金属の種類とは? 金属とさびの関係とは?錆の防ぎ方とは!

重金属と軽金属

比重が四より小さい金属を軽金属といい、比重が四より大きい金属を重金属といいます。

軽金属のうちでも、とくに比重が小さいものとしてはリチウム(0.534)・カリウム(0.86)・ナトリウム(0.97)などがあります。


また、カルシウム(1.54)・マグネシウム(1.74)・アルミニウム(2.69)なども軽金属です。

重金属のうち、とくに比重が大きいものとしてオスミウム (22.5)・イリジウム(22.5)・白金(21.37)・レニウム(21.2)・タングステン(19.1)・金(19.3)などがあります。

また、銅(8.93)・銀(10.5)・亜鉛(7.12)・カドミウム(8.64)・水銀(13.55)なども重金属にはいります。(かっこ内は比重)

貴金属

貴金属とは、金・銀や白金族金属(白金・イリジウムでオスミウム・パラジウムなど)のような金属をさします。

貴金属は、空気中で熱しても酸化されません。
また、化学変化をうけず、きわめて美しい金属のつやと色とをもっています。

また、貴金属は世界中どこでも、非常に産出量が少なくしたがって、値段も高くなります。
貴金属にたいして、貴金属以外の金属を卑金属といって区別することがあります。

さびのでき方

鉄・銅・アルミニウムなどの金属は、空気中の酸素や水分のはたらきをうけて
表面に、その金属の酸化物や水酸化物などの膜ができます。

この膜をさびといいます。

さびのでき方は、その金属によって多少違います。
それぞれの金属のさびについては、そこ金属の性質を調べる時にいっしょにくわしく調べます。



さびの利用

金属のさびは、悪いもののように思われていますがさびでも使い方によっては、役に立つものがあります。

たとえば、鉄を空気中で熱すると、表面に黒いさびができます。
これは、黒さびとよばれるもので、黒色の四三酸化鉄です。

四三酸化鉄は、うすい酸に溶けにくく、また塩素のような激しい反応性をもった気体とも反応しにくい性質があります。

したがって、あらかじめ黒さびをつくっておくとそれ以上鉄がさびるのを防ぐことができます。

いっぽう、鉄の赤さびにふくまれている酸化第二鉄はベンガラとよばれ顔料(白または色のついた細かい粉で、水や油に溶けずペンキや絵具の原科になる)として使われたり、宝石をみがくために使われます。

また、銅の緑色のさびは、ロクショウといわれて有毒なものですが緑色顔料の一種として利用されています。

さびの防ぎ方

金属のさびは空気中や水中などで金属の表面が変化して酸化物や水酸化物・炭酸化物などが膜になってできたものです。

したがって、これをふせぐためには、さびのできるもとをなくせばよいわけです。
つまり、金属の表面を空気や水や酸などに、直接触れないようにすればよいのです。

そのためには、金属の表面にほかの物質の膜をはるのがよい方法です。
たとえば、メッキをしたり、塗料をぬったり、油類をぬったりして、さびを防いでいます。

また、ホウロウびきの器具も、鉄の下地にうわぐすりをつけたものでさびを防ぐのに役立っています。

さらに、金属の表面に、まえに調べたようにあらかじめ、さびをふせぐためのさびをつくっておくのもよい方法です。

このように大がかりな方法でなくとも金属の表面から湿気をよくふきとっておいたり、油紙につつんで湿気をふせいだりするだけでもある程度さびをふせぐことができます。



酸化とさびとは? 錆びない金属とは? わかりやすく解説!

前回、物質と酸素との化合
すなわち酸化ということを、燃焼とあわせて主に紹介しました。

さて、酸化にたいして、その全く逆の反応である還元という言葉があります。

酸化と還元を理解するには金属について考えるとわかりやすいのでここでは金属の酸化・還元を勉強しましょう。


さびない金属

さびない金属として、私たちがよく知っているものに、金・銀・白金などがあります。
金と同じように、金色をしていても黄銅(しんちゅう)は空気中におくとつやがなくなって表面がさびてきます。

これにたいして、金・銀・白金はつやもかわりません。

これらは、空気中の酸素と化合しないので、さびないのです。
銀は、ときどき黒くなりますがこれは空気中に硫黄の蒸気などがあったとき、それと反応して化合物をつくるためです。

金・白金は天然にもそのまま産出します。
金・銀・白金でつくった器はみがかなくてもいつも美しい光沢をもっているので、食器や装飾品に使われます。

さびやすい金属に金めっきや銀めっきをすると、さびにくくなります。

クロムも銀色をした金属ですが固すぎるのでそのまま利用されることは少なく、鉄などにメッキしたクロムメッキとして、使われています。

クロムメッキをしたものは、なかなかさびません。

鉄とクロム・ニッケルの合金もさびにくいのでさびない鋼(ステンレス鋼)といわれています。



金属の酸化

金属が酸素と化合することを金属の酸化といいます。
金属が酸化してできるものについて、まえにも少し勉強しましたがここでもう少し詳しく調べてみましょう。

鉄を空気中で強く熱すると黒い色のさび(黒さび)ができます。

これは四三酸化鉄 Fe3O4という化合物です。
式からもわかるように鉄の酸化物で鉄原子3個と酸素原子4個の割合でむすびついているところから、四三酸化鉄とよびます。

また、鉄を空気中に放置したり雨ざらしにしておくと、茶色のさび(赤さび)ができます。

これは、三二酸化鉄Fe2O3を主成分とするものです。

黒さびは、きめが細かく、鉄にしっかりくっついていて鉄がそれ以上さびるのをふせぎます。

ですから、鉄の表面にわざと黒さびをつくってさび止めにします。

これにたいして、赤さびはきめが粗く表面がボロボロしているので、さらに水や酸素が内部の鉄に触れ酸化反応が進み、鉄の芯までさびてしまいます。

銅は空気中で黒くさびます。これは酸化第二銅ができるためです。

銅を雨ざらしにしたり、とくに酸などをはたらかせると緑色のさびができます。

これをロクショウといいます。
また、銅を空気中で1000℃ぐらいに熱すると表面に赤い酸化物の膜ができます。

この膜は、酸化第一銅Cu2Oというもので銅の表面だけにできて、内部を保護するので、わざわざ酸化物を銅の表面につくることがあります。

純粋なアルミニウムは空気中においても、その表面のつやに変化がないので、さびないように見えますがこれは表面にごくうすい酸化アルミニウムの膜ができて、内部がおかされないからです。

アルミニウムの表面を処理して酸化アルミニウムの膜をつくったものはアルマイトとよばれます。

固くて、さびにくいのでやかん・弁当箱・食器などに使われます。

不純物をふくむアルミニウムは表面にボツボツの酸化物の粒ができてまもなく穴があいてきます。



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