慣性の法則とは?質量と重さとは? わかりやすく解説!

慣性の法則

机の上に置いた本は、誰かが動かさないかぎり、いつまでも動きません。
このような物体の性質を慣性と言います。


動かない場合の慣性は、すぐわかりますが動いている物体が慣性をもっていることは、なかなかわかりませんでした。

しかし、動いている物体についても「これに力がはたらかないかぎり、いつまでも等速直線運動を続ける」と言う性質をもっていることがわかりました。

これは、イタリアのガリレオが発見した法則です。

机の上の本に、力を加えて滑らしても、摩擦力のために、すぐ止まります。
また、本のかわりに、ろうかでボールを転がしてみると遠くまで転がりますが、やはり最後には止まります。

これも、摩擦のためです。

ボールが遠くまでころがるのは、本を滑らすときの、滑り摩擦よりもボールを転がすときの転がり摩擦のほうが、ずっと小さいからです。

したがって、摩擦力や空気の抵抗のような、運動をさまたげる力がまったくはたらかない場合を考えてみると、ガリレオの法則通りになるのです。

ニュートンは力学のもとになる、3つの法則を立てたことで有名ですがその第一には、ガリレオの慣性の法則を取り入れました。

それは「物体に、外から力がはたらかないならば静止している物体は永久に静止し、動いている物体は永久に等速直線運動を続ける」というものです。

この法則は、ニュートンの運動の第一法則とも言います。
これを言い換えると「すべての物体は慣性をもつ」と言ってもよいわけです。

電車やバスが、急に走りだすと、のっている人は、うしろに倒れそうになります。
また、急に止まると、進行方向に倒れそうになります。

走っている電車やバスの中で、物を落とすと、落とした物はうしろに取り残されないで、車中の人から見ると、まっすぐ下に落ちます。

また、走っている電車の中で、まっすぐ上に飛び上がってももとのところへ落ちてきます。

これらは、いずれも、物体に慣性があるために起こることです。



質量と重さ

質量という言葉は、ニュートンが物体の慣性の大小をあらわすために用いた言葉です。

質量と重さとは、混同しやすいので、注意しなければなりません。

質量とは、物質がかわらないかぎりどんなところで測っても、その大きさはかわらないものです。

たとえば、地球上で測った質量もまた、月ではかった質量もどちらもかわりがありません。

ところが、重さは地球上の場所によってもまた、地球内部の密度の大きい物質の作用によってもかわってきます。

しかし、その差は、ごくわずかです。

これは、重さが物体にはたらく重力の大きさに左右されるからです。
つまり、重さは、外から物体に作用する力(重力)であってその力の大きさしだいで、異なる値をとるからです。

質量の単位には、グラム(g)やキログラム(㎏)などを用います。
そして、力の単位には、物体にはたらく重力の大きさであらわすこともあります。

たとえば質量1グラムの重さを1グラム重、1000グラム重を1キログラム重などと言います。




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