皮膚のしくみとはたらきとは? わかりやすく解説!

皮膚のはたらき

私たもの体の形は、骨や筋肉がつくっています。
この体のいちばん外側を包んでいるのが皮膚です。
皮膚は、どんなはたらきをしているのか調べてみましょう。

皮膚は、体に毒になるものや病原菌が、体の中へ入り込むのをふせいでいます。
また、体の内部が、外からの刺激(熱さ、寒さ、日光にてらされることなど)を直に受けないようにふせいでいます。

このようにして、皮膚は体の内部の大事な器官を守っています。
そのほか、熱さ・寒さ・痛さなどを感じる役目も皮膚がしていますし触られたり・押されたりしたときにも皮膚はそれを感じます。

体の体温を調節するのにも、皮膚は、大事なはたらきをしています。


皮膚のしくみ

図のように、皮膚は3つの部分に分けられます。
外側から順に、表皮・真皮・皮下組織と分かれています。

皮下組織には、脂肪がたくわえられています。
太っている人は、この皮下脂肪が多く、やせている人は、それが少ないのです。

表皮は、たくさんの細胞が、幾重にも重なりあってできています。
表皮の細胞は、上のほうからだんだん死んで、あかやふけとなり、下のほうから新しい表皮の細胞がつくられ、それを補充していきます。

表皮のいちばん深いところに並んでいる細胞の中にはメラニンという色素があります。

私たちの皮膚の色は、このメラニンの多いか少ないかによって違います。
皮膚は紫外線をふせぐ働きがあり、日焼けするとメラニンが増えます。

あざは、メラニンをもった細胞が集まったものです。

また、白人はメラニンが少ないために白い肌をしており黒人はメラニンが多いために黒い肌をしています。

皮膚には、血管がきています。
また、神経もきていて、いろいろな感じを受け取ります。

皮膚には、毛がはえています。
毛穴の中には、あぶらを出す腺があって、あぶらを皮膚の表面へとおくり出します。
このあぶらは、皮膚の表面を滑らかにし、皮膚が乾くのをふせぎます。

汗は、汗腺という器官からでます。
汗腺は、たまになっている部分とそこから皮膚の表面まで続いている管とからできています。

このたまになっているところで、汗がつくられます。
汗は、そこから管を通って、皮膚の外に出ます。

汗は、目で見えるほど、滴となって出ることもありますがふつうは目ではわからないくらいわずかずつ汗の水分がたえず皮膚から蒸発しています。

ガラスの上に、手の平をあててごらんなさい。
手の平があたったところだけ、くもるでしょう。
これは、皮膚から蒸発している水分のためなのです。

鳥肌

私たちの皮膚は、体温の調節に役立ってています。
寒さにあうと皮膚も皮膚の血管も縮んで、なるべく熱を逃がさないようにします。

皮膚にはえている毛には筋肉がついています。この筋肉を立毛筋といいます。
寒さにあうと、立毛筋が縮んで、そのため毛が逆立ち毛穴が持ち上がって、ちょうど羽根をむしった鳥の皮膚のようになります。

