地温
夏、海水浴に行ったときに、裸足で砂浜を歩く足の裏が焼け付くように熱いことを、経験したことがあるでしょう。
夏の時間には砂の温度は、60度ちかくにまでのぼります。
またアスファルトで舗装した道路が、昼間熱くなって、やわらかくなることがあります。
これも、アスファル卜の温度が60度ちかくにのぼるからです。
砂地やアスファルト、そのほかふつうの土地の温度を、まとめて地温といいます。
地温に、深さによっていろいろ違いますがふつう地温といえば、地表面付近の温度をいいます。
地温の測り方
地温はふつうの温度計でも測れますが目もりがよみにくいのでなるべく曲管地中温度計を使います。
これは、水銀温度計をほぼ直角に折り曲げたもので球部を土の中に埋めると目もりの部分が土の上に水平になってよみとりやすいようにできています。
地面の温度を測るには曲管地中温度計の球部が、ちょうど土の中に隠れるくらいに埋めます。
そして、温度計が動かないように木か、針金で支えをつくっておきます。
深さ20センチの地中の温度をはかるには、曲管温度計の球部の中心が地面から20センチの深さになるように埋めます。
このとき、シャベルなどで、土を広く掘り起こさないで細い鉄棒などで温度計がちょうど入るくらいの穴を掘ります。
いろいろの深さの地温とその変化
芝生におおわれた地面の温度と、地面から10センチと30センチの深さの地温の1日中のかわりかたを調べてみましょう。
まず、最高と最低の温度の差は地面がいちばん大きく深さが増すにつれて小さくなっていることがわかります。
30センチの深さでは、1日中、地温はかわりません。
また、最高の温度になった時刻は地面1がいちばん早く午後1時深さ10センチのところでは午後6時、深さ30センチでは午前0時ころとなり深くなるほど、時刻が遅れます。
つぎに、1年中の変化を調べてみましょう。
つぎのページの上の表とグラフのように、いちばんかわりかたの大きいのは地面で深さが増すにつれて小さくなっています。
5メートルの深さは、地温は1年中にわかず3度しかかわっていません。
深い井戸の水の温度が、夏も冬もほとんどかわらないのは、このためです。
また、おもしろいことには地面では8月がいちばん高く1月がいちばん引くのに、地下3メートルでは10月がいちばん高く4月がいちばん低くなっています。
さらに、地下5メートルになると地面とは反対に1月がいちばん高く、7月がいちばん低くなっています。
これは太陽の光で温められた地面から、熱が地中に伝わっていくのにたいへん長い時間がかかるからです。