昆虫の観察のしかたとは? チョウの幼虫の飼いかたとは?

昆虫観察の注意

生きている昆虫を観察するときは観察したことがらを書きとめておくことが大切です。

日づけのあるノートに毎日書いておけば、観察日記ができあがります。

観察日記には、日づけのほか、観察した時刻・温度・天気・明るさなどを忘れないように書いておきましょう。

観察したことは、大切なことがらだけを、かんたんに書けばよいのです。
また動物や植物の名前は、カタカナで書くことになっています。

名前のわからないものを観察するときはチョウの二番とかチョウの三番とかいうように番号をつけておき、あとで名前を調べて、ノートに書きこみます。

そして、観察日記に絵を書くときは、正確に書くように注意します。


昆虫で観察することがら

止まりかた跳ねをどのようにたたんでいるかを調べます。
また、足やひげのおきかたなど、細かい点にも気を配りましょう。

たとえば、タテハチョウなどは、前足が舌の役目をしていて止まったときは前足を下につけません。

食物の獲り方

なめかた・さしかた・かみ砕きかたなどに、いろいろな特徴があります。
水に住む昆虫では、泳ぎかたにも、気をつけましょう。

たまごの生みかた

生む時刻、生みつける場所、生んだたまごの様子などを、よく観察します。

チョウの成虫の飼いかた

チョウを飼うには、めの細かい網をはったおいこみかごを野外において草花などをうえ、その中にチョウをはなして観察します。

かごの中に、砂糖水をふくませた綿をおき口を伸ばして砂糖水を飲む様子を、よく見ましょう。

チョウのたまごの観察

チョウは、ふつう幼虫の食草となる植物の葉や芽に、たまごを生みつけます。
しかし、このようにして生みつけられたたまごは非常に見つけにくいものです。

そのようなときは、たまごをいっぱいもっている腹のふくれためすをつかまえてきます。

これを、幼虫の食べる葉を入れたかごや瓶に入れて、たまごを生むのをまつのです。

たまごを生ませるには、水をやり、光をあてるとよいとも言われます。
また、跳ねを切り取ってしまい、それを入れた瓶を日なたにおくとよいという人もいます。

しかし、カイコガのように、かんたんには、たまごを生んでくれません。



チョウの幼虫の飼いかた

幼虫は、少しずつシャーレかコップなどにいれ、かんたんに飼うことができます。

たまごから飼うのは、なかなかたいへんですが野外で幼虫を探してくるのは、そう難しいことではありません。

そのかわり、ヒメバチ・コマユバチなどの寄生バチがやどっていることが多く、せっかく、さなぎになってもチョウが出ないでハチが出てくることがあります。

このようなときはハチのでたさなぎを標本にしてとっておき、それといっしょに、ハチも標本にしておきます。
そして、何というチョウの幼虫からでたということを紙に書いておきます。

チョウに寄生するハチは、ごく一部しか調べられていないので、これだけでも、立派な研究です。

幼虫を入れたシャーレやコップは、ふたをしたままで構いません。
たくさん入れすぎなければ、息がつまる心配もありません。
空気がかようようにすると、かえって中が乾いて、死ぬことがあります。

また、茶碗に6、7分めほど、湿った砂を入れ、茶碗の上に布をかぶせて、これをひもやゴム輪でぴんとはっておきます。

この上に、背の低いコップを逆さにかぶせ、コップの中に幼虫を入れておくと、ほどよい湿り気と風通しがあるので、丈夫に育てられます。

幼虫は、ふつう食物にする葉の上にとまっています。
その植物を覚えておいて、つかまえてからも、その葉を続けてやればよいのです。

あたえた植物を食べないときは、つかまえた場所の近くの植物を数種類とってきていっしょにやってみます。

幼虫は、そのなかから、自分の好きな植物を選びだすでしょう。

幼虫からさなぎへ

幼虫が脱皮するとき、形や色がかわることがあります。
これは、クレヨンなどで書きとめておきましょう。

このほか脱皮したてと、つぎの脱皮のまえに体長を測っておきましょう。

アカタテハやダイミョウセセリの幼虫は葉をまいて巣をつくります。
このような巣の形も、絵に描き、ものさしで長さも測っておきましょう。

さなぎをとってきて、かごの中に入れておくと、チョウが出てきます。
このとき、かごの底に湿った砂を入れておくとよいと言われています。

ガの仲間の飼育や観察も、チョウとあまりかわりません。

ただ、土の中から掘り出したさなぎは人の手で、もう一度うずめるよりも湿った茶碗の中に入れておいたほうがよいのです。




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