太陽の利用と太陽電池とは? わかりやすく解説!

太陽の利用

私たちは、電気とか、石炭・石油を使うことによって間接的に太陽の光や熱を利用していますが1平方メートルごとに1キロワットの割合で注いでいるたくさんの熱量を直接利用することはあまり、おこなわれていません。

その理由の1つは太陽の光や熱を直接、動力にかえる能率のよい機械が、なかなか見つからないからです。


いちばんふつうに日光が利用されているのは洗濯物を乾かすとか魚の干物をつくるなど、物を乾燥させることでしょう。

産業の中で、古くから太陽熱を直接利用してきたものに製塩があります。

海岸の近くの塩田に海水を引き入れ、何日も日光と風にさらします。
すると水分は蒸発して、塩が砂にくっつきます。

この砂を集めて海水をかけると非常に濃い塩水ができます。
これを煮詰めて塩をつくるのです。

太陽熱を鏡で傷めて湯を沸かしたり、料理をつくったりすることも実験的におこなわれています。

太陽の光を虫眼鏡で集めると紙がかんたんに焼けることは、よく知られています。

ただ面倒なのは、太陽を追い駆けて鏡がまわるように動ける装置をつくらなければなりません。

この装置は、費用の多くかかる、複雑なものになります。

また、曇った日とか夜には、全く役に立たないこと鏡にほこりがつくと具合が悪いことなどが日常生活に不便な点です。

しかしこの方法は、晴れているかぎり割合かんたんに高い温度がつくられますから、実験装置には向いています。

鏡で太陽熱を集め、数千度という高温を出す機械を太陽炉といいます。

アメリカ合衆国では、9メートル平方の凹面板に180枚の鏡をつけた大がかりな太陽炉がつくられ核爆発などのときに起こる高熱をふせぐための研究がおこなわれています。

この太陽炉では、3000度くらいの高温をつくることができます。

家庭で役に立つのは温水器です。
ガラス張りの箱に水を入れ、日当たりのよい南側の屋根の上に置くと晴れた日には冬でも風呂に使うくらいの湯は充分につくることができます。

外国では、大がかりな温水器で部屋を温かくする実験も試みられていますが曇った日が続くことも考えられますから太陽熱だけで部屋を温めるということは無理でしょう。

しかし、日差しが強く、曇る日の少ない地方ではガラス箱式の湯沸しは、たいへん役に立ちます。

太陽熱を利用した蒸留器も、ソ連ではつくられています。
中央アジアには、井戸水に塩分がふくまれていて、にがからいところがあります。

この塩水は、一度沸かして蒸気にし、それを冷やして真水にしないと飲むことができませんし、自動車のエンジンを冷やすこともできません。

そのうえ、この地方では燃料もあまり多くとれないのです。
しかし、都合のよいことには中央アジアは1年のうちに300日も晴れて太陽はじりじりと、照りつけています。

この太陽熱で、井戸水を蒸発させ、真水をつくって浴場や、工場・住宅などに水道をひいています。



太陽電池

ある物質は、光が当たると電気が流れる性質をもっています。
言いかえると、この物質は太陽の光を吸い取って、それを電気にかえるのです。

これを光電池とか、太陽電池といいます。写真機の電気露出計も、その一種です。

いまのところ、光から電気にかえることは、能率がよくないのでふつうの電気を使うより、ずっと値段が高くつきます。

しかし最近では人工衛星とか、人里離れた海辺の灯台や山奥の無電中継所のようにふつうの電気を利用できないところの電源に使われるようになりました。

太陽電池は、これからますます進歩することと思われます。

屋根いっぱいに太陽電池を張り、日が照ってさえすれば1滴のガソリンも使わずに何万キロメートルも走り続ける自動車かできるかもしれません。

また、広い砂漠に太陽電池を敷き詰めて太陽熱発電所をつくりそこを、すばらしい工業地帯に、つくりかえることも遠い夢ではないかもしれません。




太陽の恵みとは?もし、太陽がなくなったら? わかりやすく解説!

