近視・遠視・乱視とは? 目の病気とは? 錯覚とは?

近視・遠視・乱視

水晶体の調節が、うまくいかなくなると、近視や遠視になります。
ふつう、近いものを見るときは、目の水晶体が厚くなりものの像がうまく網膜にうつるようになっています。

ところが、あまり長いあいだ、ものを近づけて見る習慣をつけるとそれになれてしまって水晶体の厚みが、もとにかえらなくなります。

こうなると、遠いところにあるものを見ても像は網膜の前に結ばれ、はっきり見えないのです。

これが仮性近視です。

近視というのは、眼球の奥行が長すぎるために起こるものをいいます。

近視は、凹レンズの眼鏡をかけて、調節することができます。
遠視はうまれつきのもので、近視と反対に眼球の奥行が短いと起こり近くのものがはっきり見えません。

これは凸レンズで調節することができます。

また、長いあいだ使ったために、水晶体がかたくなりうまくふくらまないこともあります。

これが、老眼です。

お年寄りが新聞などを読むのに手を伸ばして新聞を遠くへやって読むのは、このためです。

乱視は、ふつう、かく膜のゆがみによって起こります。
ときには、水晶体や限底がゆがんでいて乱視になることもあります。

目に入ってきた光が、ゆがんだ部分を通るので、ものなどが二重に見えるのです。
乱視は、このゆがみを直す、特別な眼鏡をかけて目を調節します。


近視の予防

日本人には、とくに近視が多いといわれています。
それも、うまれつきの人は少なく、上の学校にすすむにつれて多くなるのがふつうです。

小学生では、100人のうち9人ぐらいの割合で近視の人がいますが大学生になると、17人にも増えるのです。

これは、細かい字を暗いところで読んだり読むときの姿勢が悪かったりしたためです。

本を読むときは、必ず明るいところで、正しい姿勢で読みましょう。

目の病気の予防

ほこりや細菌が目に入ると、よく結膜炎にかかります。
目が赤くなったり、目やにが出たり、傷んだりします。

汚れた手で月をこすったりほこりの多いところで遊んだりするのは危険なことです。

トラホーム

トラホーム(トラローマ)は、ビールスによって起こります。
これにかかると、結膜に粒々ができ、眼球を傷めることになります。

手ぬぐいや洗面器からうつる場合が多いのです。トラホームにかかった人のものは、使わないようにしましょう。

目と栄養

体に、ビタミンAが足りなくなると、とり目になります。
これは、夜になると、目が見えなくなる病気です。
肝油などを飲んでビタミンAをとらなければなりません。



錯覚

私たちは、白い着物を人と間違えたり雨の音を泥棒の足音とかん違いしたりすることがあります。

このように、あるものを、見間違えたり、聞き違えることを錯覚といいます。
これは、とても疲れているときや、神経の病気のときなどに起こります。

また、ものの並び方や、置かれたときの形などで正確に見ることができないときがあります。

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たとえば、図のように、等しい長さの線が違って見えたり平行な線が曲がって見えたりします。

錯覚と似ているので、よく間違えられるのが幻覚です。
錯覚は、実際にあるものを、見間違えたり、聞き違えたりするのですが幻覚は実際には、なにもないのに見えたり(幻視)だれもいないのに、声が聞こえてくる(幻聴)ことをいいます。

このような幻覚がいちばんよく見られるのは神経の病気のときですが健康な人でも、たいへん疲れたときには経験することがあります。




目のしくみとは? なぜ物や色、距離感がわかるのか?

目や耳のように、感じを受け取る器官のことを、感覚器といいます。

音楽を聞いたり、映画を見たりして私たちは、楽しい時間を過ごします。
これは、目や耳のおかげです。

感覚器には、目や耳のほかに、味を感じる舌、においをかぐ鼻、痛さ・熱さ・冷たさなどを感じる皮膚などがあります。

これらはみな、私たちがまわりの様子を知るために、大切な感覚器です。

これらの感覚器によって、いろいろな刺激が受け取られます。
この知らせは、神経によって脳に届きます。
こうして、はじめて感じが起こるのです。

私たちが、さまざまなことを知ることができるのは、みな感覚器を通してのことなのです。


目のしくみ

目は、光の刺激を受けて、ものを見るはたらきをする感覚器です。

顔の骨の中には、眼かというくぼみがあります。
この中には、目の道具がみな入っています。

まぶたのうしろには、目玉(眼球)があり、そのうしろに視神経があります。
眼球のまわりには眼筋とよばれる筋肉がありこのはたらきによって眼球を上下左右に動かすことができるのです。

