パスカルの原理
こんどは、外から圧力を加えたとき水の内部にどんな変化が起きるかを、考えてみましょう。
ゴムまりに同じ大きさの小さな穴をたくさん開けてその中に水をいっぱい入れます。
穴が小さいと、そのままでは水は外に流れでることはありません。
このときゴムまりの内部には水圧があり、下側の部分ではその上の水の重さだけの圧力を受けていますが表面張力のために、水は流れないのです。
ところが、いまこのゴムまりの一部を、外側から指で押してみます。
すると、中の水はどの穴からも、ゴムまりの面に垂直にしかもほとんど同じ勢いで飛出します。
指の近くの穴では、飛び出る水の方向は、外から加えた力の方向とはほとんど反対になりますが、やはりほかの穴と同じように飛び出ます。
また、押す指の力を強くすると、飛び出る水の勢いも強くなります。
このとき、水がゴムまりの面から垂直に飛び出るのは内部の水が、ゴムまりの面に垂直におさえられる圧力を受けるからです。
この圧力は、指でゴムまりを押したことによってできた、新しい圧力です。
また、どの穴の水も、同じ勢いで飛び出ることから、この新しい圧力はゴムまりの内部のどこででも、同じ強さではたらいていることがわかります。
外からの力は、指とゴムとが接している面を通して水にはたらくわけですから、言い換えれば圧力が外から水の一部に加えられたことになります。
このときの圧力の強さは、加えた力を、接している面積で割った値です。
また、外から圧力の強さを増せば穴から飛び出る水の勢いも強くなることからゴムまりの内部に生まれた新しい圧力も、外からの力を増せば大きくなることがわかります。
そこで、外からゴムまりに加えられた圧力は、ゴムまりの中の水にそのまま同じ強さで伝えられるものと考えられます。
つまり、閉じ込められた水の一部に圧力を加えるとその圧力は、水の各部分に同じ強さで伝えられるのです。
このことは、水ばかりでなくほかの液体にもあてはまることで、これをパスカルの原理と呼んでいます。
このパスカルの原理は、図のような装置を使って実験で確かめることができます。
水圧機
太さの違うU字形の器に水を入れ、その水を閉じ込めるようにAとBの2つのピストンをつけます。
AとBの断面積は、それぞれ、10平方センチと90平方センチであるとします。
いま、ピストンAの上に、50グラムの重りをのせます。
そのために、水は、50÷10=5で1平方センチあたり5グラムの圧力の強さで外から押されていることになります。
この圧力の強さは、閉じ込められている水の各部に同じ強さで伝えられますから、ピストンBの面も同じ圧力の強さで押し上げられることになります。
したがって、ピストンBが受ける全体の圧力は90×5 =450で450グラムになります。
そこで、Bに重りをのせて、ちょうど水をつりあわせておくためには何グラ厶の重りが必要になるかを実験で確かめてみるとまえに計算でもとめた450グラムと、同じであることがわかります。
このパスカルの原理を応用したのが、水圧機です。
これは、小さな力を大きな力にかえることができるのでいろいろなものを圧縮したり、重いものを持ち上げたり、油をしぼったり、材料の強度試験をするときなどに使われます。
また、水のかわりに油を使うときには、油圧機と言います。