地層とそのできかた
切りどおしや川岸の崖で平行なしまのある地肌を見ることがありますが、これが地層です。
泥や砂やれき(小石)などにいろいろ違ったものからできている地層が重なっています。
この層の違った成り立ちが、しまに見えるのです。
こうした地層の境を掘ってみると、ほぼ、平らな面になっています。
この面のことを、地層面と言います。
地層は、おもに川のはたらきによって、上流から運ばれてきたいろいろな大きさの粒の土砂が、川や海の底に堆積してできます。
このようなことが大むかしから絶えずおこなわれいく層も重なり合って厚い地層をつくっていきます。
地層の重なりかた
地層は下にあるものほど古い時代に堆積したといえます。
このことは、1781年イギリスのスミスが気づいたもので地層累重の法則といわれ、地球の歴史を研究するうえで基本的な法則とされています。
ですから、地層の重なりかたを調べると、その地層ができた様子を知ることができます。
川底や海底に堆積した地層は、ほとんど平らです。
しかし、堆積してから地殻に変動があると、地層が傾きます。
このため、緩く傾いた地層もあればひどく傾き、ついには垂直にたっている地層もあります。
また、ひっくりかえって地層の上下が逆になっているものもあります。
化石
大むかしの生物の死骸や、巣のあとなどが地層の中に残されたものを化石と言います。
化石に、長い間地層の中にうずもれていて石のように硬くなっています。
しかし、必ず石のようになっているとはかぎりません。
たとえば、ソ連の探検隊によってシベリアの水原から発見されたマンモスは生きていたときと同じように状態でした。
このマンモスの肉を、探索隊の犬にあたえたところ、犬はこれを食べたということです。
このマンモスは、大むかしの生物の死骸でしかも、氷という地層の中にうずもれていたのですから、化石というわけです。
また大むかしの動物の歩いた足あとなども、地層の中に残っていますが、これも化石です。
生物の変化
化石は、それをふくむ地層が堆積したときに住んでいた生物のあとです。
ですがら、地層の中にふくまれている化石をよく調べると各時代の生物のありさまがわかりますがさらに生物がどのように変化してきたかもわかります。
示準化石
厚く重なりあった一連の地層にふくまれている化石を調べるとどの地層にもみつかるものと、これとは反対にあるかぎられた地層にだけ見つかるものとがあります。
あるかぎられた地層にだけ見つかる化石はその地層の堆積した時代にだけ生きていたことをしめします。
このような化石は、示準化石、または標準化石とよばれています。
ある地層から示凖化石が発見されると、その地層が堆積した時代を知ることができます。
また、離れたとことにある地層の化石をくらべどちらが新しく、どちらが、古いかを知ることもできます。
古生代のサンヨウチュウやボウスイチュウ(フズリナ)中生代のは虫類やアンモナイト、新生代のカヘイキキ・デスモスチルスなどは示凖化石のよい例です。
示相化石
化石になっている生物の性質を調べるとその地層が堆積したころの自然の様子を知ることができます。
たとえば、さんご礁をつくるサンゴチュウは現在、熱帯や亜熱帯の浅い海にしか住んでいません。
このことから、さんご礁をつくるようなサソゴチュウの化石をふくむ地層は
あたたかくて浅い海で堆積したことがわかります。
このように地層ができたときの環境を知ることができるような化石を示相化石と言います。
千葉県の館山市の沼には、サソゴをふくむ第四紀沖積世の地層があります。
このことから、そのころの海水は現在よりも、やや水温が高かったことがわかります。
地球の歴史のわけかた
地殻ができたのは、いまから約40億年まえといわれています。
そして生物が地球上にあらわれたのは、およそ20億年まえのことです。
地球上にはじめてあらわれた生物はごく下等なものでその後しだいに進化して現在のようなものになったと考えられます。
相対年代
地質時代を生物の進化をもとにして区分したものを相対年代といいます。
このわけかたは、ふつうに使われているもので古い時代から、先力ンブリア代・古生代・中生代・新生代の4つにわけられそれぞれの代の中は、さらに細かく区分されています。
絶対年代
地質時代の時間の長さを数であらわしたものを絶対年代といいます。
この絶対年代は火成岩や変成岩にふくまれている放射性元素の崩壊を利用してもとめたものです。
放射性元素は、一定の割合で崩壊し他の元素にかわります。
ですから、ある鉱物中にふくまれている放射性元素の量とそれが崩壊してできた元素の量を測定すれば、その鉱物の年令がもとめられます。