ウサギの飼いかたとは? わかりやすく解説!

ウサギの飼いかた

ウサギには、野山に住んでいるノウサギと人間に飼われているイエウサギとがあります。

ノウサギは、つかまえてきて飼っても、うまく育ちませんし、イエウサギとのかけあわせもできません。

イエウサギには、いろいろな種類がありますが日本で飼うものの大部分は肉や毛皮を利用する日本白色種と、おもに毛を利用するアンゴラ種です。


住まい

ウサギは臆病で昼寝て夜活動する性質があり、また、湿ったところを嫌います。
ですから、静かな乾いたところで飼うようにします。

飼育箱は、空き箱などを利用してつくることもできます。
ふつう、はば80センチ、高さ40センチ、奥行40~60センチぐらいにし底の板は少し傾けて、糞や尿が流れでるようにします。

その上に竹のすのこや網のめの大きさが1.5センチほどの金網を平らにのせて、床にします。

正面は、3分の1ぐらいを板戸にし、あとは金網の戸にしてこの箱に、1匹ずつ入れて飼います。

えさ

ウサギは、おもに草や木の葉を食べますが、これだけでは栄養が足りませんから麦・トウモロコシ・ふすま・豆腐かすなどをあたえます。

親ウサギで、1日に青草500グラム、穀類30グラムほど食べます。
1日2、3回にわけてあたえ、夕方の分量を多くします。

あまり濡れたえさはやらないようにし反対に乾いたえさばかりあたえたときは、水をやります。



世話のしかた

つかまえるときは、耳をもたないで背中の皮膚を大きくつかんで持ち上げます。
アンゴラウサギは、ときどき、毛をくしでといてやり、また、ふつう3か月に1回毛を刈取ります。

増やしかた

ウサギは、ふつう7か月ぐらいで親になります。
親のめすウサギは、7日おきぐらいに落ち着かなくなります。
このときにつかまえて、おすの箱に入れ、かけあわせてやります。

その後、30日ぐらいで、5、6匹の子ウサギが生まれます。
母ウサギがお産をするときは、4、5日まえに、やわらかいわらをたくさん入れてやります。

母ウサギは、自分のお腹の毛と、このわらで巣をつくります。
また、お産のときはのどが乾きますので、水をあたえます。

子ウサギは、生まれてから、3日めぐらいでうぶ毛がはえ10日ぐらいで目があきます。

1、2か月したら親からはなしてやります。




小鳥の飼いかたとは?鶏の飼い方とは? わかりやすく解説!

小鳥の飼いかた

飼う小鳥には、いろいろな種類があります。

ローラカナリアのように声を楽しむもの、インコのように体の美しいものオウム・キュウカンチョウなどのようにものまねさせるものジュウシマツ・セキセイインコ・カナリアのように増やして楽しむものなどさまざまですが、どれもふつうは鳥かごの中で飼います。


えさ

ベニスズメ・コキソチョウ・ジュウシマツ・コウカンチョウ・カナリア・オカメインコ・セキセイインコなどは玄米や米ぬかの粉、青菜、貝殻の粉をあたえて飼います。

また水をよく飲みますから、水をかかさないようにします。

キュウカンチョウ・ウグイス・メジロなどはすりえ鳥と言い、ぬか・米の粉・魚粉・すり菜などを、のりぐらいの硬さにすりまぜてあたえます。

小鳥は、水浴びをする習わしがありますから、さしわたし6センチ、深さ3センチ以上の入れ物に、きれいな水を入れてやります。

住まい

ふだんは鳥かごを使いますが巣匹(子鳥をとること)をするには庭こを使います。
大きさは鳥の大きさによりますが、大きめのものがよいようです。
底の引き出しには、川砂と新聞紙を入れてやります。