太陽と生命

太陽の光と熱は、地球上のすべての生物の育ての親です。

たいていの植物に、空気中の二酸化炭素と、地面から吸い上げた水分とで必要な栄養分をつくりますが、このはたらきをおこなわせるのは太陽の光の力です。

ですから、日光がなければ植物は生長しません。
稲とか麦のような穀物に、太陽の光を非常によく栄養分にかえる植物です。

人間をはじめとして動物は植物のように空気中から栄養分をつくる力をもっていないので植物か、植物を食べているほかの動物を食料にしなければなりません。

1杯のごはん、1切れの肉、1さじの砂糖、これらには目で見ることはできませんが日光がしまいこまれているのです。

私たちは、太陽の光を食べて生きているといっても、決して言い過ぎではありません。

もちろん、生物の生長には光だけでなく、温かさもたいヘん大切です。

地球に太陽から送られてくる熱で、ほどよく温められていますがもし太陽の熱がなかったら、生物はいっぺんに、凍え死んでしまうでしょう。


動力の源

人類は、文明が進むにつれて多くの機械を使うようになりました。
しかし、太陽の輝きがなかったら機械をはたらかせる動力の源もありません。

水車とか風車のような原始的な機械も太陽の力によって動いています。

なぜなら、川に水が流れるのに雨が降るからですが雨が振るためには地表の水が太陽熱で蒸発しなければなりません。

風車を動かす風は空気が太陽熱で温められ空気中に温度の差ができるために起こるのです。

いまでは、機械を動かすには、おもに電気・石炭・石油などを使います。

水力発電は、高い山に振った雨水が低い場所に流れ落ちるときのものすごい力を利用しています。

ですから、大都会の夜を明るく照らす電灯やネオンサインの光は何日か前に、どこかの海の水を蒸発させた太陽の光と熱が形をかえているものなのです。

石炭や石油は、日光の当たらない地面の下から掘り出すので太陽とは関係がないように見えます。

しかし、石炭は遠い昔、いまから数千年万年も前に地上にしげっていた植物が積み重なり、厚い土に埋もれてできたものです。

石油は古代の海や湖に住んでいた生物の残骸が長い間に堂上に積み重なった土の圧力と熱で化学変化を起こして油にかわったものです。

ですから、昔太陽が地球を照らさなかったなら1かけらの石炭も、1滴の石油も地球上にないわけです。

火力発電所のタービンを動かす石炭や、自動車のエンジンを動かす石油は大昔に地球に溜めこまれた、太陽の光と熱の缶詰にあたるわけです。

このように、私たちの生活の大部分は太陽の恵みを受けているのです。




太陽からの電波の正体とは?デリンジャー現象・磁気嵐とは?

