スズの性質と用途とは? わかりやすく解説!

スズの製法

スズは、天然には単体として産出することは少なく、ほとんどスズ石として産出します。

スズ石の主成分は酸化第ニスズですが
このほかに、酸化鉄やヒ素・硫黄などの不純物をふくんでいます。
スズをとりだすには、このスズ石を鉱石として使います。


まず、スズ石を焼いて、ヒ素や硫黄などを揮発させて取り除きます。
つぎに、炉に入れて、無煙炭とともに熱すると酸化第ニスズが炭素によって還元され、スズになります。

こうしてとりだしたスズはまだ、銅・鉄などの不純物をふくんでいるので
電気分解したり、加熱したりして精製します。

スズは、融点が低いので、熱して溶かすと融点の高い不純物を取り除くことができます。

また揮発しにくいので、真空中で1000℃ぐらいに熱すると鉛・亜鉛など、揮発しやすい不純物も取り去ることができます。

スズの性質

スズは、銀白色のつやをもつ、柔らかい展性の大きい金属です。
また融点が低く100℃ぐらいに熱すするだけで、細く引きのばすことができます。

スズは、湿り気のある空気中では、少しくもりますが乾いた空気中では、非常に安定です。

しかし、高温では、空気中の酸素に酸化されて酸化第ニスズになります。

また、塩素・ヨウ素などのハロゲン族といわれる元素とは化合しやすく塩化第ニスズやヨウ化第二スズなどのハロゲン化第ニスズになります。

硫黄とも反応しやすく、硫化第一スズとなります。
酸にはよく溶け、温かい塩酸には水素を発生して溶け塩化第一スズになり硫酸には、二酸化硫黄を発生して溶け、硫酸第ニスズになります。

硝酸との反応は、希硝酸とは硝酸第一スズをつくり、濃硝酸とはスズ酸をつくります。

スズの用途

スズは、鉄・鉛・銅・アンチモンなどといろいろな合金をつくりますので合金として、非常に広い用途があります。

スズそのものは、いろいろな器具にそのまま利用されるほか展性が大きいことを利用して、スズ箔にし、湿気を防ぐために煙草やチョコレートのつつみ紙に使います。

しかし、値段が高くつくので、最近では、アルミ箔が使われることが多くなりました。
スズのもっとも重要な用途は鉄板にめっきして、ブリキとすることにあります。

ブリキは、ブリキ缶、とくに缶詰用の缶の材料として重要です。

また、いろいろなおもちゃや器具の材料としても使われ
私たちの日常生活で広く見られるものです。



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