ばねの利用

弾性をもつ物は、ばねとして広く利用されていますがひとくちにばねと言っても、その目的によってそれぞれ違った使い方をしています。


ばねに仕事をさせる

ばねに力を加えて変形させると外力はその力に動いた距離をかけた値と同じだけの仕事をします。

これは、変形のエネルギーとしてばねに蓄えられ、ばねがもとにもどるときに同じ量の仕事をします。

この性質を利用したものに、時計のぜんまいがあります。
ぜんまいをまいておくと、変形のエネルギーを、少しずつ仕事にかえて時計の歯車や針を、摩擦力に逆らって動かしていきます。

また、洋服ブラシは、毛の弾性を利用して小さいごみを跳ね飛ばすものです。

物をおさえる

洗濯ばさみや紙ばさみなどはつるまきばねの弾性を利用して物をおさえるものです。

電気のスイッチにも、銅板の弾性が利用してあります。

自転車のスタンドにも、つるまきばねがついていてスタンドをあげたとき、水平に保つはたらきをしています。

ボイラの安全弁をおさえておくためにも、ばねが使われます。
これは、ボイラの蒸気が、一定の圧力以上になったとき弁を押し開いて安全を保つようにしたものです。

衝撃や振動を弱める

自動車や鉄道車両は、運転中に、いろいろな衝撃の力や、振動を受けます。
そこで、車軸と車体のあいだに、重ね板ばねやつるまきばねを使ってこれらの力を弱めています。

椅子やベッド、自転車のサドル、オートバイなどについているつるまきばねも同じようなはたらきをしています。

列車の連結器には、輪ばねをならべて使ったものがあります。
これは、内輪ばねと外輪ばねを組み合わせたもので互いに円錐形の面で接しています。

輪ばねに、軸の方向から力が加わると内輪ばねは圧縮され外輪ばねは押し広げられます。

このため、触れ合っている面に大きな摩擦力もはたらき、衝撃の力を弱めることができます。

力の大きさを測る

ばねは、弾性限度内では、フックの法則によって外力と変形の量が比例します。

この性質を利用すると、変形の量をはかって加えた力の大きさを測ることができます。

ばね測りや上皿測りは、つるまきばねを使ったものです。電流計の針の軸に、うずまきばねをつけたものもあります。

これは、ばねの変形によって、電磁気力を測るものです。

また、ねじり測りといって、針金のねじれによって力のモーメント、または、重さを測るものもあります。



ゴムとその利用

ゴムは、金属にくらべて、著しく弾性による変形をします。
もとの長さの数倍に伸ばして千切れないし、力を取り去るとまたもとの長さにもどります。

ゴム測りの実験

輪ゴムを8本ばかりつなぐか、ゴム糸を50センチあまりとってそのはしに、小さい皿をつるします。

皿は、フィルムの空き缶のふちに、小さい穴を3つ開け細い針金を通したものでよいでしょう。

ゴム糸の上のはしを高いところにとめて、下につるした皿に重さのそろった鉄の玉かガラス玉を、1個ずつのせていきます。

玉をのせるたびに、玉の数とゴムの長さを測って、その関係をグラフに書いてみましょう。

鉄の玉の重さが、1個1.5グラムのときその結果は、つぎのグラフのABCのような曲線になりました。

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この場合、皿の重さ7.5グラムの中に、4個の鉄の玉を加えたところまでは、びと重りの数とが比例するとみて、差支えありません。

それ以上になると、伸びの増える割合いが大きくなり上のほうに曲がった曲線になります。
それでも、せまい範囲を見れば直線に近く、比例していると見なせます。

ゴム糸を注意してみると、伸びが増すにしたがって、細くなります。

したがって、ゴム糸の断面にはたらく応力をくらべてみると細くなったときのほうが、実際には、大きくなっているはずです。

そこで、ゴム糸の太さを測って、まえのグラフを補正するとほぼAFのようになりました。

こんどは、鉄の玉を10個のせたC点のところで1個ずつ玉を減らしていくと、CDEの曲線を描いてもとにもどってきました。

この場合は、ABCの曲線と少し食い違っていて伸びが残っていることがわかります。

ゴムの利用

ゴムは、変形したときに生ずる力で、物を締め付けるのによく使われます。
ゴムひもはバンドに使ったり、包み紙をとめたりするのに使われます。

模型飛行機のプロペラをまわすにはゴム糸をねじったときそれがもどろうとするときの力を利用します。

ゴム管は、それをはめたものとよく密着します。
そのうえ、気体や液体を通しにくく、曲がりやすいので水辺やガスのホースに使われています。

入れ物のふたに、ゴムのパッキンを使うのもゴムの弾性で隙間をなくすためです。

このほか、衝撃や振動を弱めるためにも、ゴムが使われます。

自転車や自動車のタイヤなどが、そのよい例ですがこの場合は空気の弾性が助けになっています。