石油化学工業とは? わかりやすく解説!

原油からガソリンそのほかの燃料や機械油をつくるのが石油工業(または石油精製工業)です。
これにたいして、石油や天然ガスの成分から、いろいろな化学製品をつくりだす工業を石油化学工業と名づけ、その製品を、石油化学製品といいます。


石油化学工業は、石油工業からでる副産物を利用しようとしてはじめられましたがしだいに発達して、肥料・合成樹脂・合成ゴム・合成繊維・合成洗剤などほとんどすべての化学製品がつくりだせるようになりました。

石炭やカーバイド、さらに農産物・水産物などからつくられていた化学製品でも石油を原料にしたほうが安く、そのうえ多量につくれるようなものはだんだん石油からつくられるようになりました。

石油化学工業は、アメリカでは1920年ころからはじめられ1950年ころから急に発達しました。原料はおもに天然ガスです。

日本では1955年ころからはじめられましたが発達のスピードが早く、当時、生産高は世界2、3番めになっています。

原料はおもにナフサです。
石油化学製品を分けてしめすと、およそつぎのようになります。

・石油や天然ガスから水素をつくり、それから合成するもの

アンモニア・硫酸アンモニウム・ユリア樹脂・メチルアルコール・ホルムアルデヒド。

・メタンからの合成品

青酸・アセチレン・クロロホルム・四塩化炭素。

・エチレンからの合成品

ポリエチレン・塩化ビニル・エチレンオキシド・グリコール・アセトアルデヒド・エチルアルコール・酢酸・四エチル鉛・スチレン。

・プロピレンからの合成品

ポリプロピレン・塩化アリル・アリルアルコール・アセトン・グリセリン・プロピレングリコール・アクリロニトリル・合成洗剤・合成ゴム。

・ブチレンからの合成品

メチルエチルケトン・ブチルアルコール・ポリブテン・ブチルゴム。

・ブタジエンからの合成品

合成ゴム(SBR・NR・ステレオゴムなど)・ナイロン原料。

・イソブチレン・イソアミレンなどからイソプレンをへての合成品

合成ゴム

・石油芳香族からの合成品

(ベンゼン系)フェノール・スチレン・ナイロン原料、染料や火薬の原料、DDT、BHC、合成洗剤など。(トルエン系)火薬・安息香酸・テトロン原料・クレゾールなど。

(キシレン系)無水フクル酸・イソフタル酸・テレフタル酸・テトロン原料・エチルベンゼンなど。

・その他

ナフタリンーパラフィンロウからのたんぱく質飼料・硫黄・硫酸など。



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