ネオンサインと蛍光灯のしくみとは?真空放電とは?

真空放電

非常にうすい気体の中に電流を流すことを真空放電と言います。
真空放電が、ファラデーがはじめて注目したものです。

その後、1859年にはガイスラーが水銀柱にして圧力数ミリ程度の空気をふくんだ細長いガラス管をつくりました。

この電極の間に高い電圧をかけると管内の空気を通して電気が流れ、管は美しい色に光りました。
このような圧力の低いい空気の中での放電管は、ガイスラー管と言います。


その後、クルックスが、管内の気体の圧力を水銀柱で0.1ミリ以下に下げることに成功しました。これをクルックス管と言います。

クルックス管を放電させると管の中は光りませんが陰極とむきあうガラス管の壁が、蛍光現象で光りはじめます。

これは、陰極からガラスにむかってマイナスの電気をもった小さい粒が飛んでゆくためであることがわかりこのほか、電子と反対に、プラスの電気をもち電子の数千倍も多い粒が陽極から陰極にむかって飛んでゆくこともわかりました。

そして、これにふつうの分子や原子から1個あるいは数個の電子が失われた残りであって、それは陽イオンとよばれるようになりました。

このように、原子はさらに分解され電子のような丸ごと小さな粒があることがわかったことはその後の物理学の理論を大いに発展させる原因となりました。

真空放電は20世紀の物理学の開拓者だったと言えるでしょう。

ネオンサイン

ガイスラー管の中に、空気のかわりにいろいろな気体を入れると、それぞれの気体特有の色に光りだします。

これを、ネオン管灯または、ネオンサインとよびます。
これは、広告などに広く利用されています。

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このネオン管灯は、はじめはネオンガスを入れたものがつくられたためネオン管灯とよばれましたが、今では表のように、さまざまな気体を入れてさまざまの美しい色を出しています。

ふつうの電球は、電流を熱にかえこの熱がフィラメントを高温に熱するから、光がでるのです。

しかし、真空放電灯では管内に入れたうすいガスの原子・分子に電気(正しくは電気を帯びた粒)が、直接にはたらいいて光を出すしくみですからほとんど無駄な熱がでることはありません。

しかし、このネオン管灯に電気を流すには高い電圧を必要としますから、家庭用の照明にはむきません。



蛍光灯

ネオン管灯を改良して、100ボルトの電圧で放電させ明るい光を出すように工夫したものが、蛍光灯です。

蛍光灯では、管の内側に、蛍光物質とよばれる、さまざまな化合物がぬってあります。
蛍光物質とは、紫外線やX線のように、目に見えない短い波長の光をあてるとその間だけ目に見える長い波長の光を発するものです。

この管の中には、ごく少量の水銀蒸気が入れてあります。
水銀蒸気の圧力は水銀柱で0.1ミリ以下におさえられています。

管の両はしには、二重コイルにしたタングステンフィラメントがあり電極になっていますが、そのまえには、このフィラメントを守る役目をする電極があります。

蛍光灯をつけるためには、ふつう点燈管燈を使います。

スイッチを入れると、はじめ点燈管がつくとともにフィラメントにはたくさんの電流が流れ、充分に熱せられます。
やがて点燈管が自然に消えると、蛍光灯の2つの極の間に放電がはじまります。

こうして管内の低い圧力の水銀蒸気の中で放電がおこるとこの水銀蒸気からはたくさんの紫外線がでます。

その紫外線が管の内側にぬった蛍光物質にはたらいて、明るい光がでるのです。
もちろん、いろいろな蛍光物質をうまく組みあわすと、いろいろな色の光がえられますが。

いっぱんの照明用には、太陽の光に近いものがでるように、工夫されています。

蛍光灯は熱をあまり出さない電灯ですから、電気の無駄がありません。
四畳半なら20ワット1本、八畳では20ワットを2本使えば十分です。

ですから、電力は白熱電球の3分の1くらいですみますし電灯のもちもよいので、経済的ですが、値段の高いことが欠点です。

なお、ふつうの蛍光灯は細長くて場所を取りますので最近では細長い管をまるく曲げた、円形の蛍光灯も、広く使われています。




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