原子のつくリ
原子はこのように小さいものですから、原子が考えだされたころにはただ、丸くて固い玉のようなものだと想像するだけでした。
その後、研究が進むにつれて原子のつくりもはっきりしてきました。
1913年に、デンマークの物理学者のボーアは「原子は、重くて小さい原子核の周りを電子がとりまいているものだ」ということを明らかにしました。
原子核とは、原子の中心にあって原子の直径の10万分の1ほどの大きさのもので陽電気をもった部分です。
また、電子は、陰電気をもちその1個の重さは水素原子の1837分の1です。
原子の中にふくまれる電子の数は元素の種類によって決まっています。
原子が結びついたり離れりして化学変化がおこるときには電子が非常に大切なはたらきをしています。
原子核は原子の中心にあって形は玉のようなものと考えられます。
しかし、電子はちょうど太陽の周りをまわる地球のように丸いということもできますし原子核をとりまいている雲のようなものということもできます。
わかりにくい形でしょうがこのわかりにくいのが、電子の形の特徴なのです。
今、水素の原子核を東京にある直径1メートルのアドバルーンとするなら水素の原子は、ピンポン玉ぐらいの電子が茅ヶ崎・青梅などを結ぶ円周上をまわっている形であるということができます。
原子核
原子核には、その原子がもつ電子の数と同じ数の陽子とよばれる粒といくつかの中性子とがしっかり結びついて含まれています。
陽子と中性子とは、重さは同じですが陽子が陽電気をもっているのに対し中性子は電気をもっていません。
陽子や中性子の重さは1グラムの1兆分の1を、さらに1兆分の1にしたぐらいで電子の重さの1836倍にあたります。
原子核にふくまれる陽子の数を原子番号といいます。
原子番号は、原子核がどの元素のものかを決めるのに大切な数です。
つまり、元素にはすべて原子番号がつけてありどの原子核も、陽子の数がわかればどの元素に属するかがわかるのです。
例えば、陽子8つをふくむ原子核は原子番号8の酸素の原子核です。
また逆に、水素の原子番号は1ですから水素の原子核にふくまれる陽子の数は1だということもわかります。
電気を帯びていない原子では原子核にふくまれる陽子の数と原子核をまわっている電子の数とが等しくて原子全体としては、陽電気と陰電気とが消し合っていることになっています。
陽子の数と電子の数が等しくないときはその原子全体が電気を帯びることになります。
これがイオンです。