巣は、いつもきれいにし、新しい空気と日光が入るようにします。
また、暑いとき涼しいところ寒いときはあたたかいところに、おいてやります。

増やしかた

ジュウシマツやセキセイインコは、いつでも巣匹ができますがカナリアやブンチョウは、春と秋にしか、たまごを生みません。

巣匹をするようになったら、ゆでたまごの黄身を食べさせると早くたまごを生みます。

庭こにおすとめすを入れ、底に新聞紙を細く切ったものや細い木の根を入れると、それを使って巣をつくります。

たまごを生み終わると親鳥はおよそ十数日間それをあたためて、ひなをかえします。

このころは、親鳥を驚かせないように、注意しなければなりません。
ふ化したひなは、ほぼ一か月ぐらいで、親からはなせるようになります。

ニワトリの飼いかた

ニワトリは、たまごや肉など人間の食物となる大切な動物です。
いろいろな種類がありますが、おもなものは白色レグホンとプリマスロックなどです。

これらは、たいへん多くのたまごを生みます。
 

増やしかた

雄鶏といっしょに飼っている、雌鶏が生んだたまごを、種たまごと言います。

むかしは、農家でこの種たまごを、雌鶏にあたためさせて、ひなをかえしましたが、いまではふ卵器を使って、いちどに何万個ものたまごをふ化させています。

ひなの育てかた

ふつう、ふ卵場でひなを買ってきて、育てます。
ひなは、ふ化してから2日ぐらいは、えさをやる必要がありません。

ふ化したばかりのひなは、育すう器に入れ、うす暗くして休ませます。
育すう器の大きさは、ひな20羽に対して、0.5平方メートルは必要です。

ふつう、長さ1メートル、はば50センチ、深さ20~25センチぐらいの箱を3分の1のところで二室にしきり、そのさかいは自由に出入りできるようにします。

せまいほうの中は、電球や湯たんぽなどで40度ぐらいにあたためます。
広いほうは、運動場です。

箱の底は、板よりも、網のめの大きさが1.5センチほどの金網にしたほうが、衛生的です。

その上にむしろをしきます。

ひなが大きくなったら、だんだん、広い場所で遊べるようにします。



えさ

ひなが、ほかのひなの目や足をつつくようになったら水や、ゆでたまごの黄身を砕いたものをあたえます。

そのあとは、細かく砕いた麦・米・アワや細かく刻んだ野菜をやります。
回数は1日5、6回で、3か月ほどしたら、3回にします。

ひなが大きくなるにつれて量を増やします。
また、飲み水は毎日あたえます。

最近は、適当に配合されたえさが、えさ屋でうっていますから、
それを利用することもできます。

配合飼料を使うときは、ひな用、中びな用、たまごをとる親鳥用、肉にする親鳥用などで違いますから、よく確かめてあたえます。

住まい

小屋は、日あたりと風通しがよく乾いたところにつくり雨が入らないようにします。

ふつう、親鳥20羽で、3平方メートルの広さが必要です。
数が少ないときは、かんたんな小屋でも構いません。

とまり木は、床から70~80センチのところにつくります。
また、えさ箱・給水箱・産卵箱を用意します。

最近、養鶏場などでは、おりやかごに1羽ずつ入れて、たくさん飼うバタリー式養鶏やケージ式養鶏がさかんです。

病気と害虫

ニワトリは、よく病気にかかります。

とくに、ひなや若鳥は伝染病にかかりやすく、ひなが白い下痢便をするひなはくりや若鳥が緑色の下痢便をして肝臓がはれる白血病は治りませんから、早く殺して伝染をふせぎます。

ほかに、ひなや若鳥のかかる病気としてはコクシジウム症やニューカッスル病などがあります。
コクシジウム症には治療薬、ニューカッスル病にはアクチンを用います。

また、ニワトリには、カイチュウやワクモ(ダユの一種)が寄生します。
カイチュウは、1年に2回ぐらい、駆除薬をあたえてふせぎます。

ワクモは、小屋を清潔にし20パーセントのマラソン乳剤を200倍にうすめて柱やとまり木の割れ目などにまいて退治します。




熱帯魚の飼いかたとは?カエルの飼い方とは?

