黒点の形と大きさや動きとは? 黒点のあらわれ方とは?

黒点の形と大きさ

望遠鏡で見るとふつうの黒点には、中心に真っ黒い部分(これを本影とか、暗部という)があってそのまわりを、うす暗い半影(半暗部ともいう)がとりまいています。

しかし、なかには本影だけとか、半影だけどかまた、1つの半影の中に、たくさんの本影が散らばっているという複雑な黒点もあります。

黒点には、1つだけぽつんとしているものと2つ以上の黒点がかたまって、群れをつくっているものとがあります。

黒点の群れは、東西に並んだ2つの組にわかれているのがふつうでこれらは、ふたごの黒点とよばれています。

太陽が非常に大きいので、黒点にちっぽけな染みのように見えますが実際は、ずいぶん大きなものです。

小さなものでも、直径に数百キロメートで大きな黒点になると半影の直径は数万キロメートルにもなります。

地球の直径が1万2700キロメートルなのですから黒点がどんなに大きいかがわかるでしょう。


黒点の動き

黒点を続けて観測していると、前日の位置より少しづつ西へ動いていくのがわかります。

これは、太陽が地球と同じように自転していて黒点が裏面についたまま、東から西へ運ばれてくためです。

東のはしから顔を出した黒点は、ほぼ13日あまり建つと西の淵につきます。

白いボールに黒点をあらわすマークをつけて、ゆっりまわしてみましょう。
指の自転とともに、黒点の見え方が、どのようにかわるかがわかります。

正面で大きく見えていても、はしのほうにまわるななめになるので小さく、ひしゃげて見えるでしょう。

黒点の一生

黒点の様子を注意して見ていると、はしにいるときは小さく正面にきたとき大きく見えるだけでなく形が、たえず変化しているのに気づきます。

小さな黒点の多くは、あらわれてから、2、3日で消えてしまいますが中には、まわりに小さな黒点がたくさんできて、ふたごの黒点群になるものもあります。

また、群れをつくる黒点の1つ1つがお互いに動いたり、1つの黒点が2つ以上の小さな黒点に分かれることもあります。

大きな複雑な形をした黒点になると2か月以上も続くことがあります。

このような場合には同じ黒点が太陽の自転によって2回も3回も、こちら側に見えたり、向こう側に隠れたりしてかくれんぼうをするわけです。



黒点のあらわれかた

黒点は、いつも同じ数だけ、太陽の表面に見えるのではなくそのあらわれかたに、おもしろい決まりがあります。

おる時期には、1つも黒点の見えない日が数週間も続きます。

それから、黒点の数はだんだん増えてきて非常に多くあらわれ、太陽の表面が染みだらけに見える年がやってきます。

その後は、また黒点のの数に減り、だいたい11年ごとに同じようなうつりかわりを繰り返します。

最近では、1954年の1~2月ごろが黒点の少ない時期で1957年の9~10月ごろかが黒点の多い時期でした。




太陽の表面はどうなっているの?光球とは? わかりやすく解説! 黒点とは?

光球

望遠鏡や、すすをつけたガラスを通して太陽を見ると白く輝く円板のように見えます。これを、光球(光のたま) といいます。

ちょっと見ると、月のようなものももなく、どこも同じように明るい球のようです。

しかし、よく注意して観察すれば全体が同じ明るさに光っているのではなくて、中心部が強く輝いてふちのほうが少し暗くなっていることに気がつくでしょう。

これは太陽の裏面が、高温(6000度くらい)のガスである証拠です。
なぜなら、固体や液体では、表面全体が同じように輝くはずだからです。

ですから、光のたまといっても、野球のボールのように硬い表面をもった球ではありません。

私たちが、太陽の表面と考えてみているのは実は、厚さ300~400キロメートルものガスの層なのです。

地球では、地面と、それをとりまいている空気とが、はっきり区別つきます。

しかし太陽では、光り輝く本体から、周りのうすいガスの層へだんだんにうつりかわっていますから、地球の地面のようにここまでが本体だという、はっきりした境はありません。


黒点

太陽の表面には暗いしみのような黒点が、ときどきあらわれます。
大きな黒点があらわれたときには、すすのついたガラスでも見ることができます。

黒点が黒く見えるのは、温度が低いからです。

しかし、温度が低いといってもそこが周りの部分にくらべて低いというだけで黒点が冷たい場所だというわけではありません。

黒点の温度は、400~500度といわれているほど、実は高温なのです。

家庭用の自熱電球が、明るく輝くのはタングステンのフィラメントが高温で熱せられて光るためですがこのフイラメソトの温度でも、せいぜい2500度くらいで黒点の温度より、はるかに低いのです。

ですから、黒点が黒く見えるのは、周りがそこよりもはるかに明るいためで実際には、電球などにより、ずっと明るく輝いているのです。

もし、大きな黒点だけを残して太陽のほかの部分を取り去ったとしても地球上は決して暗くなりません。

黒点は、満月の10倍以上も明るい光を出しまぶしくて、肉眼では、まともに見ることはできないでしょう。



白い粒

小さな望遠鏡で観察できる太陽の表面の模様は黒点だけですが、大がかりな機械を使うと、ずっと細かなものも見えてきます。

ちょっと見たところ、では白く同じような明るさに見える部分も実は小さなブツブツにおおわれているのです。

ちょうど、灰色の紙の上に白い米粒をばらまいたように小さく輝いている斑点が周りの少し暗い部分からくっきりと菅らを見せて輝いています。

このブツブツを粒状斑(白い粒)といいます。

白い粒の直径は、数百から千キロメートルほどで太陽の表面には、たえず200万もの白い粒が、あると見られています。

写真に撮ると、よくわかりますが白い粒は非常に早く変化し1つ1つは1、2分ほどしか続きません。

数分のうちに、全体の様子がすっかりかわって太陽の表面がたえず激しく荒れ狂っていることをよくしめしています。

白い粒の招待は表面の下から、たえず湧き上がってくる厚いガスの固まりだろうと考えられています。

それぞれは、太陽にくらべれば、ごく小さな塊ですがなにぶん非常に大きいので、たいへん熱を運んでいることでしょう。




モバイルバージョンを終了