メタクリル樹脂・ポリエチレン・ポリプロピレン・フッ素樹脂・ポリアミドの性質と用途とは?

メタクリル樹脂

アセトンと青酸からつくられる樹脂です。
石油化学製品から直接つくる方法も考えられています。

性質と用途

合成樹脂の中で最も光線を通しやすく、また丈夫で割れにくく日光にてらされても性質がかわりません。

ですから、ヘリコプターの風防ガラス、看板の材料、照明器具、光学レンズなど使い道の広い樹脂です。
美しい真珠光沢のあるボタンもこれでつくられますしコンタクトレンズや入れ歯の材料にも使われます。


ポリエチレン

ポリエチレンは、石油の分解ガスからとれるエチレンを重合させてつくりますがこの重合法には、高圧法・中圧法・低圧法の3つがありつくりかたによって、できるポリエチレンの性質も少し違ってきます。

性質と用途

ポリエチレンは、可塑剤をくわえなくても、柔らかい製品がえられるのが特徴ですが高圧法のものより、中・低圧法のもののほうが硬くて丈夫で溶ける温度も高くなります。
水や薬品に強く、電気を通さないのは、すべてのポリエチレンに共通した性質です。

ポリエチレンのいちばん大きな用途は食料品や雑貨などを包む袋や温床などに使うフィルムです。

また、軽くて壊れにくい性質を利用してごみ箱・バケツ・たらい、ジュースやビールの運搬箱、水筒、薬品瓶などたくさんの種類の製品がつくられています。

ポリエチレンは、安くて使いやすい合成樹脂ですから我が国では、合成樹脂の中で、いちばん多く製造されています。

ポリプロピレン」

石油からとれるプロピレンガスを原料としポリエチレンの低圧法によくにた方法でつくられます。

性質と用途

およその性質は、ポリエチレンとよく似ていますので、使い道も似ています。
しかし、ポリエチレンよりもさらに耐熱性がよく丈夫で見かけも美しいものがつくられます。

最近は、荷造り用の丈夫なひも、またこれを編んでつくった袋や敷物などにも
たくさんのポリプロピレンが使われています。



フッ素樹脂

フッ素原子が結合したエチレンやプロピレンを重合させてつくった樹脂で、みかけばポリエチレンによく似ています。

性質と用途

あらゆる薬品におかされず、低温から高温まで性質かかわらず電気を通さず、まったく水を吸わないというすばらしい性質をもっていますが残念なことに、値段が高く成形しにくいという欠点があります。

使い道としては、電気の高度絶縁材料として宇宙科学の発展に大きな役目を果たしているほか化学工場のパイプやタンクの内ばり、機器のパッキングなどにまた家庭用品には、この樹脂をぬりつけた「油のいらないフライパン」などがあります。

ポリアミド

石炭または石油と空気と水を原料にして合成されますが原料の種類によって、いろいろな性質のポリアミドをつくることができます。

合成繊維ナイロンは、ポリアミドの一種です。

性質と用途

ポリアミドは、丈夫で摩擦に強いのがいちばんの特徴で繊維にして丈夫な靴下や織物がつくられていることは、みなさんも知っているでしょう。

また、滑りやすい性質を利用して油のいらない歯車・戸車・かっ車などがつくられていて金属材料のかわりに使える合成樹脂の1つです。



塩化ビニル樹脂・酢酸ビニル樹脂・スチレン樹脂の性質と用途とは?

塩化ビニル樹脂

アセチレンと塩酸を反応させてできる塩化ビニルを重合したもので、もっとも安いプラスチックの1つです。

くわえる可塑剤(合成樹脂を柔らかくする薬品)の量により、性質や見かけがかわります。


性質と用途

可塑剤をいれたものを、軟質塩化ビニル樹脂、いれないものを硬質塩化ビニル樹脂とよびます。

軟質塩化ビニル樹脂からは、フィルム、ふろしき、テーブルかけホース、電線のおおいなどがつくられ、硬質塩化ビニル樹脂は丈夫で薬品にも強いので、水道や工場用のパイプ、波板、雨どい透明な瓶、容器などがつくられます。

塩化ビニリデン樹脂

塩化ビュル樹脂に、塩素がさらに結合した形の樹脂です。

性質と用途

油や薬品に強く、燃えにくく水蒸気などの気体を通しにくい性質をもっています。
また、低温でも柔らかいので、ほとんど繊維やフィルムとして使われています。

緑色の防虫網、美しい色のテントや日やけ、ビーチパラソルなどはこの繊維を織ってつくります。
また、フィルムは、冷蔵庫に食べ物などを入れるときに家庭でも使いますし、ソーセージなどの包装にも使われています。

酢酸ビニル樹脂

アセチレンと酢酸から合成される酢酸ビュルを重合させてつくります。
夏の温度(30℃くらい)で柔らかくなってしまいますのでこれで形のある品物をつくることはできません。

性質と用途

日本でつくられているチューインガムのほとんどは酢酸ビュル樹脂に砂糖や香料をねりこんだものです。
この樹脂の、ほかの大切な使い道は、接着剤や塗料です。

学校の工作で使う接着剤は、でんぷんのり以外はほとんど酢酸ビニル樹脂が主原料です。
しかし、日本でつくられる酢酸ビニル樹脂の大部分はつぎに説明するポリビニルアルコールの原料になっています。



ポリビニルアルコール

酢酸ビニル樹脂をメチルアルコールに溶かし水酸化ナトリウムをはたらかせてつくります。

性質と用途

温水に溶けるという、合成樹脂の中では珍しい性質をもっていますので、水溶性接着剤などにも使われます。

油には強いので、食品や機械部品の包装材料に使われていますが大部分は合成繊維ビニロンの製造原料にむけられます。

スチレン樹脂

ベンゼンとエチレンから合成されるスチレンを重合させてつくります。
スチロール樹脂ともいいます。

性質と用途

無色透明で、成形しやすく薬品に強く電気を通さないなどの性質をもっていますが、ややもろいのが欠点です。

合成ゴムやアクリロニトリルを共重合させて性質を改良した耐衝撃性スチレン樹脂、すなわちAS樹脂・ABS樹脂などもつくられています。

スチレン樹脂は、テレビやラジオの前部の文字板、いろいろな台所用品、おもちゃ、文房具、アイスクリームなどの食品カップなどに使われます。

また、この樹脂をスポンジのように膨らませたものは割れ物の包装材料や断熱材などの用途があります。
ABS樹脂に、丈夫で割れにくいので今まで金属が使われていたもののかわりに美しいめっきをつけた成形品にして使われています。



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