セメントの種類・原料とは? セメントの性質とは? わかりやすく解説!

セメントの種類

セメントとは、広い意味では、セッコウ・しっくい・水ガラスなどをふくみ非常に種類が多いのですが、ふつうはポルトランドセメントをさします。

そこで、ここではボルトランドセメソトについて調べることにします。

ポルトランドセメントの原料

セメントの原料には、つぎの5つがあります。

① 石灰質原料 もっともふつうに使われるのは、石灰石です。
この石灰石にふくまれている、アルミニウムや酸化鉄などの不純物はつぎにのべるように原料の一種になりますから、とりのぞく必要はありません。

② アルミニウム原料 粘土がもっともふつうの原料です。
粘土には、アルミニウムばかりでなく、二酸化ケイ素・酸化鉄などもふくまれているので、セメントに必要な原料を、いちどに3つも供給することができるわけです。

③ 二酸化ケイ素原料 粘土にふくまれている二酸化ケイ素だけでは足りないのでケイ砂やケイ石などを使います。

④ 酸化鉄原料 粘土や石灰石にふくまれている酸化鉄だけでは足りないので砂鉄や黄鉄鉱を焼いたものなど、鉄分の多いものが使われます。

⑤ セッコウ まえの4つの原料だけでは、セメントが早くかたまりすぎるのでそれをふせぐためにセッコウをくわえます。

天然に産出するセッコウのほかに、ほかの工業で副産物としてできる硫酸カルシウムも使われています。


ポルトランドセメントの製造

セメン卜の製造法は、原料を混合するときに水をくわえるかどうかで乾式法と湿式法に分けることができます。

①乾式法 まず、原料を粗く砕き、乾燥させて適当な割合にまぜます。

この割合が非常に大切で、これが違うとできたセメントの性質も非常に違ってきます。

つぎに、まぜあわせた原料を粉砕機で細かく砕いて粉末にします。
この粉末を回転炉に入れて熱します。

原料はこの回転炉のいっぽうから他のはしにいくまでに約1400℃ぐらいに熱せられ、大豆か梅干しぐらいの大きさの焼けた固まりになります。

これを、クリンカーといいます。

できたクリンカーは冷却室で冷やし、3パーセント以下のセッコウをくわえてふたたび粉砕機でくだき、細かい粉とします。

この粉末が、ポルトランドセメントです。

②湿式法 乾式法では、原料をよく乾燥させますが湿式法では、原料に水をくわえて砕き、どろどろにしてまぜあわせます。

つぎに、調合がよくできているかどうかを確かめてポンプで回転炉に入れます。
回転炉の中では、原料がまず乾燥されあとは、乾式法と同じようにして、セメントができます。

湿式法では、製品の品質が均一なことや、グリンカーが柔らかく砕きやすいこと
粉末が飛びちらないことなどが有利な点てすが回転炉の中で乾燥するために、燃料がたくさんいるという欠点があります。

ポルトランドセメントの性質

ポルトランドセメントは、比重3.1~3.2ぐらいの青っぽい灰色の粉末です。
成分はふつう酸化カルシウム63~66パーセント、二酸化ケイ素20~24パーセント酸化アルミニウム4~6パーセント、酸化第二鉄0~5パーセント、酸化マグネシウム1~2パーセント、三酸化イオウ1~3パーセントなどです。

セメントに水をくわえてこね、しばらくおくと固まります。

これをセメントの硬化といいます。硬化がなぜおこるかはくわしくわかっていませんが、つぎのように考えられています。

セメントに水をくわえると、セメントの成分が加水分解をおこします。
できた物質は、はじめはコロイド状になっていますが、しだいに結晶をつくります。
いっぽう、加水分解のとき、水酸化カルシウムができますがこれが空気中の二酸化炭素を吸って、炭酸カルシウムになります。

この2つの理由で、セメントが固まるというのです。




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