜にわかれた部分は、地球の自転のために東から西へうつっていきます。
そして、24時間でひとまわりしてまた、もとの位置にもどってきます。


日の出と日の入り

太陽は、毎朝、東の地平線から空に昇ります。これを日の出といいます。そして、正午ごろ南中します。

南中というのは、太陽が真南にきて1日のうちでいちばん高く昇っているときです。
夕方になると、太陽は西の地平線に沈みます。これを日の入りといいます。

1日のうちで、日の出の時刻から日の入りの時刻までが昼で日の入りの時刻から、翌日の日の出までが夜です。

しかし、日の入りの後でも空は急にまっ暗になってしまうのではありません。
だんだんと暗くなり、星が1つ1つしだいに増えてきます。

この空のうす明るい30分くらいのあいだを薄明といいます。

これは、地面に太陽の光があらなくなっても空の上のほうの空気や雲には、まだ日があたっているためにここで光が反射して、空が明るく見えるのです。

日の出の前に、まず空が明るくなるのも同じことです。

昼と夜の長さ

日の出や日の入りの時刻は季節によってかわります。

夏は日の出が早く、日の入りの遅い季節で夏至には、昼が1年中でいちばん長くなります。

また、昼夜の長さは場所によってもかわります。
たとえば、夏至のとき東京の昼の長さは、14時問30分ぐらいなのに北のほうの札幌では15時間ぐらいになります。

もっと北のほうでは、昼の長さはさらに長く、反対に夜は短くなります。
また、昼と夜の長さがかわるだけではなく太陽の出たり沈んだりする方向も、違ってきます。

たとえば、夏至のころ太陽は真東でなくかなり北によった方角から昇り、やはりま西から北によった方角に沈みます。

しかし、当時のときには、すべてこれと反対で昼が短く、夜は良くなり、日の出も、日の入りもそれぞれ真東、真西からずっと南によった方角で起こります。



観察

太陽の昇る方角が、季節によって、どのようにかわるか実際に調べてみましょう。

東と西の地平線が、できるだけよく見えるように広々とした、高くて見通しのよいところを探してそこで、太陽が、どこから昇ってくるかを調べます。

その方角の、できるだけ遠い山や森や建物などなにか動かないものを目印にして覚えておきます。

日の入りのときも同じで、太陽がどこに沈むかを調べて目印を選んでおきます。

この目印が、たいへん遠いものなら、方角を調べるために立つ一はそんなに正確にしなくても大丈夫です。

けれども、かなり近いところにしか目印がないときには立つ位置を正確に決めておかなければなりません。

こうして、毎月、20日ごろに1回、日の出と日の入りの方角を調べます。

20日ごろでなくて、何日でもよいのですが夏至や冬至、春分や秋分のときが、だいたい20日ごろですから都合がよいのです。




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