力と加速度
物体に力がはたらかない場合は、慣性の法則によって、静止を続けたり等速直線運動を続けようとしますが、それに力がはたらくとどうなるでしょう。
ニュートンは、いろいろの研究から「物体に力がはたらくと、力の方向に加速度が生じ加速度の大きさは、力に比例し、質量に反比例する」ということを発見しました。
これを、ニュートンの運動の第二法則と言います。
したがって、質量の違う2つの物体に、同じ加速度を生じさせるには質量の大きいものには大きな力が必要であり、質量の小さいものには小さい力でもよいということになります。
力
力とは何か、と質問されると、いろいろの答えが考えられます。
まず、相撲をとったり、荷物を手でさげたりするときの筋肉の感じから「物体を押したり、引いたりするはたらきが、力である」と言ってもよいでしょう。
また、少し進んで、慣性の法則から考えると「静止しているものを動かしたり、動いているものの速さや方向をかえるはたらきが、力である」と言ってもよいのです。
これは「物体の慣性に逆らう作用が力である」とも言えます。
さらに進んで、運動の第二法則を使うと「力とは、物体の質量と加速度を、かけたものである」とも言えます。
力の単位
力の単位には、ダインや、ニュートンを使います。
質量1グラムの物体に、毎秒・毎秒1センチ(1cm/秒2)の加速度を生じさせるはたらきをする力が1ダインで質量1キログラムの物体に毎秒・毎秒1メートルの加速度を生じさせるはたらきをする力が1ニュートンです。
ダインとニュートンとの関係は、ダインがCGS単位系、ニュートンがMKS単位系に属するもので、基本単位から導かれるものです。
近頃では、このニュートンという単位が広く使われるようになりました。
1ニュートンをダインにかえるには、つぎのようにすればよいのです。
つまり、10万ダインになります。