太陽からの電波

太陽からは、光や熱だけでなく、電波も出ています。

もちろん、私たちの目は電波を見ることはできませんからふつうの望遠鏡では太陽からくる電波を捕まえることにできません。

太陽から出てくる電波を観測するには、電波望遠鏡を使っています。

太陽の表面には、黒点が出たり、紅炎があらわれたりしますが大阪全体からくる光の強さは、1年を通しても、1パーセントも変化しません。

ところが電波の強さは、日によって非常に違いまた2日のうちでも、ときには数十倍、数百倍といきなり強くなることがあります。

電波が急に強くなるのは、太陽の表面で爆発が起こったときに多いことつまり、太陽の活動が激しいときに電波が強くなることがわかっています。

このように、太陽の活動は、電波にいちばんはっきりあらわれます。

そのうえ、電波に雲に邪魔されることなく平気で突き抜けてきますから、天気の悪い日でも電波を観測していると太陽の活動する様子を知ることができます。


デリンジャー現象と磁気嵐

太陽表面で爆発が起こると太陽は電波だけでなく電子や原子などの小さな粒を飛び出させています。

ところで、地球のまわりには、電離層といって電波を反射するところがあります。

遠くまで、ラジオ放送や無線通信ができるのは発信された電波が、この電離層で跳ね返ってくるためです。

ところがこの電離層は太陽から飛んできた小さな粒がぶつかると激しく乱されます。

このため、電波が跳ね返ってこられないのでラジオ放送や無線通信の感度が突然下がってときには、まったく感度がなくなってしまうことがあります。

これをデリンジャー現象といい、数分から1時間も続くことがあります。

1960年のローマオリンピックのときこの現象が起きて各国ともオリンピックの報道に、たいへん苦労しました。

通信が邪魔されるだけでなく、いままで北を指していた磁石の針が狂ったりします。

これを磁気嵐といいます。

磁気が起きると羅針盤を使って航海している船はほかの方法で方角を調べなければならなくなります。

これらの小さな粒は太陽の黒点の活動と深い関係があるのですがこの粒が、どのようにして飛び出してくるかは、まだよくわかっていません。




太陽の光と熱の正体とは?太陽が熱や光を出すしくみとは?

太陽の光

大気のよい日、太陽が地面を真上から照らす明るさは1メートルの高さに置いた100ワットの白熱電球の1000倍の明るさにあたります。

太陽は、約1億5000万キロメートルの遠くから太陽の表面からでてくる光の量は非常に多いということがわかります。

実際に、太陽の表面が出している光を計算すると1平方センチについて100ワットの白熱電球500個分の明るさに輝いていることになります。

太陽を直接見つめると、目を傷めるのも不思議ではありません。


スペクトル

太陽の光をプリズムにあてると、虹と同じように
赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色にわかれきれいな光の帯ができます。

プリズムを通してわけられた光の帯は、スペクトルとよばれています。

紫外線と赤外線

このように目に見える光のほかに、太陽からは私たちの目には感じない光線もやってきます。

それらのうち、プリズムを通すと紫色の光の外側にくる光線を紫外線赤色の外側にくる光線を赤外線といいます。

ブラウンホーファー線

太陽のスペクトルをよく見ると美しい色の帯の中に、たくさんの暗い筋が並んでいます。
この暗い筋は、スペクトル線とか、発見者の名をとってフラウンホーファー線とよんでいます。

このフラウンホーファー線の様子から光を出しているガスが、なにからできているかまた、それらのガスがどのようになっているかなどを知ることができます。

そして、この観測から、太陽の大気中には水素・ヘリウム・炭素・窒素・酸素・ナトリウム・マグネシウム・鉄などの多くの元素があることがわかっています。



太陽の注ぐ熱

太陽から地球の表面に注がれる熱は日本の緯度では夏の12時ごろで1平方メートルごとに約1キロワットです。

いいかえると、太陽は昼ごろには、1キロワットの電気ストーブを1平方メートルごとに1台ずつつけた割合で地面を温めているのです。

ですから、日本全体に注ぐ太陽の熱は3700億キロワットになります。

(日本の総面積は37万平方キロメートル)日本の電力料金は1キロワットの電気ストーブを1時間つけて、約10円です。

その割合で、太陽が暖房費を取り立ててきたら日本全体では1時間に3兆7000億円のお金を払わなければならないわけです。

太陽は何十億年という大昔から、このような多くの熱や光を出して輝いています。では、この熱や光は、いったいどうしてえられるのでしょうか。

水素爆弾が爆発すると、ものすごく大きな力と熱と光を出すことはよく知られています。
これは、水素の原子が、ほかの原子にかわるとき、大きな力と熱を出すためです。

太陽では、考えもつかないような大きな水素爆弾が、いちどに、その上、休みなしに爆発しているのだといえましょう。

太陽では、水素がたえずヘリウムという原子にかわっていてこのため、ものすごい熱や光を出して輝いているのです。
その熱は、太陽の表面で約6000度、中心では2000万度もあると考えられています。




太陽の大気はどうなっているの?彩層・コロナとは?

