力のあらわし方
私たちは、山でブルドーザーが大きな木を押し倒し岩を砕いている風景や港でクレーンが重い荷物を軽々と持ち上げて船に積み込んでいる風景を見かけます。
ブルドーザーやクレーンが私たち人間よりもより大きな力をもっていることを私たちはよく知っています。
ところが、私たちは、この力を直接に目で見ることはできません。
ただ、筋肉の感じや、物体の動く様子で知るだけです。
そこで、自然の現象や機械のはたらきを調べるには力について正しく知ることが必要です。
力の三要素
物体に力がはたらくと、いろいろの変化が起きますがその力のはたらきは力の大きさ、力のはたらく向き、力のはたらく点(作用点)の3つのことがらで決まります。
この3つを、力の三要素と言います。
力を考えるときには、いつも三要素をはっきりさせることが大切です。
つまり、物体のどこに、どれほどの大きさでどちらの向きに力がはたらいているか、ということを考えるのです。
力の大きさ
私たちは、筋肉の感じで、強い力、弱い力、大きい力、小さい力というような区別はできます。
しかし、ある力が、ほかの力の何倍であるかをくわしく知ることはできません。
また、同じ荷物でも、はじめは軽く感じますが疲れてくると重く感じます。
そこで、ばねばかりを使って力の強さを正確にあらわす方法が考えられます。
ばねばかりの一方のはしをとめておいて、他のはしをある強さの力でひっぱると、ばねは、ある長さだけ伸びてとまります。
この場合、力が強いほど、ばねの伸び方は大きくなります。
そこで、ばねの伸びた長さをくらべて、ある力がほかの力の何倍であるかを知ることができます。
したがって、ある力を標準にして、その力の大きさを1と決めておけばほかのすべての力は、その大きさを数であらわすことができます。
力の大きさの単位
1グラムの分銅の重さ、つまり、この分銅を地球がひいている力(重力)を1グラム重の力、またはかんたんに、1グラムの力と言います。
これが、力の大きさの単位です。
このほか、ダインやニュートンなどという単位も使います。
1グラム重=980ダイン
1ニュートン=100000ダイン
力の向き
ある力が、物体にはたらいているといってもどの向きにはたらいているのか、押しているのか引いているのかをはっきりさせなければなりません。
このことを。力の向きと言います。
また、力の向きに引いた直線のことを、作用線と呼びます。
力の作用点
同じ向きの、同じ大きさの力であっても物体のどこにはたらくかによって、物体にあたえる影響は違います。
そこで力が物体にはたらく点を、はっきりさせておく必要があります。
力のはたらいているところを、作用点と言います。
たとえば、ドアのとってに手をかけてドアを開けるときにはドアのとってが、力の作用点になっています。
力を図であらわす方法
力を図に書いてあらわすには、矢印を使います。
矢印を使うと、力の三要素を、はっきりとあらわすことができます。
この場合、矢印の根もとが力の作用点を矢印の長さが力の大きさを矢印の向きが力の向きを、あらわすようにします。
矢印を書くとき、とくに気をつけなければならないことは力の作用点に矢印の先がこないようにすることです。