原子・原子核の組み立てとは?自然放射能とは?

力の利用

原子の組み立て

地球上のあらゆる物質は、水素・酸素・炭素などのようないろいろな元素がむすびついてできたものです。
これらの元素には、その元素固有の原子があります。

そして、すべての原子は、中心に1つの重い原子核がありそのまわりをいくつかの軽い電子が、ぐるぐるとまわっている仕掛けになっています。

原子の直径の大きさは、約1億分の1センチぐらいですが電子や原子核の大きさは、原子の大きさの1万分の1ぐらいの大きさです。

たとえば、直径が10メートルの球を1つの原子とすると原子核や電子の大きさは、直径が1ミリくらいの小さな粒にあたります。

原子の中は隙間だらけで、ほとんど空っぽだといってもよいほどです。

原子核は+(正)の電気をもち電子は-(負)の電気をもっているので互いに引きあっています。

電子が、この引力で、原子核に引き寄せられないのは、電子が原子核のまわりをぐるぐるとまわっていて、引力と遠心力とが、うまくつりあっているからです。

原子の組み立ては、太陽系によく似ています。

太陽系では、万有引力、すなわち、物体と物体との間の引力で太陽が、水星や地球などの惑星をひいていますが原子核が電子をひく力は、+と-の電気のあいだの引力であるという点が違っています。

水素や酸素など、いろいろな元素の原子が違うのは外をまわっている電子の数と原子核のしくみが、それぞれ違うからです。


原子核の組み立て

原子核のうちで、水素の原子核が、いちばんかんたんでこれを、とくに陽子(プロトン)と言います。

陽子は、電子と同じ量の、+の電気をもっています。

また、この陽子とほとんど同じ質量をもっていて電気をもたない粒子を中性子(ニュートロン)と言います。

そして、原子核は、この陽子と中性子が集まってできています。

たとえば、水素には、質量数が、1と2と3の同位元素があります。
質量数2の水素は、重水素とよばれ、陽子と中性子が1つずつむすびついてできています。

また、質量数3の水素は三重水素とよばれ陽子1つと中性子2つとがむすびついています。

すべての原子は、原子番号だけの電子をもっています。

たとえば、水素原子は、原子番号が1だから電子を1個、ヘリウム原子は2個、ウラン原子は92個もっています。

ふつうの原子は、電気をもたないようになっているので原子核の中には原子番号と同じ数の陽子があって電子の-の電気を中和していると考えられます。

たとえば、質量数が238のウラン原子は原子番号が92ですから238-92=146となり、146個の中性子をもっています。

ですから、質量数が、238のウラン原子は中心に92個の陽子と146個の中性子とが集まった原子核があってそのまわりを92個の電子が、いろいろの軌道を描いてまわっていることになります。

原子核のまわりを、ぐるぐるまわっている電子はそのエネルギーの一部を、電磁波として、放出することがあります。

これが光やX線です。



自然放射能

水素と酸素が化合すると水になり、水を電気分解すると、また、水素と酸素になります。
しかし、原子核は、少しも変化しません。

ですから、むかしは原子は、永久に壊れないものだと考えられていました。

ところが、1896年にフランスのベクレルという学者がウランから正体のわからない放射線が、自然に出ていることを発見しました。

これを自然放射能と言います。

この現象は、有名なフランスのキュリー夫妻、その他の学者によって研究されこの放射線には、アルファ(α)線・ベータ(β)線・ガンマ(γ)線の3種類があることがわかりました。

原子核がアルファ線やベータ線を出すと、ほかの元素の原子になります。
放射線を自然に出す元素は、自然放射性元素とよばれています。




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