魚の泳ぎ方
多くの魚は、ひれや体を動かして泳ぎますが、速く泳ぐときには尾を左右に激しく動かして、水をうって進みます。
尾の動きとともに、体も曲げます。
背びれ・胸びれ・腹びれ・尻びれなどは、泳いでいるときに体が揺れるのをふせぐはたらきをします。
魚のなかには、カワハギのように背びれや尻びれを波のように動かして泳ぐものもありますが、はやくは泳げません。
金魚は、静かに泳いでいるときには、胸びれだけを動かしています。
また、ウナギは長い体の一部分を左に、一部分を右にというように波のように動かして水をうち、前進します。
卜ビウオは、大きな胸びれをもっていますが敵に襲われたりして危険なときには、水中を激しく泳いで水面に飛出し、胸びれを空中に広げて滑空します。
水中での姿勢
魚が水の中でとる姿勢は、いつも背を上にしていますが、これには体のつりあいをとる器官だけでなく目による視覚もいっしょにはたらいています。
目によって、光のくる方向がわかりますが魚は光のくる方向に背を向けるような行動をとります。
いま、魚に横から光をあてると、光にせをむけようとするはたらきと重力に対して背を上にしようとするはたらきとが重なり合うため魚はななめの姿勢をとります。
耳の中の三半規管を取り除いた、重力に対する反応をなくしてしまうと、魚は横からあてた光に反応して真横になってしまい真下からあてた光に対しては、逆さまの姿勢をとります。
魚の移住
多くの魚は、川や海のだいたい決まった場所に住んでいますが住む場所を川と海とに定期的にかえる魚もいます。
サケやウナギがこの例です。
ウナギは海の深いところで生まれ、大きくなりながら陸地にむかい海流にのってゆっくり漂ってきます。
浅い海につくと、海水が海岸からひくときには海底か砂の中にじっとしていて潮が満ちてくると海面に出て海水にのって海岸まで運ばれるようにします。
これを繰り返して、海岸の川口につくと活発におよいで川を遡り上流にいって住みます。
ウナギは、川口についたとき、川に溶けているなにかのにおいで川を遡る行動を起こすと考えられています。
川や湖で成長したウナギは、たまごを生むために、まえにのぼってきた道を逆にたどって川を下ります。
秋の暗い夜に下りはじめますが、水の温度や光の強さなどによって川を下る行動をおこすと考えられています。
トゲウオの争い
トゲウオは、春になるとおすの体に色が出てきてきれいになり、ことに腹が赤くなります。
めすは、この時期にたまごを生みます。
めすは、おすにおわれて巣の中に入ります。
おすがめすの尻のあたりを口でつつきますと、めすは巣の中にたまごを生みます。
棒を使ってめすをつついてみると、やはりたまごを生みます。
したがって、めすはただつつかれた刺激によってたまごを生むということがわかります。
このころ、おすはほかのおすと互いに争いを繰り返します。
そこで、形がトゲウオにそっくりで色をつけていない模型をつくり、おすに見せると、これに対して、おすは争う反応をしめしません。
別の模型をつくり、こんどは腹の部分を赤くしておくと形はあまり似ていなくても、おすはこの模型にむかってきて争う行動をとります。
これによって、トゲウオのおすは、腹の赤い色でおすを見分けお互いに争うということがわかります。
魚の学習
池にいる魚にえさをやるとき手をボンボン叩いただけで魚がよってくることがあります。
魚をめくらにしておき、これにえさをやるときに、まず音を出して、そのあとにえさをやるようにします。
これを何回も繰り返していると、めくらの魚は音を聞いただけで集まってくるようになります。
フナでは9~15回で、この反応ができあがります。