銅の取り出し方とは? 銅の選鉱とは? わかりやすく解説!

銅の鉱石

銅は、自然銅として産出することもありますがふつうは、銅の鉱石として産出します。

おもな銅の鉱石には、赤銅鉱のクジャク石・輝銅鉱・黄銅鉱などがあります。

銅鉱石は、アノリカ合衆国・カナダ、南アメリカのチリアフリカのザンビア・旧ベルギー領コンゴなどで多く産出します。

日本も、量は多くありませんが、産出国としては古くから有名です。

銅の選鉱

銅のもっとも重要な鉱石は黄銅鉱です。
黄銅鉱は、ケイ酸塩からできている岩石(母岩)の中にあるのでこの母岩をくだき、鉱石と母岩を分けなければなりません。

この作業が選鉱ですが、銅の選鉱法には比重選鉱法と浮遊選鉱法とがあります。

比重選鉱法

母岩より鉱物のほうが比重が大きいので水中でよ、鉱物のほうが母岩より早く沈みます。

このことを利用して、水中で母岩をとりのぞくのが比重選鉱法です。

浮遊選鉱法

銅の鉱石を粉にして、少量の油とまぜて水に入れ空気をふきこみながらかきまぜると、油が泡になって水に浮きますがこのとき、鉱物も油と、いっしょになって、浮き上がります。

いっぽう、母岩は水に沈みます。
このことを利用して、鉱物と母岩を分ける方法を、浮遊選鉱といいます。

銅の冶金

比重選鉱や浮遊選鉱で母岩から分けられた黄銅鉱はまだヒ素・イオウなどの不純物を、かなりたくさんふくんでいます。

そこで、この黄銅鉱を、空気を通した炉の中で焼くと不純物は酸化物となって逃げ、硫化第一銅・酸化鉄・酸化ケイ素などが残ります。

これに、石灰石とコークスをまぜて、溶鉱炉の中で熱すると酸化鉄と二酸化ケイ素は、石灰石と化合して、スラグになります。

いっぽう、硫化第一銅は、溶けてスラグの下にたまります。
これを流しだして転炉に入れ、強く空気をふきこむと、銅ができます。

こうしてできた銅を粗銅といいます。
炉の中では溶けているのでこれを鋳型に流しこんでかためます。


電解精練

粗銅は、まだ金・銀・鉛・ヒ素などの不純物をふくんでいますから純銅をとりだすためには、さらにこれを精製しなければなりません。

銅の精練には、電気分解を利用するので電解精練といわれます。

電解精練には、下の図のような電解槽を使います。電解液には、硫酸銅に硫酸をくわえた水溶液を用い、この中に粗銅とうすい純銅の板を1つおきに入れ、粗銅を陽極とし、純銅を陰極として、低い電圧で電気分解します。

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陽極では、銅が銅イオンになります。
また、銅よりイオンになりやすいニッケル・鉄・鉛・亜鉛などの不純物もイオンになります。

金・銀などのイオンにならない不純物は、粗銅が溶けるにつれて陽極から離れて、下にたまります。

陰極では、純銅の表面に銅が析出してを厚い純銅の板になります。ニッケルとか鉄などの不純物のイオンは析出しませんから純銅がえられるわけです。

いっぽう、陽極の下にたまった物からは金や銀が製造されます。

このように、電解精練によってできた純銅を、電気銅ともいい99.98~99.99パーセントという高い純度のものになっています。



冶金とは? 吹管分析とは? わかりやすく解説!

冶金

ふつう、天然にとりだされる鉱石から金属をとりだすことを冶金といいます。
また、金属を製練したり、合金をつくったりして金属材料をつくることを冶金ということもあります。


冶金は、その方法によって、化学冶金と物理冶金に分けることができます。

金属は鉱物中に化合物としてふくまれることが多いので冶金は、化学冶金によることが多くなります。

金属化合物から金属をとりだすのは、金属の陽イオンを金属原子にかえること
つまり還元することになります。

したがって、化学冶金の方法は、金属を還元する方法ともいえます。

物理冶金は、合金をつくり、熱や力をくわえることによって金属材料をつくりだすことをいいます。

それぞれの金属の冶金や精製の方法についてはその金属の性質を調べるときに、いっしょにくわしく調べることにしましょう。


吹管分析

鉱物などの試料を強く熱して成分を調べる方法に、吹管分析とよばれるものがあります。
吹管分析では、目の細かい木炭に小さな穴をあけ、その中に試料を入れます。

そして、吹管を使ってテクルバーナーの炎を吹き付け、試料を強く熱します。
このとき、吹管の位置によって、酸化炎と還元炎とができます。

酸化炎は、水素や一酸化炭素が燃えて二酸化炭素や水蒸気ができている部分で酸化作用があります。

いっぽう、還元炎は二酸化炭素・水素・二酸化炭素・水蒸気などの混合気体で還元作用があります。

吹管分析では、炎を吹き付けることによって、試料の色がかわるかどうか気体や昇華物がでるかどうかを調べます。

また、試料に炭酸ナトリウムをくわえ、還元炎を吹き付けて強く熱した場合金属粒ができるかどうかを調べます。

還元炎でできる金属粒は、酸化炎で酸化物となりこれが還元されてできたもので、金・銀・銅・鉄・二ッケル・スズ・鉛などの鉱物の場合にできます。

したがって、できた金属粒の色・つや・硬さ・展性や延性などを調べるとどの金属かおおよそわかります。

昇華物は金属の酸化物で、木炭の穴の近くにつき、鉱衣といわれます。
金属粒を酸化炎で熱すると、鉱衣を生じますからこの鉱衣の色や形によって、試料中にふくまれる金属がなんてあるかを決めます。



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