植物の群れ
植物は群れをつくって生活します。
この群れは、同じ種ばかりから成り立っていることもあり、いくつかの種がまじりあっていることもあります。
植物には、湿ったところによく生育するものや乾いたところによく生育するものなどがあります。
また、日あたりのよいところで、よく公報するものや日かげで、よく生育するものなどがあります。
ですから、ある土地には、そこらの環境条件のもとで、よく生育する植物が集まって群れをつくります。
この群れのことを群落と言います。
これから、いろいろな土地に、どんな植物の群れが見られるか、また、長い年月のあいだに植物の群れが、どのようにうつりかわっていくかを調べてみましょう。
道ばたにある植物の群れ
道ばたや、空き地などには、いろいろな雑草が群れをなしています。
庭や畑や運動場など、ちょっと手入れを怠ると、すぐに雑草群落ができあがります。
これらの草は、たいてい種がたくさん出来たり丈夫な地下茎をもっています。
そして、生活力が強いので、花壇や畑の弱い栽培植物を打ち負かして自分たちの群れを広げていきます。
道ばたにある雑草のおもなものにはスギナ・メヒシバ・スズメノカタビラ・チカラシバ・ハコベ・カタバミ・ヤブガラシ・ヨモギなどがあって日あたりのよいところにはえています。
日かげには、ドクダミ・ヒメワラビ・ハングなどがよくはえます。
また、雑草のなかには、帰化植物がたくさんあります。
帰化植物
むかし、外国から輸入した植物のなかには畑の外に出て、ひとりでに広がっているものがあります。
また、人の気づかないうちに種が荷物などについて運ばれ勝手に広がったものもあります。
このように、外国からきた植物のうち人の世話にならないで勝手に野山にはえているものを帰化植物と言います。
草原と森林
陸上のもっとも代表的な植物群落は、草原と森林です。
草原
大陸の雨の少ない地方には、イネ科・カヤツリグサ科などの群れが一面にしげってプレーリーとかステップとかよばれる草原をつくります。
日本はいっぱんに雨が多いのですが、山のふもとや山腹が火事などで森林が焼けるとススキ・トダシバ・ササなどが群れをつくって草原をつくります。
この草原は、人が草かりをするために、生長の遅い木は、そのたびに切られて、なかなか森林ができず長く草原のままになっています。
九州阿蘇山の火口丘、富士山のふもと長野県の霧ヶ峰などの草原はその例です。
森林
我が国は雨が多いので、いたるところに、森林が見られます。
森林は山にかぎらず、平地にもできるのですが平地は人が住むようになってから切り払ってしまったのです。
遠くから森林をみるとブナ・クヌギ・シラカンバ・スギ・モミ・シラビソのような高木の集まりに見えます。
しかし、森林の中に入ってみると、さらに、シキミ・ヤブデマリのような低木やササ、日かげ植物などの下草がはえいてい、それぞれに群れをつくっています。