雪が美しい結晶でできていることは、ほぼ400年も前からわかっていました。
しかし、そのころは、どうして雪の結晶ができるかは、あまりよく知られていませんでした。
日本の中谷宇吉郎博士に、実験室でいろいろの雪の結晶をつくることに成功し
雪の研究は大いにすすんできました。
雪の結晶の調べかた
黒い紙か、布切れを出して、降ってくる雪を受けてみましょう。
手で触ったり、息をふきかけたりすると、消えてしまうので注意してみるとちょうど、白砂糖を見るように、雪の結晶を見ることができます。
虫眼鏡で見ると、なおくわしくわかります。
雪の結晶のいろいろ
雪の結晶が、美しい六角の花のような形をしていることはよく知られています。
雪の結晶には、このほか、いろいろな形があります。
その形から、針状結晶・板状結晶・柱状結晶・樹技状結晶・不定形などいろいろな名前がつけられています。
これらの結晶は、それぞれ単独に振ってくることもありますがふつう、いろいろ組み合わさっている場合が多いのです。
このように、結晶の形が違うのは、雪を生じだ雲の水蒸気の量と温度と違うからです。
雪のできかた
水蒸気をたくさんふくんだ空気が上昇すると温度が下がるだめその空気の水蒸気の量が、飽和にたっし、雲ができます。
さらに温度が下がると雲をつくっている水粒が過冷却の状態になりその過冷却の水粒や、小さな粒を核として氷晶ができます。
氷晶ができると雨のできかたと同じように水晶がだんだん大きくなり落ちる途中、まわりの水粒とくっつきながら結晶は大きくなっていきます。
この結晶が溶けることなく地上に振ってきたものが雪です。
雪が降っているときの地面の近くの気温が、だいたい2、3度以下です。
気温が0度より高いときには振ってくる雪は、溶けてしまいそうに思えます。
しかし、雪のできる空の高いところでは、0度よりも、ずっと低い温度です。
したがって、地面の近くだけが、0度より少し高くても溶けてしまわないで、雪として降ってくるのです。
ときには、雪と雨が混じって降ることもあります。これがみぞれです。
冬のはじめや冬の終わりごろ、雨が降りだす前に、みぞれが降ってくることがよくあります。
最近は、人工雪の研究の進歩により、雪の結晶の形から雪ができた雲の状態を知ることができるようになりました。
人工雪
人工雪をつくる装置は、図のように、上のほうにはうさぎの毛を垂らしておき
下のほうには、水をおいてその水を温めながら、水蒸気が常に補われるようになっています。
この装置を低温の室内におきます。
はじめに、水蒸気がうさぎ毛の上に小さな結晶となってつきそれがだんだん大きくなって雪の結晶となります。