これを鳥肌といいます。



指紋

指紋は、ひとりひとり違った形をしています。
指紋は、指のはらの皮膚のでこぼこになった筋がつくっている形です。

指のはらにインキをつけて、紙に押し付けると、指紋の形がうつされます。
指紋は一生かわりませんので、人を見わけるときに使われます。

手とつめ

毛は、ほとんど体中にはえていて、皮膚の中にその根(毛根)があります。
毛が伸びていくのは、毛が育ってくからです。

毛には、細くて短いのと、太くて長いのと2種類あります。

細くて短いのは、うぶ毛で、これは、体の大部分にはえている毛です。
太くて長いのは、こう毛で、髪の毛・まつ毛などの毛です。

つめは、指先からはえています。
つめの根本は、皮膚につつまれていて見えませんがつめは、そこで育って伸びていきます。

皮膚でわかる感じ

皮膚でわかる感じには、ものに触った感じ、熱い感じ冷たい感じ、痛い感じの4つがあります。
そのほか、足の裏や、わきの下などに触ると、くすぐったく感じます。

皮膚の表面で痛みを感じる点を痛点、皮膚に触ったのを感じる点を触点、温かさを感じる点を温点、冷たさを感じる点を冷点といいます。

痛点・触点・温点・冷点は、皮膚の表面にばらまかれていてそれぞれ特別なしくみがあって、それぞれの感じを受け取ります。

この感じを受ける点は、体の部分によってそれぞれ、多いところと、少ないところがあります。

実験

先のとがったものを冷たくして手の甲に触れながら、ずらしていきます。
そのとき、冷たく感じるところが冷点です。

こんどは、温めて今と同じようにすると、温かさを感じるところがあります。

そこが温点です。

やはり、先のとがったものを手の甲に触れながら、ずらしていきます。
そのとき、触ったことがわかるところが触点で痛みを感じるところが痛点です。



皮膚の衛生とは? 体温を調節するしくみとは? わかりやすく解説!

皮膚の衛生

皮膚の表面には、皮膚から出る汗(水分)やあぶらがついています。
この汗やあぶらのついている皮膚には、空気中のほこりや細菌がつきやすく
皮膚を洗わないと、汗・あぶら・ほこり・細菌がたまって皮膚が汚れてきます。


皮膚は、いつもきれいにしておくことが大切です。
ほどよく日光にあたると、皮膚は丈夫になります。これは、皮膚に色素が増えて、皮膚の抵抗力が増すからです。

しかし、強い日光にあまり長くあたりすぎると皮膚に、ひぶくれができます。

夏に汗をかくと、汗疹ができることがあります。
汗をかいたときには、水でしめした布できれいにふき皮膚を早く乾かすようにすれば汗疹もができません。

冷水浴・冷水摩擦をすると、皮膚が丈夫になります。
冬、激しい寒さにあうと、手足にしもやけができることがあります。

これは、寒さのために血液がよくまわらなくなり、皮膚の組織が壊されるためです。
寒いときは手足をよくこすって血液の循環をよくしたり、皮膚を乾かすことが大事です。

田虫・水虫・しらくもなどは、皮膚にカビがついたために起こる病気です。
また、皮膚がかゆくなるかいせんという病気はカイセンチュウが皮膚につくためです。
カイセンチュウは、めすが皮膚にもぐります。

体温を調節するしくみ

私たちが健康であるためには、まわりが熱くても、寒くても体温を37度ぐらいに、たもたなければなりません。

体には、この体温を一定に保とうとするはたらきが自然に備わっています。

体の中では、いつも食べ物をもとにして熱がつくられています。
これが、体温のもとになっています。

この熱は、体温を保つだけあればよいので余った分は、たえず体の外に出さなければなりません。

余った熱は、ほとんどが皮膚からまわりの空気中へ出されます。
そのほか、大便や尿といっしょに体の外へ出されます。



皮膚から失われる熱

皮膚からは、つぎの4つの方法で熱が失われていきます。

伝導

私たちのからどの皮膚の表面から、まわりの空気へと熱が伝わって逃げていきます。
これは、伝導という熱の伝わりかたの1つです。

冬になって寒くなると、毛の洋服を着ますが毛は熱を伝えにくく、伝導により熱か逃げるのをふせぐことができるからです。

対流

皮膚に触れている空気は体の熟で温められると軽くなって上にあがります。
そのあとへ、冷たい空気が入れ替わって入ってきます。

これを繰り返して、空気は、皮膚から熟をとっていきます。
これに、対流という熱の伝わりかたの1つです。

洋服を着ると、皮膚とまわりの空気とのあいだに動かない空気の層ができるので、熱の対流や伝導をふせぎ冬でも体を温かくしておくことができるのです。

放射

熱したストーブに近よると、熱さを感じますがこれはストーブが熱を放射しているからです。

私たちの体の表面でも放射で、熱をもらったり、熱を失ったりしています。

夏に白い着物を着るのは、まわりからの放射熱を反射するため冬に、黒い着物を着るのは放射熱を吸収するためです。

蒸発

私たちの皮膚からは、たえず水分が蒸発しています。
体から水分が蒸発するとき、皮膚から熱を奪っていきます。

皮膚から熱が失われるのはこの4つのうちどれにいちばんよるかというと、気温や湿り気などいろいろな場合によって違います。

私たちの身の周りの空気の温度が低いほど放射・伝導で熱を奪われることが多く、空気が乾いていると蒸発がさかんになり、風邪が強いと対流と蒸発が、さかんになります。




鼻と舌のしくみとは? わかりやすく解説!