熱帯魚の飼いかた

熱帯魚とは、ふつう、熱帯地方の淡水に住む魚をさしていますが最近は、海水に住むものも、飼われています。

観賞用ですから、水槽に飼える大きさのもの色や形の美しいものが選ばれ、日本でもたくさんの種類が飼われています。


水槽と水

ガラスの水槽を使いますが、ふつうは金属のふちのあるものがよく利用されています。

水は、淡水に住むものでは、キンギョなどとだいたい同じです。
海水に住むものでは、海の水を数日くみおきして使うか販売されている人工海水を利用します。

熱帯魚には、24~28度の水温が、いちばん適しています。
ですから冬などは、サーモスタッ卜(自動温度調節器)のついたヒーターで水をあたためます。

また、熱帯魚は、水温の変化にはとても弱いので別の水槽にうつすときには水温をなるべく同じ(2度以内)にします。

そのほかに、温度が高くなると、水中の酘素は減ってきますから空気ポンプなどで、空気を送りこむ必要もあります。

水草と光

水槽の中に水草をうえるのは、きれいに見せるためだけではなく光合成により、酸素を出させるためです。

これには、光が必要です。

しかし、光が強すぎると植物性プランクトンが増えて水が緑色になってしまいます。

ですから、水槽は、できるだけ明るいところにおき太陽光線が直接あたるところは避けるようにします。

えさ

熱帯魚のえさには、ボウフラ・アカボウフラ・ミミズ・イトミミズ・ミジンコなどの生きえと、いろいろな栄養分でつくった粉えとがあります。

魚は、生きえのほうを好みますし、また、そのほうが、早く大きくなります。

えさを多くあたえすぎると食べ残りが出て水を汚しますから注意しなければなりません。

病気と手当

熱帯魚のかかりやすい病気も、やはり白点病です。
この病気は、たいへんうつりやすいので、早めに見つけるようにします。

病気がでたら、硫酸キューネという薬を10リットルの水に0.1グラムの割合でいれると、1週間ほどで治ります。



カエルのたまご

カエルは、春から夏にかけてたまごを生みます。

このころに池や小川を注意してみると黒いたまごがたくさん生みつけてあるのがわかります。

カエルのたまごは、種類によって、生み出されたときの様子が違います。

ヒキガエルでは、寒天質につつまれたたまごが、ひものように、長くつらなっています。

また、アカガエルやトノサマガエルのたまごは、たくさんのたまごがかたまっています。
アマガエルでは、5、6粒のたまごがかたまっています。

これらのたまごを、50~60粒ぐらいとり、入れ物に入れておきます。
入れ物は、どんなものでもよいのですが空き缶のように錆びのでるものは避けなければなりません。

オタマジャクシのえさ

池や沼で自然に育つオタマジャクシは、おもにアオミドロなどの水生植物を食べています。

しかし、室内で飼うときはイトミミズ、細かくした煮干し、かつおぶしの粉、ごはん粒などをあたえてやりましょう。

変態したあとのえさ

オタマジャクシのときは、水の中に水草などを入れておきますが変態してカエルになると、陸にあがるので水槽の中に石などを入れてやります。

カエルになると、オタマジャクシと違って生きている動物質のえさしか食べなくなります。

とくに、よく動く昆虫類を好みますから、水槽の上に布や、めの細かい網をかぶせて、ハエやカを生きたままいれてやりましょう。

オタマジャクシからカエルに変態するときの様子などは、よく観察し、観察ノートに図とともに書きとめておきましょう。

また、えさをとる様子も、よく注意しましょう。




メダカ・キンギョの飼いかたとは? わかりやすく解説!