地球の周りを空気が取り巻いているように太陽の光球の周りにも、うすいガスの層が取り巻いています。

これを太陽の大気といいます。
しかしふつうは、光球の強い光に邪魔されて、見ることができません。

そこで、太陽の天気を研究するには、光球からくる強い光を通さないで大気のかすかな光だけを拾い上げる、特別な装置を使ったり月が光球をすっかり隠す、皆既日食を利用します。


彩層

皆既日食のとき、月が光球をおおい隠した瞬間うす赤い色の光が、周りを取り巻いているのが見られます。

これは彩層とよばれ、光球より温度の高いガスでできていて厚さは、1万キロメートルくらいあります。

普段の日に、彩層の様子を調べるには彩層のうす赤い光だけ取り出す特別な望遠鏡を使います。

すると、ときどき太陽のふちから数万キロの高さに光の炎が燃えたっているのを見ることがあります。

激しい勢いで、下から上に飛び出していくのもあれば高いところに、突然明るい点があらわれそこから光が滝のように表面に落ちていく場合もあります。

また、地球上の雲のように、ぽっかりと上に浮かんでいることもあります。

これらは、プロミネンス(紅炎)といわれていて大きな黒点の上空にあらわれるのがふつうです。

また彩層からくるうす赤い光をながめていると大きな黒点の付近が急に明るくきらめくことがあります。

これを太陽面の爆発といいますが太陽の大気中で起こるもっとも激しい嵐で光のほかに強い紫外線や、電気をもった粒を吹き出します。



コロナ

太陽のいちばん外側は、コロナがとりまいています。

コロナは、彩層よりさらにうすいガスの大気で密度は、空気の数兆分の1、光の強さは光球の100万分の1ほどしかありません。

下は彩層に続き、上は数百万キロメートルの高さにまで広がっています。

黒点の数が多くあらわれる時期にはコロナはまるく広がって中心から放射状の光の筋が走り、ダリアの花のようです。

黒点が少ししか見えない年には、ひしゃげて、東西の平たい形をしています。

昔は皆既日食がコロナを見ることのできるただ1つの機会でしたが最近では望遠鏡の中に光球を遮る円板を置き人工の日食を起こさせるコロナグラフが発明されてコロナの内側の明るい部分は、いつでも観測できるようになりました。

しかし空気中にごみの多い平地では、この器械を使ってもコロナは見えません。

そこでコロナの観測は、空気のよく澄んだ高い山の上でおこなっています。
日本では、飛騨山脈の乗鞍岳の山頂近くに、コロナ観測所がつくられています。




黒点の形と大きさや動きとは? 黒点のあらわれ方とは?

