コケの標本
コケの標本は、いちばんかんたんです。
スギゴケの仲間(せん類)は、採集のところで説明したようにセロハンのふくろに入れて、そのままかわかせばよいのです。
ゼニゴケの仲間(たい類)は、水分が多いので、おし葉標本にしますが、せん類と同じようにしてもよいのです。
サルオガセの仲間(地衣類)は、たいへん水分の少ないものですから、せん類と同じようにします。
キノコの標本
ふつう、キノコは、よくごみを洗いおとして70パーセントぐらいのアルコールかホルマリソの5パーセントぐらいの液につけて、液づけ標本にします。
ツチグリやサルノコシカケのように乾きやすいものは、そのまま乾かしただけで標本(乾燥標本)にします。
海藻の標本
海藻は、おし葉標本か、液づけ標本にします。
海藻のおし葉標本
まず海藻を真水につけて、塩分や汚れをとります。
つぎに、真水を入れた大きなパットか、たらいに海藻を入れます。
そして、台紙を水の中に入れて、海藻の下にさしこみます。
この台紙の上に、ピンセッ卜か指先で海藻をよく広げます。
こうして、形をくずさないように注意しながら台紙といっしょに海藻をひきあげます。
このようにして、海藻をすくいあげた台紙を、ななめにした板の上にならべて水をきります。
水が垂れてなくなったら新聞紙を2、3枚重ねた上に台紙をならべて、上からさらしの布をかけます。
この上に、新聞紙を2、3枚のせて、その上に、またほかの台紙を重ねます。
こうして、新聞紙とさらしの布をかけた台紙とを、互い違いに重ねていきます。
こうして重ね終わったら、あとは、ふつうのおし葉標本と同じように上と下に板をおいて、上から重しをしておけばよいのです。
台紙に、さらしの布を被せるのは新聞紙に海藻がはりつかないようにするためです。
こうして、1日に1、2回、あいだにいれた新聞紙をとりかえます。
天気がよければ、3~5日ぐらいで乾きます。
よく乾いたら、重しをとって、布を静かに台紙からはなします。
たいていの海藻は、体からのりがでるので台紙にはりついていますが、はりつかないものは紙きれやセロハンテープなどで動かないように、ところどころをはりつけます。
ラベルも、ふつうのおし葉標本のように台紙のすみにはっておきます。
海藻の液づけ標本
液づけ標本は、広口びんなどに、5パーセントぐらいのホルマリン液か70パーセントぐらいのアルコール液を入れて、海藻を浸しておけばよいのです。
液づけ標本は、海藻を生きていたときと同じ状態で保存できますが色がかわる欠点があります。