隆起によってできる地形

隆起海岸

ふつう海岸近くの海底は、波の作用によって表面がだいたい平らになっています。
とくに砂やれきなどが堆積すると、ほぼ水平に近い海底の地形ができます。

このような地形が隆起すると新しくあらわれた陸地の表面は非常に平らで海岸線は出入りの少ない滑らかな形になります。
これを隆起海岸といい、海底が隆起してできた平野を海岸平野といいます。

隆起海岸に見られる遠浅の海岸では、波は沖のほうで磯波になって砕け海底の土砂を削りとります。

この土砂は波で運ばれて陸よりに堆積し海岸沿いに沿岸州と呼ばれる細長い島をつくります。
この沿岸州と陸地とのあいだには、ラグーン(潟湖)とよばれる浅い湖ができます。

このような隆起海岸の地形は、アメリカのメキシコ湾沿岸に大規模にみられますが我が国でも、千葉県の九十九里浜や新潟平野の海岸、石川県の海岸など各地にみられます。


海岸段丘

海岸に沿って、よく、階段のような地形がみられます。
段の上の面は平らで、その前のふちは、険しい崖になって海にのぞんでいます。

このような地形を海岸段丘と言います。

海岸段丘は、むかしの海底が隆起して海面上にあらわれ前のふちを波で削られて階段の形になったものです。

表面の平らなところは、海底であったころに、波の作用で平らになった部分でところどころに、まるい海の石が層をつくって残っていることがあります。

海岸段丘が二段にも三段にもなっていることがありますがこの場合は上のほうほど古く、その数と同じ回数だけ降起運動かおこなわれたためと考えられています。

しかし少しずつ連続して隆起した場合には、波で削られた崖ができないのではっきりした段丘にはなりません。

我が国では、各地に海岸段丘がみられますがとくに本州北部から北海道にかけての海岸には、よく発達しています。

河岸段丘

川に沿って、両側、または片側に、海岸段丘によく似た表面の平らな階段状の丘が続いていることがあります。

このような地形を河岸段丘といいます。

河岸段丘の表面には、現在の川原にみられると同じような砂れきの層があるのがふつうです。
これをみれば、段丘の表面は、むかし川原であったことがわかります。

むかしの川原が、このように現在の川原よりも高いところにあるのはその土地が隆起したために谷を流れる川の水が川底を削る力が強くなって深く刻みこんだためです。

なお、気候などが変化して川の水が増える場合にも同じようなことが起こって、河岸段丘かできます。

隆起や沈降などの地殻運動が激しい我が国では隆起によってできた河岸段丘が各地でみられます。

なかでも天竜川・木曽川・利根川などのものは代表的です。



沈降によってできる地形

リアス式海岸

山地のような表面のでこぼこした陸地が沈降して海に沈むと谷の部分は、奥のほうまで海水に浸かって入江になり尾根の部分は、海につきでて半島や島になります。

このような、出入りの多い複雑な海岸は、ふつう岩浜になっています。

土地の沈降によってできる、複雑な地形の海岸を、リアス式海岸と言います。
この名は、このような地形がよく発達しているスペインの北西部で入江のことをリアと呼ぶことから名付けられました。

我が国では、東北地方の三陸海岸や志摩半島(三重県)若狭湾(福井県)、豊後水道に面した海岸などが、リアス式海岸の例です。

おぼれ谷

リアス式海岸のような沈降海岸には谷が海面下に沈んだおぼれ谷があります。
おぼれ谷は、むかしの川筋にあたるので、ふつう現在の川の続きとしてその先の海底に発達しています。

富士湾の海底には、このおぼれた谷がたくさんありますがこれらの谷の方向は、陸上の神通川や庄川など現在の川の河口に続いています。

むかし、富山湾の海底が陸地であったころ、これらの川が流れていた谷が土地の沈降によって海中に沈んでできたものと考えられます。

フィヨルド海岸

山から谷に沿っておりてくる氷河はその重みで谷底を深くえぐり横断面がU字形の谷をつくります。
ときには、氷河が谷底を海面よりも低く掘り下げることもあります。

気候があたたかくなって氷河が溶けさってしまうとこの谷の中に海水が入り込んで、せまくて深い入江をつくります。

このようにしてできた出入りの多い海岸線をもつ海岸をフィヨルド沿岸(峡湾)とよんでいます。

このような土地が沈降すると、海水が谷の奥まで入り込むのでフィヨルド沿岸がさらに入り組むようになります。

フィヨルド海岸は、氷河があまり発達しなかった日本にはみられませんがヨーロッパのノルウエー海岸・南アメリカのチリ南部の海岸・北極に近いグリーンランドの海岸などによく発達しています。