金と銀の性質と用途とは? わかりやすく解説!

金の性質

金は、非常に安定した元素なので、ほかの元素とあまり反応しません。
したがって、天然にも、自然金として単体のまま存在しています。


金と他の鉱物の比重の違いを利用して、水中でとり分ける方法と金をふくむ鉱石を細かい粉にして、水銀とふれさせ金と水銀とを反応させてとり分ける方法とがあります。

金と水銀の合金を、金アマルガムといいますがこれを熱すると、水銀だけが蒸発して金があとに残ります。

金は黄色のつやをもつ金属です。
また、展性・延性は非常に大きく、ふつうの金箔は、厚さが1万分の1ミリです。

また、1グラムの金を細く引きのばすと、3000メートルにもなります。

金は、空気中でも水中でも変化せず、そうとうに強い酸化剤を使っても酸化されません。しかし、王水には溶けて、塩化金酸となります。

塩素・臭素とは直接化合しますが、酸素・硫黄などとは、作用しません。

金の用途

金は、美しいつやを持つうえ、ふつうではほとんど変化しないのでいろいろな装飾品をつくるのに使われます。

また金は、非常に柔らかいので、金箔や金粉・金線のほかはほとんど合金にしてから使われます。

金の合金には、おもに銅を使います。
金の合金の品質をしめすために、合金の中にふくまれる金の量をカラッ卜または金という単位であらわしています。

1カラッ卜や一金は、合金中に、純金の量が24分の1ふくまれるということです。

18カラッ卜または18金というのは、24分の18だけが純金であることをしめします。
ふつう使われている装飾などは18金のものが多く万年筆のペン先に使われているのは14金のものがほとんどです。


銀の性質

銀は、金と同じように、自然銀として産出することもありますが輝銀鉱・輝銅銀鉱などの鉱石としても産出します。

そのほか、粗銅を精製するとき、陽極の下にたまる陽極泥の中からも多量の銀がとりだされます。

銀は、銀白色のつやをもつ金属で、金属のうちでもっとも電気と熱をよくみちびきます。

また、展性や延性もわりあいに大きい性質をもっています。

銀はわりあいに安定した金属で高温に熱しても、酸素とは直接に化合しません。
しかし塩素とはそのまま反応して、塩化銀を生じます。

同じように、臭素やヨウ素とも反応し、それぞれ、臭化銀・ヨウ化銀を生じます。
またイオウや硫化水素とも反応して硫化銀を生じます。
熱濃硫酸と激しく反応し、二酸化硫黄を発生して硫酸銀をつくります。

しかし、希硫酸とは反応しません。
塩酸とは常温では反応しませんが、銀を赤熱すると、塩化銀を生じます。

また、硝酸とはよく反応し、硝酸銀となります。

銀めっき

いろいろな金属に銀をめっきすると、美しい銀色のつやをもつようになりまた、さびにくくなります。

銀めっき液は、硝酸銀とシアン化カリウムとでつくります。
まず、硝酸銀を水に溶かし、つぎにこの液にシアン化カリウムを溶かします。

すると、シアン化銀の沈殿ができます。
さらに、シアン化カリウムをくわえると、シアン化銀は銀シアン化カリウムとなって溶けます。

これが銀めっき液です。めっきをかけようとする金属をよくみがきめっき液につるし、陰極につなぎます。

陽極には銀板をつるし、電気を通します。
しばらくすると、金属の表面が銀色になってきます。

はじめは、あまりつやがありませんが、引きあげてみがくと美しいつやがでてきます。

銀の用途

銀は展性や延性が大きいので金と同じようにうすい箔や、針金として使います。
銀は銅より電気をよく導くので精密な電気測定器具に、よく使われます。

また、銀は、さびにくく、美しいつやがあるので装飾品や食器とくに合金として、さじ・フォーク・ナイフ・杯などに使われます。
銀貨としても、昔から用いられています。

そのほか、銀めっきに使われたり、鏡・写真などに利用されます。




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