テレビ・ラジオや新聞の天気予報では、高気圧・低気圧や前線がどこにあるかだいたいの気圧配置をいって、それらがどう移り変わっているかを説明しています。
そして各地の今日、今晩、明日、明後日の天気・風・気温・湿度・雨量などの様子を予報します。
このほかに、その日から1週間の予報をする週刊予報と1か月、3か月などの長い期間の天気を予想する季節予報があります。
これらの天気予報は、ふつうの家庭はもちろん農業など、社会の各方面でいろいろの計画を立てたり予定を組むうえに役立つようにつくられています。
強い風や大雨などによって、大きな災害の起きそうなときには気象注意報や気象警報を出して、被害をできるだけ少なくするように呼びかけます。
気象注意報と警報
風速が毎秒10メートルを超えて、被害の起こりそうなときには、強風注意報を出します。
大雨が降って、30ミリから50ミリくらいの雨量があると予想されるときには大雨注意報を出します。
また、湿度がたいへん低くなりそうなときには、異常乾燥注意報を出します。
大気中の湿度は、ふつう、50パーセントから60パーセントくらいですがときには空気が乾いて、湿度30から20パーセント以下になることがあります。
このようなときには、火事が起こりやすくいっぱんの人に火の用心をするように、呼びかけるのです。
このほかに、風雨注忿報・風雪注意報・大雪注意報・霜注意報・濃霧注意報などがあります。
台風が近づいて、風や雨がものすごく強くなり木や塀が倒れたり、洪水になって大きな災害が起こりそうなときには、暴風雨警報をだします。
とくに、台戦が日本に近づいて来たときには台風の進む方向や暴風の範囲など、つぎつぎとかわる様子を説明する、台風情報を発表します。
このほか大雨警報・大雪警報・暴風警報があります。
これらの気象警報が発表されると、私たちの学校は特別に休校になったり、安全なところに避難したりすることがあります。
とくに、つぎのことは、ぜひ守りましょう。
- 外出や旅行は止めること。登山・海水浴は、絶対にしないこと
- ラジオやテレビの天気予報や気象情報をよく聞いて台風がどこにあるかを正しく知ること
- 停電や断水になることがあるから、懐中電灯・ろうそく・飲み水などの用意をしておくこと
- 警察署や消防署からの避難命令などをよく聞くこと
高潮警報
強い低気圧や台風が上陸すると、高潮が起こるころがあります。
1959年9月の伊勢湾台風のときには海の波が4メートル以上の高さで名古屋市付近の海岸を襲いました。
このため、大災害が起こって、大勢の人が死にました。
このようなことが予想されるときには、高潮注意報や高潮警報や発表します。
洪水警報
梅雨前線や台風のために、大雨が降って、洪水になりそうなときには洪水警報を出します。
1日に100ミリ以上の大雨が降ると低い水はけの悪いところは水がたまりたいがいの川は、洪水が起こる危険があります。
山地では、1日に200ミり以上の大雨か降ると、山崩れの危険があります。
利根川など、洪水をお越しやすい川ではとくに、気象台と建設省とが力をあわせて、洪水警報を出す仕事をしています。
洪水警報が出ると、人々は力をあわせ、堤防の弱いところに土のうを積み排水がポンプを用意し、また、ダムの水を調節して洪水にならないようにします。
火災警報
空気が乾き、風が強くなると大火事の心配があります。
湿度が40パーセントより低く、風速が10メートル以上になると気象台から、そのときの気象の様子を消防署に知らせます。
消防署は、その知らせによって火災警報を出し人々に火の用心をするように呼びかけるのです。
津波警報
地震が起こると、各地の気象台や測侯所は地震観測の結果を、すぐ電報で気象庁観測部へ報告します。
気象庁観測部は、それによって、地震の起こった位置・深さ・地震の大きさ・各地の地震の揺れ具合を発表します。
また、津波が襲ってくる心配のあるときには、津波警報を出します。
津波警報は、津波の来そうな沿岸と予想される津波の高さを知らせ、人々に強く注意します。
津波警報は、警察・電電公社・放送局・海上保安庁・国鉄などの電話やラジオを通して市町村役場所や船、いっぱんの人々に知らされます。
この津波警報に、地震が起こってから、20分以内に気象庁から発表するようになっています。
気象資料の統計や調査
気象庁では、各地の気象台や測候所から、月ごとにまとめて送ってくる観測資料や災害調査報告をもとにして、いろいろの統計や調査報告をつくります。
これらは、農業や工業など、たくさんの産業社会のいろいろな方面に役立つことはもちろん、また、学問の研究のもとにもなります。