亜鉛の性質と用途とは? わかりやすく解説!

亜鉛の製法

亜鉛は単体として産出することはなく産出することはなく、りょう亜鉛鉱・せん亜鉛鉱・として産出します。

これらが亜鉛の鉱石から金属亜鉛をつくるには、まず空気中で強く熱します。


すると、鉱石がりょう亜鉛鉱ならば、二酸化炭素をせん亜鉛鉱ならば二酸化硫黄を発生して、いずれも酸化亜鉛になります。

つぎにこの酸化亜鉛をコークスとまぜて熱すると酸化亜鉛が還元されて亜鉛ができます。

こうして製造した亜鈷は、ふつう鉛・ヒ素・鉄・カドミウム・炭素などの不純物をごく少量ですが、ふくんでいます。

純粋な亜鉛をつくるには、酸化亜鉛から硫酸亜鉛か塩化亜鉛をつくり、この溶液を電気分解します。

この方法で、99.9パーセントという、非常に純粋な亜鉛ができます。

亜鉛の性質

亜鉛は、青色をおびた白色の金属で、見たところ鉛に非常によく似ています。
鉛よりやや硬く、ふつうの温度ではややもろさをしめしますが100℃ぐらいに熱すると、展性や延性が大きくなるので針金やうすい板にすることができます。

さらに熱して200℃ぐらいにすると、またもろくなります。

このように、温度によって展性や延性がかわるのは亜鉛にふくまれる不純物のだめで、純粋な亜鉛には、みられません。

亜鉛は、ふつうの温度の、かわいた空気中では変化しませんが水分と二酸化炭素をふくむ空気中では、だんだん表面が白くくもってきます。

この白いくもりは亜鉛のさびで、塩基性炭酸亜鉛が主成分です。
このさびは、亜鉛の表面に密にできて、亜鉛の内部を守るはたらきをします。

亜鉛は、酸素中や空気中で熱すると白緑色の光をだして燃え、酸化亜鉛になります。
赤熱した亜鉛は、水を分解して、水素を発生します。

また、塩素などのハロゲン族元素とは、直接化合して塩化亜鉛などのハロゲン化亜鉛になります。



亜鉛は、希塩酸や希硫酸には、水素を発生して溶け、塩化亜鉛や硫酸亜鉛になります。
この反応は非常にたやすくおこるので実験室で水素をつくるときに利用されます。

いっぽう硝酸ともたやすく反応しますがこのときは水素ではなく窒素の化合物を生じます。

亜鉛はアルミニウムと同じように、酸・塩基どちらにも作用します。

たとえば、水酸化ナトリウムと反応して亜鉛酸ナトリウムという塩をつくりますがこの場合も、塩酸や硫酸のときと同じように、水素を発生します。

亜鉛の合金

亜鉛は銅・ニッケルなどと、黄銅・洋銀などの合金をつくります。
また青銅にも少量くわえることがあります。

亜鉛の用途

亜鉛は、黄銅・洋銀などの合金に使われるほか、鉄板にめっきしたトタンとして非常に広い用途があります。

亜鉛そのものは、電池の極として利用されます。
たとえば、懐中電燈などに使われる乾電池は、筒が亜鉛でできていてこの亜鉛の筒が陰極になっています。

また、化学工業では、亜鉛の粉末を還元剤として使っています。



モバイルバージョンを終了