冬の星座
冬は空気が澄んでいるので、星がいちばんはっきり見える季節です。
秋に見たペガサスの大方形は天馬の頭を下にして西に沈みかけカシオペアのWも、ケフェウスの家の形も、大の川の中で傾き北東の地平線からは、北斗七星が大グマの足を見せて昇ってきます。
そして「すばる」をさきがけとして、冬を代表するオリオンをはじめ立派な星座がぞくぞくとあらわれ南東の空は1年のうちでも、最も美しい眺めになります。
おうし座
冬のはじめ、ペルセウスの左足先に青白くかたまっているのが日本の名の「すばる」(玉かざり)で、西洋では神話の7人姉妹の名をとったプレアデス星団です。
ふつうは6つ見えるので「むつらぼし」といいつないだ形で「はごいたぼし」ともいいます。
1月半ばの8時ごろ、真南にきます。
「すばる」の下には、もう1つヒアデス星団があって赤い一等星が小さい星と>の形にならんでいます。
これを牛の顔と見て、おうし座といいます。
プレアデスの距離は410光年、ヒアデスは130光年です。
しかし、牛の目にあたる一等星アルデバランは70光年で温度は3300度、直径が太陽の50倍もあります。
牛の顔の>から角が左上に伸びて、その先に二等と三等の星があります。
下の星の近くに、電波を出すので有名なかに星雲がありますが肉限では見えません。
ギリシア神話では、この牛は、大髪ゼウスがフェニキアの王女をのせて、地中海を渡ったときに化けた白牛だといわれています。
ぎょしゃ座
おうし座の角の左上を見ると空高く5つの星が大きな五角形をつくっていて
その1つに、牛の角の先になっています。
これが、ぎょしゃ座で、日本では「ごかくぼし」といいます。
五角形の角の一等星は力ペラ(めすヤギ)というクリーム色の美しい星です。
距離は50光年、太陽によく似た星で温度は5500度ですが、直径は太陽の16倍もあります。
2月はじめの8時ごろ、天頂に近づきます。
カペラのすぐそばで3つの星が小さな三角形をつくっているのを、こやぎといいます。
この頭にあるイプシロンには直径が、太陽の2000倍以上もある暗い星がついています。
これは、いままでわかっている星のうちでは、最も大きなものです。
この星座は、名は車の御車ですが、絵では親子のヤギを抱いている羊飼いになっています。
ふたご座
おうし座の東に、星が二列に並んでいる星座で黄道に、おうし座から、ここを通っています。
目印は、二列の頭の金色と銀色の星でにほんでは「きんぼし」「ぎんぼし」といいますが西洋では、ボルックスとカストールです。
これは、ギリシア神話のふたごの勇士の名です。
星座の名も、ふたご座とよばれます。
2つとも同じくらいの光に見えますが、ポルックスは一等星で距離が35光年、カストールは二等星で、距離が45光年ですから実際には、ならんでいないわけです。
ふたごの体は、2つの星か頭にして、飛び飛びに続く二列の星で足に天の川に届いています。
冬には、ぶらんこを振っているように見えますが春先には、西の空に直立して
たこのたらしている長い尾のように見えるでしょう。
神話
馬の名人力ストールと、拳闘の選手ポルックスはいつも、いっしょに戦争にでかけ、華々しい手柄をたてて武名をとどろかしました。
カストールが戦死すると、ポルックスは、ひどくなげき自分も死んで、カストールといっしょになりたいと祈りました。
それで大神は、ふたりを星座にして、いつまでも仲良く空に並ぶようにしてやったといわれます。