水と入れ物

メダカやキンギョを飼うときに、まず注意することは水です。

水道の水には、消毒のために塩素を溶かしこんであるので直接、この中に魚を入れると死んでしまいます。

それで、水は、くんでから一昼夜そのままにしておくか木炭をつめた、かんたんなろ過そうを通して塩素をなくしてから、使わなければなりません。

もちろん、池の水ならば、すぐに使えます。

魚は、水中に溶けている酸素を呼吸しています。
ところが、井戸水、とくに深い掘り抜き井戸の水には酸素がほとんど溶けていないことがあります。

このような水は、やはり、汲んでしばらくおいたものを使ったほうがよいのです。

入れ物は、水面の広いものを使います。
これは空気中から水中に溶けこむ酸素を多くするためなのです。


えさのやりかた

メダカ・キンギョは、雑食性で、生きえとして、いろいろな小動物を食べるほかに水槽の底や、壁についている動植物も食べます。

このほか、粉にした人工飼料も食べます。

生きえとしてはミジンコ・アカボウフラ・イトミミズなどがおもなものですが、魚の大きさに応じて、それぞれ適当な大きさのものをやるようにします。

人工飼料には、動物性のものと、植物性のものとがあります。
動物性のものには魚粉・さなぎ粉・エピやコマセアミの乾燥粉末などがあります。

植物性のものでは大麦・小麦・米・ぬか・ふすまなどです。

ふつう動物性のものは、たんぱく質が多く植物性のものには炭水化物が多くふくまれています。

そこで、人工飼料だけで飼う場合には一種類のものだけでなく、数種類のものをまぜてやるのがよいのです。

いろいろなえさのうち一種類だけをあたえてメダカやキンギョの成長を調べてみましょう。
これは、そのえさがよいか、悪いかがわかるおもしろい実験です。

どんなえさでも、その分量は、必ず少なめにやらなければなりません。
えさをやりすぎると、糞や食べ残しのえさが多くなり、水が汚れてしまいます。

数分間で食べつくすくらいの分量を1日に1回か2回やるのがよいのです。

アオコと魚

メダカやキンギョを飼っていると、しだいに水の色が緑色にかわってきます。
これは、ラソソウなどの植物性プランクトンが増えたためです。

これらのプランクトンをアオコと言います。
アオコは、ふつうの植物と同じように太陽の光線を受け、水中の二酸化炭素を使って光合成をおこない酸素を出します。

ですから、アオコは酸素を呼吸するメダカやキンギョにとっては、たいへん都合がよいものです。

しかし、このアオコも、あまり濃くなると枯れてしまい、かえって水を悪くすることになります。

また、夏などに強い日の光を受けると、光合成ででる酸素の量が多すぎて、メダカやキンギョが、ガス病になることがあります。

ですから、アオコがあまり濃くなるような場合には水をかえるか、いれものに日よけをしなければなりません。



病気とその手当

メダカやキンギョの病気は皮膚病がいちばん多く、そのほか、えら・消化器などの病気があります。

白点病

春、秋の天気がかわりやすいころ、よく起こる病気です。
ちょうど白ゴマをまいたように、1ミリぐらいの点が、散らばって増えます。

これは、背びれ・尾びれなどからはじまって、しだいに、体の表面全体に広がります。

このため、しまいには死んでしまいます。

この病気の病原虫は、イクチオフチリアスという原生動物です。
手当としては、水温を25度ぐらいにし、0.5パーセントの食塩水中で病気にかかった魚を気長に飼います。

また、硫酸キューネという薬を使うと、早く治ります。

イカリムシ

甲殻類の一種で、皮膚に深く食い入って寄生し、ひどくなると魚は痩せて死んでしまいます。

病気の魚を捕えて、虫をピンセットで抜き取ってやります。

チョウ

これも、甲殻類の一種ですが、口のあたりに、吸盤をもっています。
また、口には長い針があり、毒液を出します。

6月ごろと9月ごろに多い寄生虫です。

数が少ないときはピンセッ卜でおとし、たくさんついたら、2パーセントの食塩水に短時間つけてやります。




トンボ・カタツムリ・アリの飼いかたとは? わかりやすく解説!

