たいていの動物は、目をもっていて、いろいろなものを見ることができます。
これは、目が光を感じるしくみになっているからです。
獣の目
脊椎動物の目は、人間の目と、つくりが、あまりかわりません。
しかし、モモンガ・メガネザルのような夜になるとさかんに活動して支さをとる獣では、目は体の大きさにくらべると、とても大きくなっています。
このような動物では、目の中のレンズも大きくまんまるで暗いところでも、見えるようなしくみになっています。
また、クジラでは体の大きさにくらべると、とても小さい目をもっています。
このクジラの目は、水の中の生活に都合よくできています。
レンズはまるくて、どちらかと言えば、獣よりも魚の目に似ています。
涙を出す腺はなく、かわりに油のようなものを出して目の表面をまもっています。
鳥の目
鳥の目は獣の目とだいたい同じつくりですが、獣の目よりもするどく遠くのものが、よく見えるようになっています。
はやく飛びながらえさをとるタカ・トビ・ツバメなどの目は、とくにするどく、遠近の調節をすばやくすることができ、また、動きのはやい小さなものでも見つけることができます。
魚の目
魚の日は、水の中の生活に、よくあったしくみになっています。
レンズはまんまるく、それに近眼で、すぐ近くのものがみえるようにできています。
そして、獣の目にあるようなまぶたはありません。
そのかわり、まばたきのできる膜をもっているものや油のようなもので目の表面をおおっているものなどもいます。
エビ・カニや昆虫たちの目
これらの動物の目のつくりは複眼といって脊椎動物の目とは全く違います。
複眼は、個眼という小さな部分が、たくさん集まってできています。
個眼にはレンズがあって、外からきた光が中で集まるようになっています。
そして、個限のおくには、光を感じる部分があります。
たいていのものでは個眼と個眼とのさかいめに色素をふくんだ部分があります。
これは、1つの個眼に入った光がほかの個眼に入った光と、混じらないようになっているのです。
この個眼がたくさん集まって複眼となり、はじめてものの全体を見ることができると思われていますが、そのしくみは、まだよくわかっていません。
カニなどで見られるように複眼は、たいてい、体から飛び出しています。
それで、私たちの目よりも広い範囲を見ることができますが私たちの目ほど、はっきりものを見ることはできないようです。
昆虫の仲間にはセミなどのように複眼のほかに単眼をもつものがいます。
単眼は、かんたんなしくみのもので、ただ光の明るさを感じるだけです。
貝の目
貝の仲間には、小さな目を持っているものがあります。
たとえば、ホタテガイなどには、ひものような形をした外とう膜のふちに小さい点々としたものがありますが、これが目なのです。
貝の目は、明るいか暗いかがわかるだけで、ものの形を、はっきりと見ることはできません。
ミミズの光の感じかた
ミミズを暗室の中に入れて光をあてると、光から逃げようとします。
これは皮膚の表面に、光を感じる部分が、たくさんあるからです。
カタツムリ・ナメクジなどの皮膚も、同じようになっています。
眼点
ミドリムシは、顕微鏡で見なければわからないほど小さな生物で、体の先端のべん毛という毛を動かして、水中を泳いでいます。
このべん毛の根もとのところに、赤色の点のようなものがありますが、これが光を感じるところで、眼点と言います。
原生動物には、ミドリムシのほかにも眼点をもつものが、たくさんいます。