水準面と水平面
糸のはしに小石をつけてたらすと、糸はまっすぐな直線状になります。
この糸の方向を鉛直方向と言い、その線を鉛直線と言います。
いま、水槽に水を入れ、図のように糸をたらしてその糸と水面との関係を調べてみると水面は糸の鉛直線に垂直になっています。
静かな池の水面でも、同じことがわかります。
このような性質のある水面を、水準面と呼んでいます。
ところが、鉛直線は地球の中心にむかう線であり地球はほぼ球形であることを考えると、広い水準面は球面状になっていなくてはなりません。
水槽に入った水の表面や、小さな池の水面などでは地球が非常に大きいので、その曲がり方がわからないだけなのです。
容器に入った水の面を平らに伸ばしてみると図のように、水凖面とは違った面が得られます。
これを、水平面と呼んでいます。
したがって、容器中の水準面は、いつでも水平面だと言えます。
連通管
いくつかのガラス管を、底でつないだ容器を、連通管と言います。
水の入った連通管の水面は、どれも水平面になっていてこれらのうちのどれか1つの水面を平らに伸ばすとどの管の水平面も同じ高さになります。
このわけを、図のようなU字管の連通管で調べてみましょう。
U字管の底をつなぐガラス管に、図のような1つの面を考えると水が静止しているためには、この面を押す右からの水圧も左からの水圧も、同じ大きさでなくてはなりません。
ところが、水圧の強さは、水面からの深さだけできまりますからこの2つの水圧が等しくなるためには、両方の管の水面が同じ水平面であればよいことになります。
連通管の利用
ボイラなどのように、中を通して見えない物に入っている水の量を知るのには、水位計が使われます。
これは、細いガラス管になっていて連通管の原理によって、ガラス管の水面と同じ高さまで、水があることがわかるしくみになっています。
水準器
水平を確かめるための道具に、水準器があります。
これは下の写真のように、曲がったガラス管にエーテルがエーテルとアルコールの混じった液を入れ空気をわずかに残して両はしを閉じたものです。
ガラス管の気ほう(閉じ込められた空気)がちょうど中央で止まっていれば、その水準器は水平なのです。