トンボの飼いかた

成虫の飼いかた

成虫としてのトンボを長く飼うことは、ほとんどできません。

しかし、イトトンボなら、木か、金網でできた小鳥の巣びきかごくらいの入れ物に入れ、その中に水草を植えて飼うことができます。

かごの中に、ハエや力も入れてやると、わりあい長く生きています。


幼虫の飼いかた

幼虫は、井戸水を入れたコップに1匹ずつ入れておけば長く飼うことができます。

ギンヤンマ・イトトンボのヤゴは水草に止まって生活するので水草を入れてやります。
また、シオカラトンボのヤゴは砂にもぐるのでコップの底に砂を敷いておきます。

1つのコップに多数のヤゴを入れると、共食いをするので、よくありません。

食物としては、ボウフラ・イトミミズ・オタマジヤクシなどをあたえ食べ残しは、取り出して捨てます。

大きくなるとヤゴは水面に浮かぶようになります。
このときには、コップの中に割りばしを立てコップのふちに、洗濯ばさみでとめます。

ヤゴがトンボになるとき、このはしの上によじのぼるのです。

たまごの生ませかた

シオカラトンボのめすを指ではさんで腹の先を水に浸すと、たまごを生みます。

このたまごを数日おくと、小さなヤゴがかえります。
小さなヤゴにはミジンコをあたえて飼います。

陸に住む甲虫の飼いかた

甲虫を飼う入れ物

甲虫は、丈夫なので、とても飼いやすいものです。
大きいものは、セミとりに使うような金網のかごで飼います。

小さなものは、下に砂を敷いたガラスやプラスチックのつぼ、または、マヨネーズの瓶に、ふたをしたまま入れて飼います。

砂は、少し湿らせておいたほうがよいようです。

甲虫のえさ

多くの甲虫は、脱脂綿に砂糖水をしませたものやリンゴ・キュウリの欠片に、砂糖をまぶしたもので飼うことができます。

カブトムシ・カナブン・ハナムグリ・クワガタムシ・カミキリなどは、この食物で長く生きています。

ゴミムシ・オサムシ・マイマイカブリはもともと小さな虫を食べているものですが、砂糖水やリンゴでもよいでしょう。

また、ホタルは、あまり長生きをしたいものですが砂糖水をあたえると1週間ぐらいは飼うことができます。

ゴミムシ類やシデムシ・ハネカクシなど肉食性の強いものは少し湿らせた煮干しをあたえます。

しかし、どうしても、特別な食物の必要なものは、つぎのようなものです。

  • テントウムシ・ナナホシテントウ(親・幼虫)→食物はアリマキ
  • ニジュウヤホシテントウ→ナス・ジヤガイモの葉

    トホシテントウ・クロウリハムシ→カラスウリの葉

    ウリハムシ→ウリ類の葉

    コクゾウムシ→米粒

    アズキゾウムシ→アズキ

水に住む甲虫の飼いかた

飼う容器

ヤゴと同じように井戸水を入れたコップの中で、1、2匹ずつ飼います。
コップの底には、砂をしき、水草も入れてやりましょう。

えさ

ガムシの成虫は、腐った水草を食べますが幼虫にはカワニナなどの巻貝や、ボウフラ・煮干しなどをあたえましょう。

ゲンゴロウ・ミズスマシの成虫・幼虫は煮干しかつおぶしの粉・ボウフラ・イトミミズなどをあたえます。

ミズカマキリ・コオイムシなどはカゲロウの幼虫・イトミミズなど生きているものを、えさとしてやることが必要です。

飼うときの注意

これらの幼虫がさなぎにかわるときには、陸にあがります。

幼虫が水からでたがるようになったら、コップの水を捨てて湿った土を入れてやると、その中で、さなぎにかわります。

また、これらの甲虫の成虫は夜飛んで逃げることがありますからコップにふたをしておきます。



カタツムリの飼いかた

カタツムリも、やはり、コップで飼えます。

えさには、キャベツ・紙などをやり、コップの底には、りん酸カルシウムなどを少し入れておきます。

食物のとりかたや、はうときの様子などを、よく観察しましょう。

アリの飼いかた

習性を観察するための飼いかた

アリの生活を正しく観察するためには、1匹の女王アリと数匹の幼虫・さなぎ、それに2、3匹のはたらきありをいっしょに飼うことが必要です。

4~7月ごろ、大きな石をどけると冬越しを1匹で住ませた女王アリが見つかることがあります。

この女王アリだけを飼っていると、たまごを生み幼虫を育て、やがて、はたらきアリが出てくるので自然にこの組み合わせができあがります。

すでにできているアリの巣から、女王アリと、はたらきアリをつかまえてもよいのです。

巣の違うものは、喧嘩をしますから喧嘩を観察するのでなければ、いっしょにしないようにします。
また、はたらきアリは、たくさん入れないほうが観察をするのに楽です。

入れものは、マヨネーズの広口瓶などを使い、ふたをして、土を入れずに中に湿らせたスポンジを入れておきます。

土を入れなくても、光になれるので、飼育には差支えがありません。
このほうが、細かい仕草がよく観察できます。

食物は、ざらめをごく少しあたえます。
ビスケットなどは、かびやすいので、よくありません。

巣づくりを観察するための飼いかた

これにはプラスチックの砂糖つぼなどに土を入れ、アリを中にはなしてやります。

もっと見やすくするには、ついたて型の木の枠をつくり2枚の板ガラスをビニルテープで取り付け、そのあいだに小さな木をはさみます。

2枚のガラスのあいだの幅は、2、3ミリぐらいにします。

こうして飼うと、トンネルを掘るのが観察できますが掃除がしにくく長くアリを飼うことはできません。




ショウジョウバエの飼いかたと採集のやり方とは?

ショウジョウバエの飼いかた

ショウジョウバエは、体長2~5ミリぐらいの小さなハエです。
体は黄色か茶色で、目が赤いのが特徴です。

歩きかたがゆっくりしていますからノミバエなどと区別がつきます。


ショウジョウバエの採集

ショウジョウバエはどこにでもいますが腐りかかった果物や野菜によく集まります。
そのほか、キノコ、クヌギの木の液などに集まるものもいます。

ですから、人家の近くではごみ捨て場、山や畑では草や木を切り倒してある所、キノコのはえる場所などが、おもな採集場所になります。

ショウジョウバエは小さいので見つけても、とらえにくいものです。

このような場所では、捕虫網をできるだけ地面に近づけて左右にたんねんにふるのがよいようです。

また、果物(とくにバナナがよい)を刻んで1、2日おくと強い香りがしてきます。

これを数個の紙コップに少しずつ入れて林の中の日の当たらないところに、つるしておきます。

そうすると、この中にたくさんのショウジョウバエが集まりますから上から捕虫網をそっとかぶせ、紙コップを軽く叩きます。
捕虫網は、めが細かく、30センチぐらいの柄のついたものが適当です。

