エビ・カニの育ちかた
エビ・カニの仲間も、たまごからかえって親になるまでに変態をします。
エビの変態
昆虫の子虫を幼虫などと言うようにエビ・カニなどの子どもは幼生とよばれています。
たまごからかえったばかりのエビの子どもはノープリウス幼生とよばれます。体には、1つの目と6本の足がついています。
この幼生が何回か脱皮すると、ゾエアとよばれる幼生になります。
ゾエアは、一対の複眼をもっています。
ゾエアはなおも成長を続けて脱皮をすると、ミシス幼生となります。
このミシス幼生を最後に子どもの時代は終わって、幼いエビになります。
エビの種類によっては、この変態のしかたが違うものもあります。
カニの変態
カニの変態は、エビとは少し違っています。
カニは、ノープリウスの時代はたまごの中で過ごしゾエアになると、たまごの殻を出て、海水の中を泳ぎまわります。
おもしろいことに、カニのゾエアでもエビのゾエアと同じように長い腹をもっています。
親になったエビとカニとでは、ずいぶん形が違いますが子どもどうしをくらべてみると、兄弟のようによく似ています。
このことから、エビとカニが、ごく近い仲間であることがわかります。
ゾエアのつぎの時代はメガロパで、この時代になると胸の足も一通りできあがり、カニの形とかなりよく似てきます。
谷川に住むサワガニの子どもは、メガロパの時期になっても、まだ母親の腹に抱かれています。
メガロパが脱皮すると幼いカニになり、いままでの泳ぎまわる生活から海底をはう生活にかわり成長を続けていきます。
このような、エビやカニの幼生が成長するにつれて見られる、いろいろな変態のありさまは、かんたんなしくみのものから複雑なしくみをもつものへとうつりかわつています。
これは、これらの動物が長い地質時代を通して進化してきた道筋を発生のごく短い期間のあいだに繰り返していると考えられます。
つまり、こうした発生の様子から、おぼろげながら、これらの動物が進化してきた道筋を、たどっていくことができるのです。
ウニの育ちかた
ウニは、夏や冬のころ、まわりに透き通ったゼリーをかぶった小さなたまごを、たくさん海水中に生みだします。
このたまごが受精すると、すぐまわりに膜がつくられ中のたまごは2つ、4つ、8つ、16、32というようにわかれはじめます。
そして、そのうちに、ごく小さなゴムまりに似た中空の球になり短い毛がはえて、くるくるまわりだします。
このころには、まわりの膜は消えてなくなってしまいます。
さらに、こんどは少し細長くなってから、いっぽうの壁が内側に落ち込み、骨片もできてきます。
そしてなおも成長を続け、体がピラミッド型になると口や胃や腸がはっきりしてきます。
この時期をプルテウス幼生と言います。
この幼生はさらに変態して、幼いウニになるのです。