眼球は、目の中でも大切なところで、そのはたらきを助けたり保護するために、眉毛・まつ毛・瞼・涙を出す器官、目の筋肉などがあります。

涙腺から出る涙は、悲しいときだけに出るのではなく、いつも少しずつ流れ出ていて眼球の表面が乾かないいようにしています。

また、ほこりやごみが入ったときは洗い流す役目をします。

ものが見えるしくみ

目のしくみは、カメラと非常によく似ています。

カメラのレンズにあたるものが、目では水品体です。
カメラでは、ものの形がフィルムにうつりますが、目では網膜にうつります。
また、カメラのしぼりにあたるのは、目のの虹彩です。

虹彩は、光の強さによって、ひとりでに広がったり
縮んだりして、瞳の大きさをかえます。

こうして、中に入ってくる光線を調節するのです。
明るいところでは瞳が縮み、暗いところでは開いて大きくなるのは、このためです。

カメラではピントをあわせるのにレンズを動かします。

目では、毛様体のはたらきによって、水晶体がふくらんだり平たくなったりして、その役目をします。

水晶体は、目に入ってくる光を屈折させ網膜にものの形をうつしだします。

網膜には、光を感じる視細胞があり、これによって光の刺激が大脳に伝えられ、はじめてものが見えるのです。

目と大脳を連絡する役目は、視神経がつとめています。
網膜の中央に近いところにある黄はんは、感覚がいちばんするどいところです。

この黄はんの近くに、視神経の入り口になっている部分があります。
ここを盲点といいます。

盲点は、よく「気がつかないところ」という意味に使われるように光を感じないところです。

網膜を詳しく調べてみるとここには、かん状体とすい状体という2種類の視細胞が並んでいるのがわかります。

かん状体は、棒のような形をしていて光をよく感じ暗いときによくはたらきますが色を区別する力はありません。

もう1つのすい状体は、きりのような形をしていて光にたいする感じ方は、かん状体に劣りますが色を見わける力があり光が明るいときによくはたらきます。

ふつうの明るさのときには、すい状体がはたらいてものを見わけたり、明るさを感じたり、ものの色を感じたりします。

しかし、夕方のように暗くなると、すい状体にかわってかん状体がはたらくようになるので色を見わけにくくなります。

かん状体がなかったり、そのはたらきが悪くなると、明るいときはすい状体がはたらくのでよく見えるのですが、うす暗くなると、見えなくなります。

これがとり目(夜盲症)です。
また、かん状体は、緑の光を感じやすい性質があるので、実際は、かなり暗い月の光を、明るい青白い光に感じるのです。



色を感じるしくみ

網膜にあるすい状体という細胞が色を感じるはたらきをしていますがこれには、赤・青・緑に感じる3種類の細胞があると考えられています。

これらの細胞の1つか2つが故障すると色の区別ができなくなります。これが色盲なのです。

私たちの中には、うまれつき、色盲の人がいます。

遠近を知るしくみ

片目をふさいで、手に持った鉛筆の先をもういっぽうの手に持った鉛筆の先ついてみましょう。
両目を開ければなんでもないことでも、片目ではうまくいきません。
これは、片目では、遠近感がなくなるからです。

物の遠近を感じるのは、目が2つあるからだろうと考えられています。
1つの物でも右の目で見るのと左の目で見るのとではいくらか形が違い、その違いは近くにある物ほど大きくなります。

視角

左右の目と物を直線で結ぶと遠い物と近い物では角度が違ってきます。
この角度を視角といい、視角が小さい物は遠く、視角が大きい物ほど近くにあります。

つまり、視角の大小によって、物の遠近がわかるのです。
このように、目が2つあるのは、距離を知るのに大切なことです。




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