捕虫網から、採集瓶にうつすには、吸虫管を使います。
採集瓶の中に砂糖水に浸した紙を入れておけば、1週間ぐらいは生きています。

えさのつくりかた

たまごを生ませるためには、つぎのようなえさをつくります。

  • 水……………………100立方センチ
  • 寒天………………1.2~1.5グラム
  • トウモロコシの粉……20グラム
  • 糖蜜……………8グラム
  • プロピオン酸………0.4立方センチ

水は60立方センチと40立方センチにわけ60立方センチのほうに寒天を入れ、それが溶けるまでにます。
40立方センチのほうにはトウモロコシの粉を入れてかきまぜます。

寒天がよく溶けたら、溶いたトウモロコシの粉と糖蜜を入れて数分間にたてて火からおろし、これにプロピオン酸を入れて、よくかきまぜてから、えさ瓶に注ぎます。

えさ瓶がよく冷えたら乾燥イーストをうすくお湯に溶かしたものを、1、2滴たらします。
これに紙を入れ、綿の栓をして、名前を書きこむラベルを貼っておきます。

こうしてつくったえさは、2、3日そのままにしてイーストが表面に白くはびこるまでまってから使います。
 
トウモロコシの粉のかわりにきな粉を糖蜜のかわりに赤砂糖を使ってもよいのですが、ややたまごの生みかたが少なくなるようです。

プロピオン酸は、カビがはえるのをふせぐためにいれるもので多すぎると成虫が死んでしまうこともありますから、注意しましょう。

えさびん、綿の栓、えさに入れる紙、イーストをたらすピペットは、そのつどオーブンまたは乾燥器に入れて熱をくわえ130度ぐらいの温度にし、約1時間そのままにしておきます。

えさびんやピペッ卜は熱湯や消毒用アルコールで洗っても構いません。
これはかびや細菌をふせぐためで、うまくたまごをうませて幼虫をとるためには、ぜひ必要なことです。



飼うときの注意

1つのびんに、あまりたくさんのショウジョウバエを入れすぎると死んでしまうことがあります。

ふつう10~20匹ぐらいが適当です。

この1つのえさびんの成虫は、2、3日間で100個以上のたまごを生みます。
たまごは、ふつう24時間ぐらいでふ化し、20日ほどで成虫になります。
この成虫を新しいえさびんにうつしてやります。

カビがはえているのを見つけたら、すぐに新しいえさ瓶にうつしてやらないと幼虫は育ちません。
また、使ったえさびんは、きれいに洗っておきます。

ショウジョウバエは、20~25度の温度を好み夏や冬は飼いにくいので、はじめは、春か秋に飼ってみましょう。

観察することがら

ショウジョウバエは、たまご・幼虫・さなぎ・成虫の順に、完全変態をします。
それぞれの特徴や変化の様子を、短い期間に観察できます。

また、何種類ものショウジョウバエが採集できたときには、その違いをくらべてみるのもよいでしょう。

成虫を観察するには、えさ瓶から、空の瓶にうつしエーテルで麻酔して動かないようにします。

麻酔が強すぎると死んでしまいますから注意しなければなりません。




コオロギ・スズムシ・カイコの飼いかたとは? わかりやすく解説!

