大きくなる宇宙
小宇宙の運動の速度をはかってみると、ほとんどすべてのものが銀河から遠ざかるように動いていることがわかります。
しかも、その遠ざかる速度は、距離の違い小宇宙ほど大きくたとえば2倍の距離にある小宇宙は2倍の速度で遠ざかっていることが観測されています。
実験
ゴム風船をふくらませて、その上にいくつかの点をマジックでつけます。
そして風船をしだいにふくらませていくと点と点のあいだの距離は、しだいに離れていきます。
どれか1つの点をもとにして考えると、それから遠いものほど速い速度で遠ざかっていくのがわかります。
いま、この風船を大宇宙、点の1つ1つを小宇宙と考えれば銀河系から遠い小宇宙ほど、速い速度で遠ざかるのは宇宙が全体として大きくなっているからだということになりましょう。
宇宙のはじめ
宇宙がしだいに大きくなっているという考えかたを逆にすれば、はじめは宇宙が小さくかたまっていたということになります。
ゴム風船の実験のたとえでいえば、空気を抜いてしまったゴムのかたまりのようなものであったわけです。
宇宙が大きくなっていく割り合いは、わかっていますからそれから、逆算すると、宇宙が最初の一点にかたまっていたのはいまから、どのくらい前かということがわかります。
計算してみると、約百億年前ということになります。
これは宇宙がはじまってからの年齢といえましょう。
宇宙の果て
宇宙は大きくなっているといいますがそれならば、この宇宙には、いったい果てがあるのか、ないのか果てがあるとすれば、どんな形をしていてその大きさはどのくらいかという疑問がわいてきます。
この問題については、いろいろな説がでていますが残念ながらまだ、そのなかのどれが正しいかを観測で確かめるところまでいっていません。
ただ、いままでに観測されている最も遠い小宇宙の距離が約100億光年ですから少なくとも100億光年の彼方までは宇宙が広がっていることは確かです。