地形図から見るいろいろな地形の特徴とは? わかりやすく解説!

山地

山は、まわりの土地よりも高くそびえたっています。
高ければ、それだけ等高線の数も多くなります。

山の高さは山頂に三角点があるところでは、くわしくわかります。
三角点のないところでも等高線のところどころに書かれている高さから見当がつきます。


その山の傾斜が、急であるか緩いかは等高線の間隔を見ればわかります。
もしも傾斜が45度なら計曲線の間隔は、5万分の1地形図で2ミリになります。

また、等高線の間隔のせまいところは黒っぽく見えるし間隔の広いところは白っぽく見えるので、地形図をちょっと見ただけでも傾斜の急なところと、緩いところの区別ができます。

谷の部分の等高線は、ふつう谷が深ければ深いほど山側にへこみ谷底から尾根までの等高線の数が多くなります。

斜面の傾斜と同じように川の洪水も、谷底の等高線の間隔で急か、ゆるいかがわかります。

山と谷は、表と裏のようなものです。多くの場合、谷ができるから山がつくられるのです。

谷がしだいに山を削り、山は、幼年期の山・壮年期の山・老年期の山と形をかえていきます。

ですから、地形図で谷の様子を見ることはその山がどんな山であるかを知るために大切です。

ふつうの地形図に黒一色で印刷されていますから、谷の様子をよく見るためには谷線を青い鉛筆で稜線を赤鉛筆で書いてみるとはっきりわかります。

田には地質の様子にしたがってできることがあるので谷の伸びかたやならびかたで地質の状態がわかることもあります。

火山

火山は、地球の内部から溶岩がふきだして、かたまったものです。
火山として、もっとも代表的なのは、富士山のような山頂にある火口から四方にまるく裾を広げた形です。

右の形を等高線で見ると、小さな円を中心に、しだいに大きな円が重なっています。
そして、すそ野のほうが傾斜がゆるくなるので、等高線の間隔が広くなります。

へこんでいる火口は、矢印によってしめされます。
また、現在活動を続けている火山には、煙を挙げているような記号がついています。

火山には、このほかにいろいろな形をしたものがあります。
このうち、山頂が爆発したり陥没したりして大きなへこみになったカルデラ式火山は中央火口丘や火口原があるのでみわけられます。

しかし、火山も浸食作用でしだいに形がかわるので古い火山は、ふつうの山地とみわけるのが難しくなります。



台地

台地は小高いところにある平らな地形です。
台地もできかたによっていろいろ区別され、それをつくっている物質もさまざまです。

このうち、日本のどの地域でもよくみられる台地に、河岸段丘があります。

地形図で、川の付近を見てみると川原とほぼ同じ高さの谷底の平地はふつう水田になっています。
等高線の数から、谷底の傾斜は、ごくゆるいことがわかります。

谷底の平地に、等高線がせまい間隔でならんでいるところ、つまり崖に続いています。
そして崖の上には、また等高線の少ない平らな土地があります。

これが河岸段丘です。

地形図を見てみると河岸段丘が何段もあることがあります。
これは、土地が何回も隆起してできたもので、上のほうほど古い段丘です。

また、川の両岸に同じ高さの段丘がみられることがありますがこれは同じ時代にできたものです。

河岸段丘をはじめ、台地にふつう水の便が悪く、畑や茶畑・クワ畑に利用されます。

低地

扇状地

山のふもとには川が山地から運んできたれきや土砂を堆積してつくった扇状地があります。

扇状地を地形図でみると、火山のすそ野の一部分を切り取ったように等高線が、川の出口を中心にならんでいます。

扇状地の上端は、水が得にくいために荒地や雑木林になっていることが多く部落もみられませんが、扇状地の下端には地下水がわきだすので水田や部落がみられます。

三角州

川が海にそそぐところには川の運んできた細かい土砂が堆積して三角州をつくります。

三角州は、非常に平らな土地なので、等高線を見つけるのもたいへんです。
川は、うねうねと蛇行したり、何本にもわかれていることもあります。
また、平らで水の便がよいので、ほとんどが水田になっています。