鼻は、呼吸をするときの空気の出入り口で、入り囗に鼻毛があり吸い込むほこりや、細菌を取り除くはたらきもします。

また、においをかぐはたらきもあります。


においを感じるしくみ

鼻の中は、鼻こうとよばれ、左右2つに仕切られています。
この仕切りを、鼻中かくといいます。
鼻こうは、咽頭へつながっていますが咽頭には、左右の仕切りがありません。

鼻中かくに向き合った壁には、ひだが3つ並んでいます。
いちばん上のひだの近くには、においを感じる特別なしくみがあります。

においをもった細かい粒が空気に運ばれて鼻こうに入り、このしくみに触れます。
そのしらせは神経を通って脳へ伝わり、においが感じられるのです。

ですから、鼻風邪のために、鼻こうの粘膜がはれると空気の通りが悪くなって、においが感じられなくなります。

においをかぐはたらきは、子どものほうが大人よりもよくまた、人間よりも動物のほうが、いっそうよくはたらきます。

しかし、私たちの鼻は、同じにおいを長い時間かいでいるとそのうち感じなくなります。
これは、においを感じる部分が疲れてにおいをかぎわける力が衰えるからです。

鼻こうの周りには、いりくんだ洞穴が、いくつかあります。この穴を、副鼻腔といいます。
鼻風邪をひいたときに、鼻声になるのはこの副鼻腔が詰まるためです。

鼻の衛生

人の呼吸は鼻からするもので、口からすると病気になります。
ですから、鼻呼吸をすることが大切です。

蓄膿症は、細菌などの感染によって、副鼻腔に膿がたまる病気です。
これが長く続くと、病気を治してもにおいを感じなくなることがあります。



舌は、口の中に入った食べ物の味を感じたり、かき混ぜたりこれをのどのほうへおくったりするはたらきをします。
また、私たちが、言葉を喋るにも、舌はなくてはたらないものです。

味を感じるしくみ

ものの味は、おもに舌で感じます。
舌には、味らいという味を感じる感覚器があります。
しかし、味らいのないところでも、味を感じることができます。
味を感じるしくみには、よくわからない点があります。

味をもった物質が、つばに溶けて、味らいに触れると味が感じられます。

味には、甘味・鹹味・酸味・苦味の4つがあります。
辛味・渋味などは味のほかに、ものに触った感じ傷みの感じなどが混じったものです。

味の感覚が損なわれると食べ物がまずくなり、食欲が減ります。
口の中は、いつもきれいにして舌が荒れないように気をつけていなければなりません。

実験

甘味・鹹味・酸味・苦味はそれぞれ感じやすい場所が違いいます。
どの部分で、どの味がいちばん感じられるか、試してみましょう。

砂糖・食塩・食酢で、それぞれ甘味・鹹味・酸味を調べます。

苦味は害のないように、溶かしてもらったキニーネなどの薬を使います。
これらを水でうすめて、それぞれ別の筆につけ、舌のいろいろな部分に塗ってみます。

どこで、どんな味を感じるかがわかります。
苦味は、あとまで残りますから、いちばんあとで調べましょう。

鹹味は、どこでも同じに感じます。
甘味は、舌の先、酸味はわき、苦味は奥のほうでいちばんよく感じることがわかります。




耳のしくみとは? なぜ音が聞こえるのか? わかりやすく解説!