コオロギ・スズムシの飼いかた

コオロギもスズムシも、飼いかたは、ほとんど同じです。

これらの虫をとってきたら、湿った土を入れた口の広い瓶にはなし口を布か金網でふさいでおきます。

瓶のかわりに、めの細かいかごでもよいでしょう。


えさのやりかた

下に土を入れた入れものでは、直にキュウリなどをおくと土にかびがはえてしまいます。

それで、小さく切ったキュウリやカボチャは、ようじなどにさして、そのようじを土につきたてておきます。

えさは、同じものばかりでなく、ナシ・キャベツ・レタス・ネギなどをまぜてやると飽きないで、よく食べるようです。

また、育ちざかりの虫では、たんぱく質が必要です。
これには、ゆでたまごのきみや、かつおぶしの粉を野菜といっしょにやります。

たんぱく質が不足すると、虫たちは、共食いをすることがあります。

めすとおすの違い

鳴くほうが、おすです。
めすの跳ねのすじは、網のめのようになっていて、おすのように、すじが波形になっていません。

また、めすは、尻にたまごを生むのに使う長い針(産卵管)がありますが、おすにはありません。

観察することがら

鳴く様子

ふつうは暗いところで鳴きますが、飼っておくと光になれて明るいところでも、なくようになります。

なくときは、前跳ねを持ち上げますが、コオロギは45度ぐらいスズムシは、ほとんど直角に近いくらいあげます。

鳴くときの跳ねの動きなどを観察しましょう。

音を聞く部分

広い入れ物に3、4匹のめすを入れ、まん中におすを入れた小さなかごをおきます。
めすたちは、鳴いているおすのまわりに集まります。

めすの前足のすねを虫眼鏡で見ると立派な鼓膜のある耳がついています。
この耳で音を感じるので、めすは、おすのそばにいくことができるのでしょう。

しかし、もっとかんたんなしくみの耳が中足とうしろ足とにあると言われているので、前足がなくても音を感じるのです。

たまごの生みかた

腹のふくれためすは、産卵管を土の中に入れて、たまごを生みます。
生むときの様子や、産卵管を入れる深さ、たまごの数などを観察しましょう。



カイコの飼いかた

カイコは、チョウやガの仲間ですから、その形や習性や飼いかたまで、まえに述べたチョウの場合と似ています。

クワゴとカイコ

カイコは長いあいだ人に変われてきたので、たいへん飼いやすくなっています。

カイコの祖先にあたるものは、クワ畑などに住んでいて、クワゴと呼ばれます。
形はカイコにそっくりですが、色が黒く、ガも茶色です。
クワゴとカイコは、形は似ていても、性質はまったく違います。

たとえば、ふたのないボール箱に、カイコとクワゴとを入れておくとカイコはいつまでも、箱の底にいますがクワゴは、箱の壁をのぼって出ていってしまいます。

これは、カイコが長いあいだ飼いならされたため足を動かす筋肉が、クワゴにくらべて弱ってしまったためです。

またクワゴのガとカイコのガをくらべてみるとカイコのガは4まいの跳ねをもっていても、まったく飛べません。
しかしクワゴのガは、ほかのガと同じように、夜、電灯の光に飛んできます。

さらに、カイコは、人がまゆから生糸をとるために長いあいだ改良してきたので糸をはく力がたいへんすぐれています。

クワゴのまゆからは、わずか150~210メートルの糸しかとれませんがカイコのまゆからは、1000~1500メートルもの糸がとれます。

カイコのえさ

カイコは、新しいクワしか食べません。

クワには、ヤマグワとかロソウとか、いろいろな種類がありますが、そのいくつかをそろえることができればカイコがどの種類を好むなどの研究もできます。

カイコは、クワ以外の葉は、ほとんど食べませんがハリグワとチシヤは代用食になります。
しかし、これらは、クワがとぎれたときのつなぎにしかなりません。

近ごろは、カイコを人工飼料だけで飼う研究が進められています。

種紙とケゴ

カイコをはじめから飼うには、農業試験場か農業協同組合でカイコがたまごを生みつけた紙を、少しわけてもらいます。

この紙を種紙と言います。

たまごは、はじめは黄色ですが、しだいに茶色になり、やがて、紫色になると、小さな幼虫がかえります。この一令の幼虫をケゴと言います。

中くらいの大きさのカイコをわけてもらえば飼うのは、なおらくですが一生を観察するには、たまごから飼いはじめることが必要です。

飼育箱

観察用に少し飼うには、ボール箱などにふたをしたものがよいようです。
箱のふたの一部に穴をあけて、セロハンをはれば、観察に便利です。

箱にふたをするのは、クワの葉が乾くと、カイコが食べなくなるからですが大きくなるほど、乾いた場所を好むようになります。

それで、四令。五令ともなったら、ふたに穴をあけたりガラスやプラスチックのふたを、布のふたにかえたりします。

世話をするときの注意

ケゴのときには、小さくてやわらかい葉をあたえるか大きい葉は、刻んであたえます。

大きくなったら、硬い葉でも構いません。

幼虫が脱皮するまえは、じっとしていてえさを食べませんが、このとき、無理に動かすと脱皮しそこないます。

また、食べ残しの葉や糞は、かびるので毎日捨てるようにします。
葉は、食べ残しの量を考えながら、毎日新しいものと、かえてやりましょう。

それから、これは、ほかの虫の幼虫でも同じですが虫は手でさわらず筆を用いて、はき落とすように扱うのが安全です。

まゆをつくらせる準備

幼虫が五令の終わりになると、体が透き通ってきます。
こうなったら、葉のかわりに、まぶしというものを入れてやります。

こうすれば、カイコは、このまぶしを足場にして口から糸を吐き、きれいな形のまゆをつくることができるのです。




昆虫の観察のしかたとは? チョウの幼虫の飼いかたとは?

