冶金
ふつう、天然にとりだされる鉱石から金属をとりだすことを冶金といいます。
また、金属を製練したり、合金をつくったりして金属材料をつくることを冶金ということもあります。
冶金は、その方法によって、化学冶金と物理冶金に分けることができます。
金属は鉱物中に化合物としてふくまれることが多いので冶金は、化学冶金によることが多くなります。
金属化合物から金属をとりだすのは、金属の陽イオンを金属原子にかえること
つまり還元することになります。
したがって、化学冶金の方法は、金属を還元する方法ともいえます。
物理冶金は、合金をつくり、熱や力をくわえることによって金属材料をつくりだすことをいいます。
それぞれの金属の冶金や精製の方法についてはその金属の性質を調べるときに、いっしょにくわしく調べることにしましょう。
吹管分析
鉱物などの試料を強く熱して成分を調べる方法に、吹管分析とよばれるものがあります。
吹管分析では、目の細かい木炭に小さな穴をあけ、その中に試料を入れます。
そして、吹管を使ってテクルバーナーの炎を吹き付け、試料を強く熱します。
このとき、吹管の位置によって、酸化炎と還元炎とができます。
酸化炎は、水素や一酸化炭素が燃えて二酸化炭素や水蒸気ができている部分で酸化作用があります。
いっぽう、還元炎は二酸化炭素・水素・二酸化炭素・水蒸気などの混合気体で還元作用があります。
吹管分析では、炎を吹き付けることによって、試料の色がかわるかどうか気体や昇華物がでるかどうかを調べます。
また、試料に炭酸ナトリウムをくわえ、還元炎を吹き付けて強く熱した場合金属粒ができるかどうかを調べます。
還元炎でできる金属粒は、酸化炎で酸化物となりこれが還元されてできたもので、金・銀・銅・鉄・二ッケル・スズ・鉛などの鉱物の場合にできます。
したがって、できた金属粒の色・つや・硬さ・展性や延性などを調べるとどの金属かおおよそわかります。
昇華物は金属の酸化物で、木炭の穴の近くにつき、鉱衣といわれます。
金属粒を酸化炎で熱すると、鉱衣を生じますからこの鉱衣の色や形によって、試料中にふくまれる金属がなんてあるかを決めます。