耳のしくみ

耳は、音を感じる器官です。
耳は、外から見ると、顔の両側に穴があいているだけのように見えますがその内部は非常に複雑なしくみになっています。
耳は、音を感じるだけでなく、体のつり合いを感じるはたらきをします。

耳は、その形とはたらきから、外耳・中耳・内耳の3つの部分に分けられます。


外耳

下の図のように、鼓膜から外側の部分を外耳といいます。
ここには、耳かいと外耳道があります。

私たちが、ふつう耳といっているところは、耳かいです。
耳かいは、いつもじんと張っていますがこれは、耳かいの中にな人骨が入っているからです。

耳かいは、音を集める形になっています。手を耳かいにあてると、よく聞こえます。

外耳道は、耳の穴のことです。鼓膜はこの外耳道のつきあたりにあります。

鼓膜は、まるい形をした薄い膜です。
空気の振動が、鼓膜に届くと、鼓膜は、細かく震えます。

中耳

中耳は、鼓膜の内側にある部屋です。中耳は、咽頭の上部(鼻の奥)と細い管でつながっています。

この管を耳管といいます。耳管は、いつもは閉じています。

私たちが、つばきを飲み込んだり、あくびをしたりすると開き、空気が出入りします。

こうして、鼓室の中の空気の圧力と外の圧力が釣り合うようになっています。

もういちど、上の図を見てください。
鼓膜の内側から、つち骨・きぬた骨・あぶみ骨という3つの小さな骨がつながっています。

鼓膜が音波のためにふるえると、この3つの骨がさらに音を奥のほうへ伝えるのです。

これらの骨には、細い筋肉がついていて強い音を伝えるとき、調節する役目をしています。

内耳

中耳から奥のほうは、内耳とよばれます。
内耳は、たいヘん込み入っているので、迷路ともいわれます。

カタツムリのような形をしたものが、蝸牛です。
この中には、コルチ器官があり、音を感じるはたらきをしています。
蝸牛には、リンパ液が入っています。

音波が鼓膜を震わせ
つち骨・きぬた骨・あぶみ骨と伝わって、リンパ液を震わせます。
リンパ液からはコルチ器官に伝わり、脳へ知らせが届きます。

こうして音が感じられるのです。



つり合いを感じるしくみ

内耳は、音のほか、運動や姿勢の位置を感じるはたらきがあります。
これは、三半規管と前庭の役目です。

電車・船・飛行機に乗ったり、片足で立ったりするときはここが刺激されて反応します。

内耳には、輪の形をしたものが、3つあります。この輪が三半規管です。

三半規管の中には、リンパ液が入っています。私たちの体が動くと、このリンパ液も動きます。
三半規管には特別なしくみがあってこのリンパ液の動きを感じると大脳半球や小脳へ知らせるのです。

こうして、体の動きを感じることができるのです。

前庭は、三半規管とか牛の間にあります。
ここには、体のつり合いを感じる特別なしくみがあります。

上の図のように三半規管や前庭には、ちょっともりあがったところがありこの上に細かい石のようなものがのっています。

体が傾くと、細かい石の重みのかかり方がかわります。
この知らせが脳へ伝わり、つり合いを感じるのです。

耳の衛生

耳の穴には、よく耳あかがたまります。
耳あかは、外耳道の皮膚から出されたあぶらに、外のほこりが混じったものです。

耳あかは、よく掃除しないと、長いあいだにはだんごのように詰まって耳が聞こえなくなったり、できものができたりします。

鼻が悪かったり、アデノイドが大きかったりすると耳管のはたらきが悪くなって、鼓膜がへこみます。
ときには鼓室に粘液がたまって、耳が遠くなることがあります。

耳の病気では中耳炎がおもなものです。
これは、病原菌が中耳へ入って膿む病気でたいへん傷んだり、耳だれが出たりします。

これをほうっておくと、破れた鼓膜がふさがらずに、耳が聞こえにくくなります。

中耳炎は、鼻やのどに起こった病気が耳管を通って中耳に及ぶために起こることが多いのです。
また、外耳道から水が入った場合なども中耳炎になることがあります。

前庭や、三半規管のはたらきがおかされると目まいや吐き気がしたり、立っていられなくなります。




近視・遠視・乱視とは? 目の病気とは? 錯覚とは?

