自律神経とは? 神経系のはたらきとは? わかりやすく解説!

自律神経

平滑筋は、私たもの思い通りには動かせません。
この平滑筋と、心臓の筋肉のはたらきを受け持っているのが自律神経とよばれるものです。

自律神経は脳神経や脊髄神経の中に混じっていたり背骨の両側に細長くつながっていたりします。

つばを出したり、食べ物を胃や腸で消化したりするはたらき汗を出して体温を調節するはたらき、心臓のうちかたを整えるはたらきなどは自律神経が受け持っています。

自律神経には交感神経と副交感神経とがあって内臓のはたらきを強めたり、おさえたりしています。

この2つの神経が脳の命令をうけないで内臓の調子を整えています。

このようなはたらきは、ああしよう、こうしようと思ってもかえることはできません。
しかし、気づかないでいるときや、眠っている間でも心臓・胃・腸などは、はたらいてくれます。

これは、自律神経のはたらきのおかげです。


神経系のはたらき

神経のいろいろな部分が、どんなふうにまとまってはたらいているか蚊がひざを刺したときのことから、考えてみましょう。

まず、かゆいという知らせが、皮膚から知覚線維を伝わって脊髄を通り大脳半球に届きます。
ここではじめて、かゆいという感じが起こります。

脳は前に同じようなかゆさを感じたときのことを思いだしこのかゆさは、きっと、蚊に刺されたのだと考えます。

そして、どうしたらよいかを決めます。

つぎに脳は、目に命令して、蚊の止まっている場所を見つけます。
それが、わかったら、手に命令して、蚊を叩くように動かします。

しかし、蚊が逃げないように手をそっと動かさなければなりません。
このため、手が蚊に近づく間中、腕や手から大脳半球や小脳へ手の位置や動く早やさを教える知らせがいきます。

また、目からも蚊の様子、手の格好などについての知らせが届きます。

脳は、これらの知らせを受け取って、もし手が曲がりすぎていたりいきすぎていたりすれば、すぐそれを正しく直すように細かく命令を出します。

こうして、手は滑らかに動きます。

また、蚊に刺されたあとのかゆいところは体を曲げ、かきやすい姿勢でかきます。
このときも、はたしてかゆいところを正しくかいているかどうかという知らせはたえず脳へ伝えられます。

脳は、この知らせによって、指を動かす筋肉へ命令を出しちょうど、うまくかくようにしています。

また、私たちが、蚊のことで一生懸命になっているあいだでも自律神経は心臓を動かし、食べ物を消化できるように腸をはたらかせています。

蚊に刺されたとき、私たちはもちろんこんなことを1つ1つ考えてやっているのではありません。

しかし、神経系はこんなふうに、細かく助け合っているのです。




神経の衛生とは? 脳や神経の病気とは? わかりやすく解説!

神経の病気は、どれも原因や診断が難しいので、治療をはじめるのが遅れがちです。

神経の病気は、脳出血・日本脳炎・脳腫瘍・小児麻痺・神経痛などのように脳や神経そのものの病気と、ものの感じかたや考えかたがふつうでなくなる精神病との2つに分けられます。

