台風の名前の付け方とは? 台風の来る季節と道筋・形とは?

気象

台風の名前

何年何月何日の台風というかわりに、台風に名前をつけておくと便利です。

第二次世界大戦の終わりごろまで、日本では大きな災害を起こした台風にだけ、名前をつけていました。

たとえば、1934年9月21日に、四国の室戸岬に上陸し大阪に大きな高潮の被害をもたらした台風には室戸台風という名前がついています。

戦後は1つ1つの台風にアメリカの女の人の名前をつけることにしました。

たとえば1947年9月に、関東地方に大洪水を起こした台風にはカスリーン台風という名前がついています。

名前をつけるときには、はじめからABCの順に名前を決めておいて台風ができると、それに順々に名前をつけていくのです。

しかし、人の名前の数は、そうたくさんはありません。
何年かすると、また同じ名前をつけるようになって、不便なことが起こります。
それで日本では、1953年のときから、番号をつけることにしました。

たとえば1954年9月26日に、函館で洞爺丸など数隻の船を沈めた台風はその年の15番目の台風ですから、1954年の15号台風というわけです。

とくに、被害が大きかった場合には、番号のほかに名前をつけることがあります。
1959年9月26日、中部地方を襲った台風は、伊勢湾で大きな高潮を起こしたくさんの死者や大きな被害をあたえました。

そこで、1959年の15号台風であるこの台風には別に伊勢湾台風という名前もつけられています。


台風の進む道

台風は南洋で生まれてから、少なくとも数日のあいだは西または西北西にむかって進みます。
このあいだの速度はわりあい遅く、1時間に20~30キロメートル1日に500~700キロメートル進みます。

たくさんできる台風のうち、全体の約4分の1は、そのま真西または西北西に進んでフィリピンや中国大陸南都のほうに行ってしまいます。

このような台風は、まず、日本へは来ません。

はじめ、西または西北西に向かって進んでいた台風か途中で北西のほうに向きをかえ、さらに北または北東に向きをかえて東シナ海や沖縄、あるいは日本のほうにくることがあります。

台風は、向きをかえた後は、進む速さが速くなります。

ふつう1時間に40~50キロメートル、ときには80キロメートルぐらいの速い速度です。

台風の進む道は、かんたんな形をしているものと、曲がりくねった込み入った形のものとがあります。

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また、月によって、かなり違った道を通ります。
前ページの上の図は、1967年に起こった台風のうち、日本付近を通過した台風の道筋です。

台風は、●印のところで発生して矢印をつけた方向に進んでいったものです。
図の中には、ずいぶん、曲がりくねった進み方をした台風のあることがわかりますすが中には、もっとかわった進みかたをする台風もあります。

このようなときには、気象台でも台風の予報をするのに、たいへん苦労します。

台風が日本に上陸したり、日本のすぐ近くを通る月は、主に8月と9月です。
7月や10月に日本に近づくものも、少しはあります。

12月から5月までは、日本に近づくものはないと考えてよいでしょう。



台風の来る季節

台風は、なぜ8月や9月に、日本に来ることが多いのでしょう。
日本の南の海上には、太平洋の高気圧ががんばっています。

台風は、この太平洋の高気圧のふちにそって進みます。
高気圧の南側では、海面からかなりの上空まで東よりの風(これを偏東風という)が吹いています。

台風は、この風によって、西のほうに向かって流されます。
この高気圧が中国大陸のほうまで広がっていると台風はそのまま西のほうに行ってしまって、日本に流行ってきません。

高気圧の西のはしが、琉球諸島あたりにあるときには台風は琉球付近から、だんだんと向きをかえて、北または北東に進むようになります。

小笠原高気圧の北側では、西よりの風(偏西風)が吹いていて、台風は東に流されるのです。
このようなとき、台風は日本に近づきやすいことになります。

高気圧の西のはしが、日本の南東まで退いているときは台風は日本へこないで、日本の東の洋上に行ってしまいます。

10月ごろになると、このような場合が多くなります。

二百十日

二百十日というのは、立春から数えて210日目にあたる日で、9月の1日か2日になっています。
むかしから、この日は暴風雨が起こる厄日だと言い伝えられてきました。

台風が日本に来るのは、9月のはじめだけとは限りません。
最近の3、40年のあいだに9月1日に台風が上陸したのは1938年と1949年の2回しかありません。

このころは、ちょうど稲の花が咲くころですから台風にやってこられてはたいへんだということでとくに警戒するようになったものと思われます。

台風の形

台風は、真上から見ると、まるい形をした渦巻きになっています。
その直径は、ふつう1000キロメートルぐらいで、小さいものでは500キロメートル
大きいものでは1500キロメートルもあります。

しかし、まめ台風といって直径が200~300キロメートルぐらいしかないような小さいものもあります。

台風の背の高さは、発達した台風でも20キロメートルくらいですから全体としては、レコードか、せんべいのように平たい形をしています。

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いま、台風の中心を通って、垂直に切ってみると中心のまわりの雲や気流の様子は上の図のようになっています。

中心付近の雲のないところは、台風の目です。

目の大きさは、台風によってかなり違いがあり、1つの台風でもかわっていくものですがふつうは直径20~30キロメートルぐらいです。

形は、ふつう円形ですが、楕円形によっていることもあります。




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