近視・遠視・乱視

水晶体の調節が、うまくいかなくなると、近視や遠視になります。
ふつう、近いものを見るときは、目の水晶体が厚くなりものの像がうまく網膜にうつるようになっています。

ところが、あまり長いあいだ、ものを近づけて見る習慣をつけるとそれになれてしまって水晶体の厚みが、もとにかえらなくなります。

こうなると、遠いところにあるものを見ても像は網膜の前に結ばれ、はっきり見えないのです。

これが仮性近視です。

近視というのは、眼球の奥行が長すぎるために起こるものをいいます。

近視は、凹レンズの眼鏡をかけて、調節することができます。
遠視はうまれつきのもので、近視と反対に眼球の奥行が短いと起こり近くのものがはっきり見えません。

これは凸レンズで調節することができます。

また、長いあいだ使ったために、水晶体がかたくなりうまくふくらまないこともあります。

これが、老眼です。

お年寄りが新聞などを読むのに手を伸ばして新聞を遠くへやって読むのは、このためです。

乱視は、ふつう、かく膜のゆがみによって起こります。
ときには、水晶体や限底がゆがんでいて乱視になることもあります。

目に入ってきた光が、ゆがんだ部分を通るので、ものなどが二重に見えるのです。
乱視は、このゆがみを直す、特別な眼鏡をかけて目を調節します。


近視の予防

日本人には、とくに近視が多いといわれています。
それも、うまれつきの人は少なく、上の学校にすすむにつれて多くなるのがふつうです。

小学生では、100人のうち9人ぐらいの割合で近視の人がいますが大学生になると、17人にも増えるのです。

これは、細かい字を暗いところで読んだり読むときの姿勢が悪かったりしたためです。

本を読むときは、必ず明るいところで、正しい姿勢で読みましょう。

目の病気の予防

ほこりや細菌が目に入ると、よく結膜炎にかかります。
目が赤くなったり、目やにが出たり、傷んだりします。

汚れた手で月をこすったりほこりの多いところで遊んだりするのは危険なことです。

トラホーム

トラホーム(トラローマ)は、ビールスによって起こります。
これにかかると、結膜に粒々ができ、眼球を傷めることになります。

手ぬぐいや洗面器からうつる場合が多いのです。トラホームにかかった人のものは、使わないようにしましょう。

目と栄養

体に、ビタミンAが足りなくなると、とり目になります。
これは、夜になると、目が見えなくなる病気です。
肝油などを飲んでビタミンAをとらなければなりません。



錯覚

私たちは、白い着物を人と間違えたり雨の音を泥棒の足音とかん違いしたりすることがあります。

このように、あるものを、見間違えたり、聞き違えることを錯覚といいます。
これは、とても疲れているときや、神経の病気のときなどに起こります。

また、ものの並び方や、置かれたときの形などで正確に見ることができないときがあります。

たとえば、図のように、等しい長さの線が違って見えたり平行な線が曲がって見えたりします。

錯覚と似ているので、よく間違えられるのが幻覚です。
錯覚は、実際にあるものを、見間違えたり、聞き違えたりするのですが幻覚は実際には、なにもないのに見えたり(幻視)だれもいないのに、声が聞こえてくる(幻聴)ことをいいます。

このような幻覚がいちばんよく見られるのは神経の病気のときですが健康な人でも、たいへん疲れたときには経験することがあります。




目のしくみとは? なぜ物や色、距離感がわかるのか?

目や耳のように、感じを受け取る器官のことを、感覚器といいます。

音楽を聞いたり、映画を見たりして私たちは、楽しい時間を過ごします。
これは、目や耳のおかげです。

感覚器には、目や耳のほかに、味を感じる舌、においをかぐ鼻、痛さ・熱さ・冷たさなどを感じる皮膚などがあります。

これらはみな、私たちがまわりの様子を知るために、大切な感覚器です。

これらの感覚器によって、いろいろな刺激が受け取られます。
この知らせは、神経によって脳に届きます。
こうして、はじめて感じが起こるのです。

私たちが、さまざまなことを知ることができるのは、みな感覚器を通してのことなのです。


目のしくみ

目は、光の刺激を受けて、ものを見るはたらきをする感覚器です。

顔の骨の中には、眼かというくぼみがあります。
この中には、目の道具がみな入っています。

まぶたのうしろには、目玉(眼球)があり、そのうしろに視神経があります。
眼球のまわりには眼筋とよばれる筋肉がありこのはたらきによって眼球を上下左右に動かすことができるのです。

