星座の起こり、起源とは? わかりやすく解説!

天文

夜空には、たくさんの星が輝いています。

どの星もぴかりと光る、小さい光の点に見えますが明るい星、暗い星、赤い星、青白い星などさまざまでまたその並びかたも、とくに、規則正しくなっているわけではありません。


ただ、ぼんやりと星空を眺めているだけではそれがなんの星か、なかなか見分けがつかないものです。

そこで、星を区別し覚えやすいようにいくつかの星をまとめて星座というものが考えだされました。

世界で古くから文化がひらけたのはアジア西部のチグリス川・ユーフラテス川流域、エジプトのナイル川流域、インドのインダス川・ガンジス川流域、中国の黄河流域の4地方です。

これらの地方では、いずれも大きな川の下流にある平野を中心にして人々はよく肥えた土地と豊かな川の水を利用して、農業にはげんで生活していたのです。

昔の人にとって、穀物の種は、いつまいたらよいかまた、いつとり入れをするかを決めることは、なかなか難しいことでした。

このためには、さまざまな方法で、「暦」というものが決められました。

これには、月の満ち欠けとか、星空の動きなど規則正しく起こるできごとが利用され、そして、かなり古くからはじめられていました。

私たちが、いま使っている星座は、いまから数千年まえチグリス川・ユーフラテス川地方にいた羊飼いたちによってはじめられたといわれます。

羊飼いたちは、夜ごとの羊の番に、空を見上げ明るい星をつないでつくった図形に、家畜や家具の姿をなぞらえました。

そしてまた、惑星の動きをもとにした星占いで、自分の未来を占いました。

惑星の通り道である、黄道付近には、12個の星座が定められ暗い星の配置も、くわしく観察していました。

バビロニア人の星の知識は、のちにこの地方に王国を築いたカルデア人の手に受け継がれました。

バビロニアでは、日食・月食・彗星のあらわれ惑星の動きなどの天体の様子をもとに、星占いで予言しました。

そして、この予言は、国の政治に取り入れられるようになり王国には多くの星占いをする人が雇われて、天体観測をしました。

いま、この地方で発掘されている、くさび形文字を刻んだ粘土板にはそのころの観測記録で星占いの予言が書いてあります。

紀元前7世紀には36個の星座ができ、獅子・乙女などいま使われているものもあらわれています。



バビロニアの天文学は、ほかの文化と同じように貿易を仕事としたフェニキア人の手でギリシアに伝えられました。

バビロニア人が星の描く図形にあてはめた人物もギリシア神話に出てくるかみや英雄にかわっています。

またギリシア人の使う器具にかたどった星座もあります。

ギリシア時代のおわりごろ、アレキサンドリアの天文学者ブトレマイオスはこれを48個の星座にまとめました。

大熊・小熊・オリオン・ヘラクレス・ペルセウス・アンドロメダなど私たちの使う星座の大部分に、このギリシア時代のものを、そのままに取り入れています。

近世に入り15世紀末になると、ヨーロッパから南アフリカをまわるインド航路アメリカ大陸の発見といったように、遠洋航海が発達しました。

それまでは、岸づたいに地図を頼りにに船をすすめましが大洋に乗り出すようになってからは、星空に頼って方角を決めていました。

こうして、航海術がすすむとともに、天文学も発達しました。
いままでヨーロッパ人の知らなかった南半球に船をすすめ新しい星があることを発見しました。

17世紀に、バイエルは、南の空に12個の星座を、新しくつくりました。
クジャク・カジキ・トビウオ・カメレオンなど珍しい熱帯動物の名前がつけられています。

また、望遠鏡が発達するにつれて、しだいに暗い星まで観測されるようになりました。
いままでの明るい星座のあいだの部分にも、小さい新しい星座が、つくられました。

ヘベリウスはキリン・トカゲ、猟犬などと動物の名をラカイユは望遠鏡・顕微鏡・時計・ポンプなどと器械の名をそのほかたくさんの天文学者が、めいめい勝手な星座をつくりました。

このため、同じ星座が、人によって違った名前で、よばれることがありました。

そこで、1922年、天文学の国際会議で、全天を線で区切りたくさんの星座を88個の星座(黄道星座12・北天星座28・南天星座48)に正式に整理されました。

これが、いま世界中で、広く使われている星座です。

星の名前

星座は、星の描く図形に、物の姿をあてはめたもので、星を覚えるのに、なによりの手がかりになります。

また日本全体をたくさんの県にわけたように、全天を88個にわけた小区分で
天体の見える位置が、どの方向かをしめすのに役立ちます。

星の名前も、この星座を使ってよばれることがあります。

とくに明るい星は、昔から多くの人に見られシリウス・アンタレス・ペガ・アルタイルなどという名前でよばれています。

それもギリシア・ローマ時代や、イスラム教がさかえた時代につけられた名前が、そのままに使われています。

これは、長い天文学の歴史をしめしているのです。

いちばんふつうに使われるのは、1つの星座の中で明るいほうからアルファ・べータ・ガンマ……とギリシア文字のアルファベットを使ってしめす方法です。

たとえばシリウスはおおいぬ座アルファ星、アルタイル(けん牛星)は、わし座アルファ星とよばれます。

光をかえる変光星、急に明るさがます新星も、その星の見える星座によって名前をつけます。

星団・星雲も、有名なものは、オリオン星雲・ヘルクレス星団などと星座名でよばれることがあります。




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