見かけの大きさ
太陽は、どのくらいの大きさに見えるでしょうか。
昔、夕日を眺めた人が「夕日は、遠くの山より大きい」というと針の穴から除いた人が「いや、針の穴より小さい」といって反対したということです。
たしかに、大きなものでも遠くからみれば小さく感じられますし、小さなものでも鼻先にぶらさげてみれば大きく見えます。
目で見て感じる大きさに、そこまでの距離によってかわってきますから「太陽にお盆ぐらいの大きさに見える」というような言い方は正しくありません。
見かけの直径
見かけの大きさは正確にいうと物の両端と目を結ぶ2直線のあいだの角度が大きいほど大きく感じられます。
そこで、太陽や月のように、まるい形の天体の見かけの大きさは天体の直径の両はしと目をむすぶ2直線のあいだの角度であらわしこれを見かけの直径(視直径)とよんでいます。
太陽の見かけの直径は、約32分です。
直径1センチの円板を、1メートル先におくとおよそ太陽と同じくらいの大きさに見えます。
このことから、太陽の実際の直径は、地球から太陽までの距離の約100分の1にあたることがわかります。
また、月の見かけの直径も32分くらいで、太陽とほとんど同じです。
このため、日食のときには、太陽がすっぽりと月に追い隠されてしまうのです。
しかし、地球から太陽までの距離は、月までの距離にくらべて400倍も遠いのですから、見かけの大きさよは同じでも実際の太陽の直径は月の直径のほぼ400倍もあることになります。
朝日と夕日の大きさ
朝、東から昇ってくる太陽や、夕方、西に沈む太陽は昼間、空高く輝く太陽より、大きいように感じられます。
しかし、これは私たちの目が誤魔化されているためでつぎの実験をすれば、昼間の太陽も夕日も見かけの直径がかわっていないことがわかります。
実験
ボール紙で、長さ50センチくらいの筒をつくります。
その一方のはしに、濃い色ガラスをはめこみ、もう一方のはしには2本の糸を筒の長さの100分の1(筒の長さが50センチなら5ミリ)だけ離して平行に張ります。
この筒を通して太陽を覗いてみると、朝日も夕日も昼間の太陽と同じように2本の糸のあいだにぴったりはさまれていて見た感じが違っても、見かけの直径は同じであることがあります。
実際の大きさ
太陽の実際の直径は139万キロメートルで、地球の直径の109倍あります。
ですから、表面積は地球の1万2000倍、体積は地球の130万倍ということになります。
もし太陽の中に地球を詰め込んだら、丸ごとが90万個隙間を詰めるために細かく砕いたのが、さらに40万個も入ることになります。
また、太陽の中心に地球を持ってくると地球をめぐる月の軌道もすっぽり含まれてしまうのですから、どんなに太陽が大きいかがわかるでしょう。
時速1000キロメートルのジェット機で休まずに飛んで地球を一巡りするには40時間ほどかかりますが、同じジェット機で太陽を一回りすると6か月もかかることになります。
太陽の重さは、地球の33万倍で太陽系の惑星全部を合わせた重さにくらべても
750倍も重いのです。
この重さを卜ンであらわすと2000000000000000000000000000トン(0が27) にもなります。
もし太陽を小さく壊して、5トン積みの大型トラックで運ぶとすると億の億倍のまた億倍、それのさらに400倍ものトラックが必要になるのです。
太陽までの距離
太陽の実際の直径は、太陽までの距離の、ほぼ100分の1であると前にいいました。
太陽の直径は139万キロメートルですから太陽までの距離は、およそ1億3900万キロメートルぐらいと見当がつくでしょう。
正確には、平均1億4960万キロメートルで地球の軌道が楕円なので、毎日少しずつかわっています。
1月には最も近く、約1億4700万キロメートル、7月には最も遠くて、約1億5200万キロメートルになります。
光は、1秒間に地球を7回半もされる速さをもっています。
しかし、このすばらしい速さの光でも太陽から地球にくるまでには8分19秒もかかるのです。
もし私たちが歩いていくとすると、休まずに歩き続けても4000年以上もかかることになります。
超特急「ひかり」号に乗っても、地球を出発してから100年近くも経たないと太陽につくことができません。
地球上でいちばん速い乗物のロケットでも(秒速10キロメートル)半年くらいかかるほど地球から太陽までは遠く離れているのです。