黒点の形と大きさ

望遠鏡で見るとふつうの黒点には、中心に真っ黒い部分(これを本影とか、暗部という)があってそのまわりを、うす暗い半影(半暗部ともいう)がとりまいています。

しかし、なかには本影だけとか、半影だけどかまた、1つの半影の中に、たくさんの本影が散らばっているという複雑な黒点もあります。

黒点には、1つだけぽつんとしているものと2つ以上の黒点がかたまって、群れをつくっているものとがあります。

黒点の群れは、東西に並んだ2つの組にわかれているのがふつうでこれらは、ふたごの黒点とよばれています。

太陽が非常に大きいので、黒点にちっぽけな染みのように見えますが実際は、ずいぶん大きなものです。

小さなものでも、直径に数百キロメートで大きな黒点になると半影の直径は数万キロメートルにもなります。

地球の直径が1万2700キロメートルなのですから黒点がどんなに大きいかがわかるでしょう。


黒点の動き

黒点を続けて観測していると、前日の位置より少しづつ西へ動いていくのがわかります。

これは、太陽が地球と同じように自転していて黒点が裏面についたまま、東から西へ運ばれてくためです。

東のはしから顔を出した黒点は、ほぼ13日あまり建つと西の淵につきます。

白いボールに黒点をあらわすマークをつけて、ゆっりまわしてみましょう。
指の自転とともに、黒点の見え方が、どのようにかわるかがわかります。

正面で大きく見えていても、はしのほうにまわるななめになるので小さく、ひしゃげて見えるでしょう。

黒点の一生

黒点の様子を注意して見ていると、はしにいるときは小さく正面にきたとき大きく見えるだけでなく形が、たえず変化しているのに気づきます。

小さな黒点の多くは、あらわれてから、2、3日で消えてしまいますが中には、まわりに小さな黒点がたくさんできて、ふたごの黒点群になるものもあります。

また、群れをつくる黒点の1つ1つがお互いに動いたり、1つの黒点が2つ以上の小さな黒点に分かれることもあります。

大きな複雑な形をした黒点になると2か月以上も続くことがあります。

このような場合には同じ黒点が太陽の自転によって2回も3回も、こちら側に見えたり、向こう側に隠れたりしてかくれんぼうをするわけです。



黒点のあらわれかた

黒点は、いつも同じ数だけ、太陽の表面に見えるのではなくそのあらわれかたに、おもしろい決まりがあります。

おる時期には、1つも黒点の見えない日が数週間も続きます。

それから、黒点の数はだんだん増えてきて非常に多くあらわれ、太陽の表面が染みだらけに見える年がやってきます。

その後は、また黒点のの数に減り、だいたい11年ごとに同じようなうつりかわりを繰り返します。

最近では、1954年の1~2月ごろが黒点の少ない時期で1957年の9~10月ごろかが黒点の多い時期でした。




太陽の表面はどうなっているの?光球とは? わかりやすく解説! 黒点とは?

光球

望遠鏡や、すすをつけたガラスを通して太陽を見ると白く輝く円板のように見えます。これを、光球(光のたま) といいます。

ちょっと見ると、月のようなものももなく、どこも同じように明るい球のようです。

しかし、よく注意して観察すれば全体が同じ明るさに光っているのではなくて、中心部が強く輝いてふちのほうが少し暗くなっていることに気がつくでしょう。

これは太陽の裏面が、高温(6000度くらい)のガスである証拠です。
なぜなら、固体や液体では、表面全体が同じように輝くはずだからです。

ですから、光のたまといっても、野球のボールのように硬い表面をもった球ではありません。

私たちが、太陽の表面と考えてみているのは実は、厚さ300~400キロメートルものガスの層なのです。

地球では、地面と、それをとりまいている空気とが、はっきり区別つきます。

しかし太陽では、光り輝く本体から、周りのうすいガスの層へだんだんにうつりかわっていますから、地球の地面のようにここまでが本体だという、はっきりした境はありません。


黒点

太陽の表面には暗いしみのような黒点が、ときどきあらわれます。
大きな黒点があらわれたときには、すすのついたガラスでも見ることができます。

黒点が黒く見えるのは、温度が低いからです。

しかし、温度が低いといってもそこが周りの部分にくらべて低いというだけで黒点が冷たい場所だというわけではありません。

黒点の温度は、400~500度といわれているほど、実は高温なのです。

家庭用の自熱電球が、明るく輝くのはタングステンのフィラメントが高温で熱せられて光るためですがこのフイラメソトの温度でも、せいぜい2500度くらいで黒点の温度より、はるかに低いのです。