しかし、地形図をよく見ると、三角州にも小さなでこぼこがあることがわかります。
間曲線や助曲線を見ることも大切ですが、土地の利用状態に注意することも大切です。

三角州のように、じめじめしたところでは集落は、少しでも高いところに選ばれます。
つまり集落のあるところは、自然堤防のような小高いところが多いのです。

また水田でも、沼田の記号のあるところはむかしの沼のあとなどで、まわりより低くなっています。




地形図の見方とは?等高線の見方とは? わかりやすく解説!

地形図のみかた

地形図は、土地の状態を、いろいろな記号や等高線を使って縮めてあらわしたものです。

ですから、地形図をみれば、その土地の状態を、知ることができるわけです。
地形図のみかたが上手になれば、それだけ、その土地のいろいろなことがわかります。

地形には、いろいろなできかたがあり、地形をつくっている物質もさまざまです。
けれども地形図では、形だけが等高線であらわされています。

ですから、等高線のみかたになれることが大切です。


等高線のみかた

5万分の1地形図では、等高線は高さ20メートルごとに同じ高さの場所をむすんだ線です。

2本の等高線のあいだは、ところによって広かったりせまかったりしますがそのあいだの高さの違いは、常に20メートルです。

等高線のあいだの違いは、土地の傾斜の違いによってできます。
傾斜のゆるいほど等高線のあいだは広くなり、急になるほどせまくなります。

90度の絶壁があれば、等高線は重なってしまうわけですが実際には、このような崖は記号であらわしています。

また、同じ傾斜が続けば、等高線のあいだは同じですが傾斜がつぎつぎにかわる斜面では、等高線のあいだも、つぎつぎにかわります。

傾斜が非常にゆるくて、等高線のあいだが広いところで主曲線のしめす20メートルに満たない高低をあらわすときには間曲線や助曲線を使います。

谷線と稜線

等高線の曲がりかたをよく見ると、谷底にあたるところでは等高線は急に曲がっており、尾根にあたるところでは曲がりかたがゆるくなっています。

谷にあたるところをむすんでできる線を谷線、尾根にあたるところをむすんでできる線を稜線と言います。




地形図の読み方、地形図の約束事とは? わかりやすく解説!

いろいろな地図

地図は、私たちの生活になくてはならないものになっています。
毎日の新聞には天気図がのっているし、駅には鉄道路線図があります。

また、どこかへ旅行すればその土地の案内図がたよりになり船で航海するのにも海の深さ、海岸の形、灯台の一などをあらわした海図があります。

そのほか、地下の地層の状態や岩石の種類などが書いてある地質図、道路の種類・状態・距離などが書いてある道路図、人口の密度や分布などが書いてから人口分布図などがあります。

