光球
望遠鏡や、すすをつけたガラスを通して太陽を見ると白く輝く円板のように見えます。これを、光球(光のたま) といいます。
ちょっと見ると、月のようなものももなく、どこも同じように明るい球のようです。
しかし、よく注意して観察すれば全体が同じ明るさに光っているのではなくて、中心部が強く輝いてふちのほうが少し暗くなっていることに気がつくでしょう。
これは太陽の裏面が、高温(6000度くらい)のガスである証拠です。
なぜなら、固体や液体では、表面全体が同じように輝くはずだからです。
ですから、光のたまといっても、野球のボールのように硬い表面をもった球ではありません。
私たちが、太陽の表面と考えてみているのは実は、厚さ300~400キロメートルものガスの層なのです。
地球では、地面と、それをとりまいている空気とが、はっきり区別つきます。
しかし太陽では、光り輝く本体から、周りのうすいガスの層へだんだんにうつりかわっていますから、地球の地面のようにここまでが本体だという、はっきりした境はありません。
黒点
太陽の表面には暗いしみのような黒点が、ときどきあらわれます。
大きな黒点があらわれたときには、すすのついたガラスでも見ることができます。
黒点が黒く見えるのは、温度が低いからです。
しかし、温度が低いといってもそこが周りの部分にくらべて低いというだけで黒点が冷たい場所だというわけではありません。
黒点の温度は、400~500度といわれているほど、実は高温なのです。
家庭用の自熱電球が、明るく輝くのはタングステンのフィラメントが高温で熱せられて光るためですがこのフイラメソトの温度でも、せいぜい2500度くらいで黒点の温度より、はるかに低いのです。
ですから、黒点が黒く見えるのは、周りがそこよりもはるかに明るいためで実際には、電球などにより、ずっと明るく輝いているのです。
もし、大きな黒点だけを残して太陽のほかの部分を取り去ったとしても地球上は決して暗くなりません。
黒点は、満月の10倍以上も明るい光を出しまぶしくて、肉眼では、まともに見ることはできないでしょう。
白い粒
小さな望遠鏡で観察できる太陽の表面の模様は黒点だけですが、大がかりな機械を使うと、ずっと細かなものも見えてきます。
ちょっと見たところ、では白く同じような明るさに見える部分も実は小さなブツブツにおおわれているのです。
ちょうど、灰色の紙の上に白い米粒をばらまいたように小さく輝いている斑点が周りの少し暗い部分からくっきりと菅らを見せて輝いています。
このブツブツを粒状斑(白い粒)といいます。
白い粒の直径は、数百から千キロメートルほどで太陽の表面には、たえず200万もの白い粒が、あると見られています。
写真に撮ると、よくわかりますが白い粒は非常に早く変化し1つ1つは1、2分ほどしか続きません。
数分のうちに、全体の様子がすっかりかわって太陽の表面がたえず激しく荒れ狂っていることをよくしめしています。
白い粒の招待は表面の下から、たえず湧き上がってくる厚いガスの固まりだろうと考えられています。
それぞれは、太陽にくらべれば、ごく小さな塊ですがなにぶん非常に大きいので、たいへん熱を運んでいることでしょう。