食物の成分のうち三大栄養素といわれる有機質(炭水化物・脂肪・たんぱく質)を除いた残りのものが、水分や塩分などの無機質(灰分)です。
無機質は私たちの体をつくる材料として、なくてはならない大切なものなのです。
また、これらの成分のほかに、ごく少量ですが食物としてとらないと、体にいろいろな障害がおこるような有機質があります。
これがビタミンです。
食塩
体の中で、いろいろな変化か順調におこなわれるためには血液やリンパ液が一定の種類と、一定の濃度の塩分をふくんでいなければなりません。
血液にふくまれる塩分の大部分は、ナトリウム塩です。
わたしたちが食塩(塩化ナトリウム)を相当量とらなければならないのはこのためです。
1日に必要な食塩は、ふつう10~20グラムぐらいです。
カルシウム
骨の成分は、大部分がリン酸カルシウムです。
リンは穀物にたくさんふくまれますが、カルシウムは穀物にはほとんどないのでこれを多くふくむ小魚や牛乳をとる必要があります。
とくに牛乳中のカルシウムは、吸収されやすい形で存在しています。
鉄
鉄は、赤血球の中にあるヘモグロビンという色素たんぱく質にふくまれています。
肺で血液、か空気に触れると、ヘモグロビン中の鉄が酸素と結合します。
そして、血液がめぐって、組織にまわってくると酸素をはなすのです。
組織の細胞にわたされた酸素は、炭水化物や脂肪などの酸化に使われます。
この酸化のなかだちになっているものの1つであるチトクロムという物質も、やはり鉄をふくんでいます。
鉄は、いろいろな食品中に、少量ながらふくまれています。
リン
体の中では、リンはいっぱんに、リン酸化合物の形で存在しています。
カルシウムといっしょになって、骨をつくるほかにいろいろの炭素化合物と結合して、たくさんのはたらきをしています。
なかでも大切なはたらきは、ATPとよばれるリン酸化合物でたいへん多くのエネルギーをもっていることです。
炭水化物の酸化によって生まれたエネルギーは、ひとまずATPという形になるのです。
そして、体の中で何かエネルギーを使って仕事をしなければならないときにこのATPが使われるのです。
ヨウ素
甲状腺ホルモンであるチロキシンという物質はヨウ素を多量にふくんでいます。
それでヨウ素が不足すると、このホルモンが足りなくなりいろいろな病気をおこします。
ヨウ素は、海藻中にたくさんふくまれています。