ですから、黒点が黒く見えるのは、周りがそこよりもはるかに明るいためで実際には、電球などにより、ずっと明るく輝いているのです。

もし、大きな黒点だけを残して太陽のほかの部分を取り去ったとしても地球上は決して暗くなりません。

黒点は、満月の10倍以上も明るい光を出しまぶしくて、肉眼では、まともに見ることはできないでしょう。



白い粒

小さな望遠鏡で観察できる太陽の表面の模様は黒点だけですが、大がかりな機械を使うと、ずっと細かなものも見えてきます。

ちょっと見たところ、では白く同じような明るさに見える部分も実は小さなブツブツにおおわれているのです。

ちょうど、灰色の紙の上に白い米粒をばらまいたように小さく輝いている斑点が周りの少し暗い部分からくっきりと菅らを見せて輝いています。

このブツブツを粒状斑(白い粒)といいます。

白い粒の直径は、数百から千キロメートルほどで太陽の表面には、たえず200万もの白い粒が、あると見られています。

写真に撮ると、よくわかりますが白い粒は非常に早く変化し1つ1つは1、2分ほどしか続きません。

数分のうちに、全体の様子がすっかりかわって太陽の表面がたえず激しく荒れ狂っていることをよくしめしています。

白い粒の招待は表面の下から、たえず湧き上がってくる厚いガスの固まりだろうと考えられています。

それぞれは、太陽にくらべれば、ごく小さな塊ですがなにぶん非常に大きいので、たいへん熱を運んでいることでしょう。




太陽観察のしかたとは? わかりやすく解説!

太陽の光はたいへん強いので、直接太陽を見ると目を傷めます。

必ず石油やろうそくなどでいぶして、すすをつけたガラスとか濃い色ガラスや、まっ黒に感光させた写真の乾板などを使いましょう。

望遠鏡は、多くの光を、焦点に集めさすから、望遠鏡で直接太陽を除くと、いっぺんに目を焼きます。

そこで、対物レンズの口径をしばり、接眼レンズに濃い色ガラスなどをはめて、目を守るようにしなければいけません。


太陽を観察するには、口径3~5センチの小さな望遠鏡で、充分役立ちます。
倍率が高すぎると、太陽の表面の一部しか見えません。

全体を見るためには、40~50倍の望遠鏡がいちばんよいでしょう。
望遠鏡で観察するには、次のようにすると安全です。

まず、望遠鏡からうで木をだし、前後に動かせる板を取り付けこの板に白い紙をのせて、接眼レンズから20~30センチの距離にくるようにします。

望遠鏡を正しく太陽に向けて、接眼レンズを少し出し入れすると紙の上に、太陽の姿が、きれいにうつし出されます、

なお、紙に太陽の光が直接あたるのをふせぐために接眼レンズの筒の周りに、おおいをつけるようにします。

紙にうつった太陽の姿が大きすぎたら板の市を接眼レンズに近づけ、小さすぎたら遠くするようにします。

太陽面の小さな黒点は、紙のしみや傷と間違いやすいのですが紙を板の上で細かく動かすと区別ができます。

この方法を投影法といいますが、投影法で観察すると目を守ることもできますし、いちどに大勢で見ることができて便利です。

望遠鏡で直接太陽を見ると、肉眼で見たときと、上下左右が全く反対になります。

上が南、下が北、左が西、右が東という具合です。
太陽の姿を紙にうつしたときには、左右だけが入れ替わり上が北、下が南、左が西、右が東になります。

また、紙にうつした太陽を、紙の裏から見ると肉眼で観察したときと同じ方向になりますから黒点の動きなどを望遠鏡で観察するときには方向のとり方に注意しなければいけません。




太陽の大きさと地球からの距離とは? わかりやすく解説!

