カシオペア座
北の天の川の中で、二等・三等の5つの星が鮮やかなMの字をつくっているのが、カシオペア座です。
9月ごろ、まだ東から昇ったばかりのときは、Wの字に見えるので、W星とよばれます。
日本の名は「船のいかりぼし」、または「やまがたぼし」です。
このWは、北斗七星と向き合って北極星をはさんで、まわっています。
そのため、秋から冬にかけて、北斗七星が低いあいだはそれにかわって北極星を見つけける役に立ちます。
そのときには、下の図のようにしますがせまいほうの角を二等分した線を伸ばすだけでもしぜんに北極星に届きます。
神話
カシオペアは、エチオピアの后で、アンドロメダ王女の母です。
王女は海の神の罰をうけて、化けクジラに食べられようとしましたが母も、椅子にかけて両手を広げたまま、1日に1回北の空をまわらなければならないことになりました。
これは、おおぐま座・こぐま座と同じように北極星を中心にまわっていることを神話にしたのです。
ケフェウス座
カシオペア座の西(左)で、三等・四等の星が天の川からはみだした五角形をつくっている星座で屋根のとがった家の形に見えます。
神話では、エチオピア王で、カシオペアの夫ですが人間の形に見るのは、少し無理です。
王の顔にあたるデルタという星は、5日9時間ごとに規則正しく明るさが四等から五等にかわる、有名な変光星です。
ペルセウス座
これはカシオペアに続いて、北東から昇る星座です。
天の川の中で、二等星が1つと、そのほか10あまりの星で弓がたをつくり、二等星からは、星のえだがでています。
星座の図では、アンドロメダ王女を救った王子ペルセウスが右手に長い剣を振り上げ左手にメズサとい化け物の首を持っている姿です。
脇腹に光っているのが二等星で、これはアンドロメダ座の星の一列を天の川の中に伸ばすと、しぜんに見つかります。
美しい紫色の星で、直径が太陽の数十倍もある大きな星です。
神話
ギリシアの王子ペルセウスは、悪い叔父の王に騙されてこの世の果てに住むメズサという化け物の首をとりにいきました。
これは、髪の毛にヘビがはえている恐ろしい顔をしておりその顔を一目見ただけでも、たちまち石になってしまうといわれていました。
王子は神の助けで空を飛んでいきメズサを、盾にうつして首を切り落としました。
そしてペガサス(天馬)にまたがって、ギリシアヘ飛んで帰る途中化けクジラの餌食になろうとしていた王女アンドロメダを見つけ空から舞い降りてクジラを退治し、王女を花嫁にしたといわれています。
ここで最も有名な星はペルセウスがもっているメズサの首のひたいにある星でアルゴル(化け物)という変光星です。
2日21時間ほどのあいだに、二等から三・五等の光に規則正しくかわって、肉眼でも、おもしろく観察できます。
これは、くじら座の変光星ミラと違って、明るい星のまわりをずっと大きな暗い星がまわっていて中の星の一部を隠すために起こるのでいわば太陽の部分食に似ています。
明るい星は直径が太陽の3倍ぐらい、暗い星はずっと大きく2つのあいだの距離は1000万キロメートルほどあります。
なお、この星座の中でカシオペアのWに近いところに二重の散開星団があって、肉眼でもよく見え小望遠鏡で見ると実に美しい眺めです。
距離は、7500光年といわれます。
ペルセウスの左の足先に、有名な「すばる」がかたまって見えますがこれは冬のおうし座の星です。