昆虫観察の注意

生きている昆虫を観察するときは観察したことがらを書きとめておくことが大切です。

日づけのあるノートに毎日書いておけば、観察日記ができあがります。

観察日記には、日づけのほか、観察した時刻・温度・天気・明るさなどを忘れないように書いておきましょう。

観察したことは、大切なことがらだけを、かんたんに書けばよいのです。
また動物や植物の名前は、カタカナで書くことになっています。

名前のわからないものを観察するときはチョウの二番とかチョウの三番とかいうように番号をつけておき、あとで名前を調べて、ノートに書きこみます。

そして、観察日記に絵を書くときは、正確に書くように注意します。


昆虫で観察することがら

止まりかた跳ねをどのようにたたんでいるかを調べます。
また、足やひげのおきかたなど、細かい点にも気を配りましょう。

たとえば、タテハチョウなどは、前足が舌の役目をしていて止まったときは前足を下につけません。

食物の獲り方

なめかた・さしかた・かみ砕きかたなどに、いろいろな特徴があります。
水に住む昆虫では、泳ぎかたにも、気をつけましょう。

たまごの生みかた

生む時刻、生みつける場所、生んだたまごの様子などを、よく観察します。

チョウの成虫の飼いかた

チョウを飼うには、めの細かい網をはったおいこみかごを野外において草花などをうえ、その中にチョウをはなして観察します。

かごの中に、砂糖水をふくませた綿をおき口を伸ばして砂糖水を飲む様子を、よく見ましょう。

チョウのたまごの観察

チョウは、ふつう幼虫の食草となる植物の葉や芽に、たまごを生みつけます。
しかし、このようにして生みつけられたたまごは非常に見つけにくいものです。

そのようなときは、たまごをいっぱいもっている腹のふくれためすをつかまえてきます。

これを、幼虫の食べる葉を入れたかごや瓶に入れて、たまごを生むのをまつのです。

たまごを生ませるには、水をやり、光をあてるとよいとも言われます。
また、跳ねを切り取ってしまい、それを入れた瓶を日なたにおくとよいという人もいます。

しかし、カイコガのように、かんたんには、たまごを生んでくれません。



チョウの幼虫の飼いかた

幼虫は、少しずつシャーレかコップなどにいれ、かんたんに飼うことができます。

たまごから飼うのは、なかなかたいへんですが野外で幼虫を探してくるのは、そう難しいことではありません。

そのかわり、ヒメバチ・コマユバチなどの寄生バチがやどっていることが多く、せっかく、さなぎになってもチョウが出ないでハチが出てくることがあります。

このようなときはハチのでたさなぎを標本にしてとっておき、それといっしょに、ハチも標本にしておきます。
そして、何というチョウの幼虫からでたということを紙に書いておきます。

チョウに寄生するハチは、ごく一部しか調べられていないので、これだけでも、立派な研究です。

幼虫を入れたシャーレやコップは、ふたをしたままで構いません。
たくさん入れすぎなければ、息がつまる心配もありません。
空気がかようようにすると、かえって中が乾いて、死ぬことがあります。

また、茶碗に6、7分めほど、湿った砂を入れ、茶碗の上に布をかぶせて、これをひもやゴム輪でぴんとはっておきます。

この上に、背の低いコップを逆さにかぶせ、コップの中に幼虫を入れておくと、ほどよい湿り気と風通しがあるので、丈夫に育てられます。

幼虫は、ふつう食物にする葉の上にとまっています。
その植物を覚えておいて、つかまえてからも、その葉を続けてやればよいのです。

あたえた植物を食べないときは、つかまえた場所の近くの植物を数種類とってきていっしょにやってみます。

幼虫は、そのなかから、自分の好きな植物を選びだすでしょう。

幼虫からさなぎへ

幼虫が脱皮するとき、形や色がかわることがあります。
これは、クレヨンなどで書きとめておきましょう。

このほか脱皮したてと、つぎの脱皮のまえに体長を測っておきましょう。

アカタテハやダイミョウセセリの幼虫は葉をまいて巣をつくります。
このような巣の形も、絵に描き、ものさしで長さも測っておきましょう。

さなぎをとってきて、かごの中に入れておくと、チョウが出てきます。
このとき、かごの底に湿った砂を入れておくとよいと言われています。

ガの仲間の飼育や観察も、チョウとあまりかわりません。

ただ、土の中から掘り出したさなぎは人の手で、もう一度うずめるよりも湿った茶碗の中に入れておいたほうがよいのです。




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