見かけの大きさ

太陽は、どのくらいの大きさに見えるでしょうか。

昔、夕日を眺めた人が「夕日は、遠くの山より大きい」というと針の穴から除いた人が「いや、針の穴より小さい」といって反対したということです。

たしかに、大きなものでも遠くからみれば小さく感じられますし、小さなものでも鼻先にぶらさげてみれば大きく見えます。

目で見て感じる大きさに、そこまでの距離によってかわってきますから「太陽にお盆ぐらいの大きさに見える」というような言い方は正しくありません。


見かけの直径

見かけの大きさは正確にいうと物の両端と目を結ぶ2直線のあいだの角度が大きいほど大きく感じられます。

そこで、太陽や月のように、まるい形の天体の見かけの大きさは天体の直径の両はしと目をむすぶ2直線のあいだの角度であらわしこれを見かけの直径(視直径)とよんでいます。

太陽の見かけの直径は、約32分です。

直径1センチの円板を、1メートル先におくとおよそ太陽と同じくらいの大きさに見えます。

このことから、太陽の実際の直径は、地球から太陽までの距離の約100分の1にあたることがわかります。

また、月の見かけの直径も32分くらいで、太陽とほとんど同じです。
このため、日食のときには、太陽がすっぽりと月に追い隠されてしまうのです。

しかし、地球から太陽までの距離は、月までの距離にくらべて400倍も遠いのですから、見かけの大きさよは同じでも実際の太陽の直径は月の直径のほぼ400倍もあることになります。

朝日と夕日の大きさ

朝、東から昇ってくる太陽や、夕方、西に沈む太陽は昼間、空高く輝く太陽より、大きいように感じられます。

しかし、これは私たちの目が誤魔化されているためでつぎの実験をすれば、昼間の太陽も夕日も見かけの直径がかわっていないことがわかります。

実験

ボール紙で、長さ50センチくらいの筒をつくります。

その一方のはしに、濃い色ガラスをはめこみ、もう一方のはしには2本の糸を筒の長さの100分の1(筒の長さが50センチなら5ミリ)だけ離して平行に張ります。

この筒を通して太陽を覗いてみると、朝日も夕日も昼間の太陽と同じように2本の糸のあいだにぴったりはさまれていて見た感じが違っても、見かけの直径は同じであることがあります。



実際の大きさ

太陽の実際の直径は139万キロメートルで、地球の直径の109倍あります。
ですから、表面積は地球の1万2000倍、体積は地球の130万倍ということになります。

もし太陽の中に地球を詰め込んだら、丸ごとが90万個隙間を詰めるために細かく砕いたのが、さらに40万個も入ることになります。

また、太陽の中心に地球を持ってくると地球をめぐる月の軌道もすっぽり含まれてしまうのですから、どんなに太陽が大きいかがわかるでしょう。

時速1000キロメートルのジェット機で休まずに飛んで地球を一巡りするには40時間ほどかかりますが、同じジェット機で太陽を一回りすると6か月もかかることになります。

太陽の重さは、地球の33万倍で太陽系の惑星全部を合わせた重さにくらべても
750倍も重いのです。

この重さを卜ンであらわすと2000000000000000000000000000トン(0が27) にもなります。

もし太陽を小さく壊して、5トン積みの大型トラックで運ぶとすると億の億倍のまた億倍、それのさらに400倍ものトラックが必要になるのです。

太陽までの距離

太陽の実際の直径は、太陽までの距離の、ほぼ100分の1であると前にいいました。
太陽の直径は139万キロメートルですから太陽までの距離は、およそ1億3900万キロメートルぐらいと見当がつくでしょう。

正確には、平均1億4960万キロメートルで地球の軌道が楕円なので、毎日少しずつかわっています。

1月には最も近く、約1億4700万キロメートル、7月には最も遠くて、約1億5200万キロメートルになります。

光は、1秒間に地球を7回半もされる速さをもっています。
しかし、このすばらしい速さの光でも太陽から地球にくるまでには8分19秒もかかるのです。

もし私たちが歩いていくとすると、休まずに歩き続けても4000年以上もかかることになります。

超特急「ひかり」号に乗っても、地球を出発してから100年近くも経たないと太陽につくことができません。

地球上でいちばん速い乗物のロケットでも(秒速10キロメートル)半年くらいかかるほど地球から太陽までは遠く離れているのです。




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