また、地図帳には、世界全体から、ごくせまい範囲をあらわしたものまでいろいろな方法で書きあらわされたものがのっています。

このように地図には、使われる目的やその内容によって、いろいろのものがあります。

まだ、実際に測量してつくった実測図と何枚かの実測図をもとにしてつくった編さん図とがあります。


地形図

いろいろな地図の中で、もっとも基本的な地図が地形図です。

地形図は、ある土地の形や状態を縮めて決められた約束にしたがって、図にあらわしたものです。

ですから、とくに鉄道だけをあらわした鉄道路線図などと違って地上にある大切なものは、ほとんど書かれています。

建設省の国土地理院では縮尺1万分の1、2万5000分の1、5万分の1、20万分の1の地形図をだしています。

このうち5万分の2の地形図は日木全国、どんな山奥や離れ小島についてもつくられていて全部で1200枚にもなります。

方位

地形図では、北が上に書きあらわされています。

そして、地図上で場所を照らし合わせるときは、磁石が北をさす性質を利用しますが、磁石がしめすのは、正しい北極ではありません。

地球上の位置によってそれぞれ違いますが、日本では5度から6度西をしめします。

磁石を使って地形図を正しく見られるように新しい地形図には図の外側にその度数がしめしてあります。

ふつうの地図も、だいたい上が北になっていますがそうでないものは矢印で北をしめしています。

縮尺

地形図は土地の様子を縮めてあらわしたものですが、その縮めるわりあいが縮尺です。

1か月の長さが、地図上で10センチならば、その縮尺は1万分の1です。
5万分の1の地形図ならば、地上の1キロは、図上ではわずか2センチになります。

縮尺は長さの割合をしめすもので、面積の割合ではありません。
縮尺が5万分の2なら、面積は25億分の1になります。

地形図の区画

日本全土を1枚の地図にあらわすには、200万分の1あるいはもっと小さい縮尺にします。

5万分の1のように縮尺が大きくなってくると土地をくぎってあらわさなければなりません。

地図上の位置をしめすためには、スイカの皮にあたる建てすじのような経験とそれに直角に交わる、まるいちょうちんの骨のような緯線を使います。

地形図を書くために土地にくぎる場合は地球の上にかぶせた経線と緯線で日本の国土をわけその1つ1つを1枚の地形図にあらわすのです。

代長的な地形図である5万分の1地形図では経度が15分、緯度が10分ごとになっています。

15分は1度の4分の1、10度は6分の1です。

地形図の四隅には、経度と緯度の数値が書かれていてその土地が地球上のどの位置にあるかがわかります。

また経線は、スイカの皮のすじがへたのところでせまくなるように地球の北極や南極に近づくほどせまくなります。
ですから、地形図の形は長方形にみえますが、正確には上辺の短い台形です。

そして1枚の地形図の大きさは、北の地方ほど小さくなります。

これは、北海道地方の200万分の1の地形図と九州地方の200万分の1の地形図をくらべてみれば、すぐにわかります。



等高線

地形図という言葉からもわかるように地形(土地の高い低いの様子)は地形図にあらわされているもののうち、もっとも大切なものです。

地形図を見ると、細かい曲線が何本もひかれているのがわかります。これが等高線です。

等高線は海面からの高さが同じところをむすんだ線です。

5万分の1地形図では、等高線は、20メートルごとにひかれています。
つまり、20・40・60・80・100メートルなどです。
このような等高線を主曲線といいます。

主曲線のうち100メートルごとのものはふつうの主曲線よりも太く書かれています。これを計曲線といいます。

細かいでこぼこを地形図にあらわすために主曲線のあいだに間曲線という等高線を書くことがあります。

間曲線と主曲線のあいだの、高さの違いは10メートルです。
さらに細かく地形をあらわすときには間曲線のあいだに助曲線という等高線を使います。

助曲線に5メートルの高さの違いをしめします。

記号

地形図を見ると、等高線や地名のほかにいろいいろな記号が書いてあります。
これらは地上にある大切なものを、それぞれ、決められた記号であらわしたものです。

かわった地形

等高線だけではあらわせない地形をしめす記号です。
崖崩れ壁のようにきりたった岩、岩が散らばっているところがなく岩がむきだしになっているところなどです。

土地の使いかた

その土地が何になっているかをあらわす記号です。
田や畑のほか、森林や荒地などの記号も決まっています。

町と村

都会のように、家が集まっている場合には、まとめてあらわしますが村落のような家が離れているところでは、1軒ずつ描きます。

また、官庁や学校、病院など、主な建物には、その種類をしめす記号がつきます。

道路と鉄道

道路は、国道・都道府県道・町村道でわけていましたが、新しい地形図では自動車が何台ならんで通れるか、荷車が通れるかというようなわけかたをしています。

鉄道は、旗竿のような記号で単線と複線の区別があります。

そのほか、都道府県のさかいや町村のさかいをしめす境界線、記念碑や鳥居、温泉や噴火口など、さまざまな記号があります。

地形図には、横の欄に、いろいろな記号の例が書いてありますから地形図を見るときの参考になります。




モバイルバージョンを終了