眼球は、目の中でも大切なところで、そのはたらきを助けたり保護するために、眉毛・まつ毛・瞼・涙を出す器官、目の筋肉などがあります。

涙腺から出る涙は、悲しいときだけに出るのではなく、いつも少しずつ流れ出ていて眼球の表面が乾かないいようにしています。

また、ほこりやごみが入ったときは洗い流す役目をします。

ものが見えるしくみ

目のしくみは、カメラと非常によく似ています。

カメラのレンズにあたるものが、目では水品体です。
カメラでは、ものの形がフィルムにうつりますが、目では網膜にうつります。
また、カメラのしぼりにあたるのは、目のの虹彩です。

虹彩は、光の強さによって、ひとりでに広がったり
縮んだりして、瞳の大きさをかえます。

こうして、中に入ってくる光線を調節するのです。
明るいところでは瞳が縮み、暗いところでは開いて大きくなるのは、このためです。

カメラではピントをあわせるのにレンズを動かします。

目では、毛様体のはたらきによって、水晶体がふくらんだり平たくなったりして、その役目をします。

水晶体は、目に入ってくる光を屈折させ網膜にものの形をうつしだします。

網膜には、光を感じる視細胞があり、これによって光の刺激が大脳に伝えられ、はじめてものが見えるのです。

目と大脳を連絡する役目は、視神経がつとめています。
網膜の中央に近いところにある黄はんは、感覚がいちばんするどいところです。

この黄はんの近くに、視神経の入り口になっている部分があります。
ここを盲点といいます。

盲点は、よく「気がつかないところ」という意味に使われるように光を感じないところです。

網膜を詳しく調べてみるとここには、かん状体とすい状体という2種類の視細胞が並んでいるのがわかります。

かん状体は、棒のような形をしていて光をよく感じ暗いときによくはたらきますが色を区別する力はありません。

もう1つのすい状体は、きりのような形をしていて光にたいする感じ方は、かん状体に劣りますが色を見わける力があり光が明るいときによくはたらきます。

ふつうの明るさのときには、すい状体がはたらいてものを見わけたり、明るさを感じたり、ものの色を感じたりします。

しかし、夕方のように暗くなると、すい状体にかわってかん状体がはたらくようになるので色を見わけにくくなります。

かん状体がなかったり、そのはたらきが悪くなると、明るいときはすい状体がはたらくのでよく見えるのですが、うす暗くなると、見えなくなります。

これがとり目(夜盲症)です。
また、かん状体は、緑の光を感じやすい性質があるので、実際は、かなり暗い月の光を、明るい青白い光に感じるのです。



色を感じるしくみ

網膜にあるすい状体という細胞が色を感じるはたらきをしていますがこれには、赤・青・緑に感じる3種類の細胞があると考えられています。

これらの細胞の1つか2つが故障すると色の区別ができなくなります。これが色盲なのです。

私たちの中には、うまれつき、色盲の人がいます。

遠近を知るしくみ

片目をふさいで、手に持った鉛筆の先をもういっぽうの手に持った鉛筆の先ついてみましょう。
両目を開ければなんでもないことでも、片目ではうまくいきません。
これは、片目では、遠近感がなくなるからです。

物の遠近を感じるのは、目が2つあるからだろうと考えられています。
1つの物でも右の目で見るのと左の目で見るのとではいくらか形が違い、その違いは近くにある物ほど大きくなります。

視角

左右の目と物を直線で結ぶと遠い物と近い物では角度が違ってきます。
この角度を視角といい、視角が小さい物は遠く、視角が大きい物ほど近くにあります。

つまり、視角の大小によって、物の遠近がわかるのです。
このように、目が2つあるのは、距離を知るのに大切なことです。




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