地形図の読み方、地形図の約束事とは? わかりやすく解説!

いろいろな地図

地図は、私たちの生活になくてはならないものになっています。
毎日の新聞には天気図がのっているし、駅には鉄道路線図があります。

また、どこかへ旅行すればその土地の案内図がたよりになり船で航海するのにも海の深さ、海岸の形、灯台の一などをあらわした海図があります。

そのほか、地下の地層の状態や岩石の種類などが書いてある地質図、道路の種類・状態・距離などが書いてある道路図、人口の密度や分布などが書いてから人口分布図などがあります。

また、地図帳には、世界全体から、ごくせまい範囲をあらわしたものまでいろいろな方法で書きあらわされたものがのっています。

このように地図には、使われる目的やその内容によって、いろいろのものがあります。

まだ、実際に測量してつくった実測図と何枚かの実測図をもとにしてつくった編さん図とがあります。


地形図

いろいろな地図の中で、もっとも基本的な地図が地形図です。

地形図は、ある土地の形や状態を縮めて決められた約束にしたがって、図にあらわしたものです。

ですから、とくに鉄道だけをあらわした鉄道路線図などと違って地上にある大切なものは、ほとんど書かれています。

建設省の国土地理院では縮尺1万分の1、2万5000分の1、5万分の1、20万分の1の地形図をだしています。

このうち5万分の2の地形図は日木全国、どんな山奥や離れ小島についてもつくられていて全部で1200枚にもなります。

方位

地形図では、北が上に書きあらわされています。

そして、地図上で場所を照らし合わせるときは、磁石が北をさす性質を利用しますが、磁石がしめすのは、正しい北極ではありません。

地球上の位置によってそれぞれ違いますが、日本では5度から6度西をしめします。

磁石を使って地形図を正しく見られるように新しい地形図には図の外側にその度数がしめしてあります。

ふつうの地図も、だいたい上が北になっていますがそうでないものは矢印で北をしめしています。

縮尺

地形図は土地の様子を縮めてあらわしたものですが、その縮めるわりあいが縮尺です。

1か月の長さが、地図上で10センチならば、その縮尺は1万分の1です。
5万分の1の地形図ならば、地上の1キロは、図上ではわずか2センチになります。

縮尺は長さの割合をしめすもので、面積の割合ではありません。
縮尺が5万分の2なら、面積は25億分の1になります。

地形図の区画

日本全土を1枚の地図にあらわすには、200万分の1あるいはもっと小さい縮尺にします。

5万分の1のように縮尺が大きくなってくると土地をくぎってあらわさなければなりません。

地図上の位置をしめすためには、スイカの皮にあたる建てすじのような経験とそれに直角に交わる、まるいちょうちんの骨のような緯線を使います。

地形図を書くために土地にくぎる場合は地球の上にかぶせた経線と緯線で日本の国土をわけその1つ1つを1枚の地形図にあらわすのです。

代長的な地形図である5万分の1地形図では経度が15分、緯度が10分ごとになっています。

15分は1度の4分の1、10度は6分の1です。

地形図の四隅には、経度と緯度の数値が書かれていてその土地が地球上のどの位置にあるかがわかります。

また経線は、スイカの皮のすじがへたのところでせまくなるように地球の北極や南極に近づくほどせまくなります。
ですから、地形図の形は長方形にみえますが、正確には上辺の短い台形です。

そして1枚の地形図の大きさは、北の地方ほど小さくなります。

これは、北海道地方の200万分の1の地形図と九州地方の200万分の1の地形図をくらべてみれば、すぐにわかります。



等高線

地形図という言葉からもわかるように地形(土地の高い低いの様子)は地形図にあらわされているもののうち、もっとも大切なものです。

地形図を見ると、細かい曲線が何本もひかれているのがわかります。これが等高線です。

等高線は海面からの高さが同じところをむすんだ線です。

5万分の1地形図では、等高線は、20メートルごとにひかれています。
つまり、20・40・60・80・100メートルなどです。
このような等高線を主曲線といいます。

主曲線のうち100メートルごとのものはふつうの主曲線よりも太く書かれています。これを計曲線といいます。

細かいでこぼこを地形図にあらわすために主曲線のあいだに間曲線という等高線を書くことがあります。

間曲線と主曲線のあいだの、高さの違いは10メートルです。
さらに細かく地形をあらわすときには間曲線のあいだに助曲線という等高線を使います。

助曲線に5メートルの高さの違いをしめします。

記号

地形図を見ると、等高線や地名のほかにいろいいろな記号が書いてあります。
これらは地上にある大切なものを、それぞれ、決められた記号であらわしたものです。

かわった地形

等高線だけではあらわせない地形をしめす記号です。
崖崩れ壁のようにきりたった岩、岩が散らばっているところがなく岩がむきだしになっているところなどです。

土地の使いかた

その土地が何になっているかをあらわす記号です。
田や畑のほか、森林や荒地などの記号も決まっています。

町と村

都会のように、家が集まっている場合には、まとめてあらわしますが村落のような家が離れているところでは、1軒ずつ描きます。

また、官庁や学校、病院など、主な建物には、その種類をしめす記号がつきます。

道路と鉄道

道路は、国道・都道府県道・町村道でわけていましたが、新しい地形図では自動車が何台ならんで通れるか、荷車が通れるかというようなわけかたをしています。

鉄道は、旗竿のような記号で単線と複線の区別があります。

そのほか、都道府県のさかいや町村のさかいをしめす境界線、記念碑や鳥居、温泉や噴火口など、さまざまな記号があります。

地形図には、横の欄に、いろいろな記号の例が書いてありますから地形図を見るときの参考になります。




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