精神病には、精神分裂症・躁鬱病・神経症(ノイローゼ)てんかん・精神薄弱・老年痴呆などがあります。

頭痛は、神経の病気ばかりでなく風邪や、目・耳・鼻の病気などのときにも起きます。


神経症

ノイローゼともよばれ、体には悪いところがないのにいろいろな症状が起こる病気です。

この病気は、強い精神的ショックを受けたり心の中に不満があったりするときに起こりますが、その人の性質も関係します。

たとえば、なんとなく不安になって、心臓がどきどきしてそれがいつまでも止まらなくなったり、目まい・冷や汗・震えなど体にいろいろな症状があらわれたりします。

また、夜になってよく眠れないようなときつぎの日は、わずかの光や音にも疲れて仕事があまりできなくなることがあります。

これをいわゆる神経衰弱といっていますが私たちの体には、しばしば起こる状態です。

このほか、自分でもバカバカしいとわかっていることでも気になってしようがないことがあります。

たとえば、戸締りを何十回となく調べなければ気がすまないようなときがそうです。

このようなノイローゼは、いつも神経をいらいらさせていると起こるものですから普段よく眠り、静かな生活を楽しむように心掛けましょう。

脳波

私たちの脳からは、いつも弱い電流が出ています。
この電流を測定器で紙に記録すると、波形の曲線になるのでこれを脳波とよびます。
脳波はまた、脳電図ともよばれます。

脳波は、そのときの精神状態によって、いろいろな波形の曲線になって出てきます。

たとえば、てんかんの人の脳波を測定するとふつうの人と違った、特別な曲線になります。

このように、脳波は、その人の悩や神経の病気を調べるのに、とても役に立ちます。




脳神経と脊髄神経とは? わかりやすく解説!

脳は、頭の骨の中にあり、大切に守られています。脳の下側らは、脊髄が伸びています。

脳や脊髄いは、末梢神径の伝える知らせを受け取ってどうしたらよいかを決め、命令を出すところです。

脳は、大脳半球・間脳・中脳・小脳・延髄などに分けられます。


大脳半球

大脳半球は、脳の中でもいちばん大きなところでおよそ140億もの神経細胞が集まってできています。

左右2つの大脳半球が真ん中で合わさっておりその表面には、込み入ったしわがたくさんあります。
私たちが、ああしよう、こうしようということはみな大脳半球から・命令がでているのです。

間脳

間脳は、自律神経のはたらきや栄養・体温などを正しく整えます。
間脳の前の下のほうには、豆粒のようにぶらさがっている脳下垂体があります。

中脳

目や耳など、首から上の感じは、たいてい脳神経を伝わって、まず中脳へ入ります。

中脳は、それらの知らせを整理して、大脳半球に伝えます。
ですから、電話でいえば、交換台にあたります。

延髄

首の後ろ側で、頭との境目あたりにあります。
ここは、脳と脊髄を結ぶ神経線維が、たくさん通っています。

少しも休まないで呼吸運動がおこなわれたり、心臓がうったりするのは延髄から、繰り返し命令がでているからです。

小脳

平均台を渡るときなど、うまく体のつり合いをとったり目を閉じたまま、まっすぐに立ったりするはたらきは小脳の役目です。

小脳は体の姿勢をうまく保つはたらきをしています。
このために、小脳は、内耳にあるつり合いを感じるしくみからの知らせや関節の曲がり具合などの知らせを受けて、筋肉を引き締めたり緩めたりする命令を出しています。



脊髄

魚を食べるとき、魚の背骨を折ってごらんなさい。
背骨の中に、穴がずっと縦に通じその中に白いやわらかい糸のようなものが通っています。

これが脊髄です。

私たちの脊髄も、同じように、延髄からはじまって背骨の中を通り、腰のあたりまで伸びています。

脊髄は、おもに神経線維の集まりで、脳と手足をつなぐ電話線の束のようなものです。
しかし、神経細胞が少しあって、反射などの大切なはたらきをしています。

脳神経と脊髄神経

脳や脊髄からは、白い糸のような神経線維の束が伸びています。
これらは脳神経と脊髄神経とに分けられます。

脳神経は、脳の一部である中脳や、延髄などから何本も出て顏の皮膚・目・耳・鼻・舌などに行き渡っています。

脊髄神経は脊髄から左右に、それぞれ31本ずつでていて体中に行き渡っています。

これらの脳神経や脊髄神経は、知覚線維と運動線維をもっています。

知覚線維は、見たり、聞いたり皮膚が感じたり(痛い・冷たい・重いなど)した知らせを脳や脊髄に伝えるはたらきをしています。

知覚線維だけからなる神経を感覚神経ともいいます。
運動線維は脳や脊髄の命令を、手足の筋肉に伝えるはたらきをしています。

このように、知覚線維と運動線維は伝える向きが反対です。
ですから、ちょうど2種類の電話線のような役目をしているといえます。




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